製薬業界、生産性向上とコスト削減のために革新的な研究開発戦略を導入
株式会社グローバル インフォメーションは、GBI Researchが発行した報告書「Innovative R&D Strategies and Models - Outsourcing, Strategic Partnerships and Licensing to Improve Productivity and Contain Costs (革新的研究開発戦略とモデル:アウトソーシング、戦略的提携、ライセンシングが生産性を改善しコストを削減する)」の販売を開始しました。
医薬品業界のステークホルダーの間で、研究開発の生産性低下が懸念されています。投資回収率の低下を示す最も簡単で重要な指標は、研究開発費と新薬認可数のギャップの広がりです。FDAが53の新規化合物(NME)を認可した1996年以降、業界が費やした研究開発費はおよそ219億米ドルに上っています。
NMEの認可率はここ6年間最低となり、研究開発費が423億米ドルとおよそ2倍になっているにもかかわらず、認可数は17に過ぎません。研究開発費は、徐々に増加していますが、これは新薬の認可数を反映したものではありません。新薬の市場投入までの費用が天文額的に増加しており、1999年には10億米ドル以下(8億4200万米ドル)であったのが、2010年には、約20億米ドル近く(17億7800万米ドル)にまで増加しました。
新薬によって高収益を実現しようとしている製薬会社には、さらに薬価・償還のマイナス圧力がかかっています。主要なブロックバスター薬の期限が今後5年で切れる一方で、現在製薬会社のパイプラインに新たなブロックバスター薬候補がないため、業界ではリスクを軽減し、研究開発費の投資回収率を上げる方法を模索しています。
特に大手製薬会社にとって、研究開発費の生産性低下は大きな懸念事項となっています。新しいブロックバスター薬がほとんどないなかで、FDAの規則は厳しくなり、上位の製薬会社は収益性を維持するために苦労しています。上位10社の製薬会社の研究開発費用は、徐々に増加し、複合年間成長率(CAGR)で、2004年から2010年の間に8.3%の増加となっていますが、同期間の粗利の増加はCAGRで6.5%に過ぎません。
これまで、製薬会社の研究開発は社内でおこなわれてきましたが、様々な状況変化に対応するために、製薬業界は、新薬開発に外部ネットワークを用いる方法を採用しました。現在、製薬会社は多くの外部パートナーと共に研究開発を進めています。外部パートナーはそれぞれ、独自の研究開発機能を発展させてきました。そうした外部パートナーの専門性を利用することにより、新薬研究開発プロセスを、効率化することが可能となります。中小規模の革新的企業や、学術機関、創薬研究機関、CRO、規制当局、そしてIT企業などがこれらの外部パートナーとなっています。
この方法を採用する利点は、薬剤開発におけるコストを削減し時間を短縮し、製薬会社のリスクや運転資本を低く抑えることにあります。中小規模の製薬会社にとっても、外部ネットワークパートナーの援助により自社の革新的な技術を市場に投下する機会となります。
革新的研究開発戦略とモデル:アウトソーシング、戦略的提携、ライセンシングが生産性を改善しコストを削減する
Innovative R&D Strategies and Models - Outsourcing, Strategic Partnerships and Licensing to Improve Productivity and Contain Costs
http://www.gii.co.jp/report/gbi214253-innovative-r-d-strategies-models-outsourcing.html
出版日 2011年09月
発行: GBI Research
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