東京芸術祭2018 プランニングチーム 発表 および 『野外劇 三文オペラ』上演のお知らせ
東京芸術祭2018、「プランニングチーム」メンバー発表 『野外劇 三文オペラ』上演(12月、出演者オーディション開催)
「東京芸術祭」は、東京2020オリンピック・パラリンピック大会、さらにはその先まで東京に世界から人が集まり、東京の魅力を満喫できることを目指す芸術祭として、2016年にスタートしました。
2018年から2020年まで、東京芸術祭総合ディレクターとして宮城 聰氏(演出家/東京芸術祭 アジア舞台芸術人材育成部門プロデューサー/SPAC-静岡県舞台芸術センター 芸術総監督)就任することに加え(2017年3月発表)、このたび「プランニングチーム」のメンバーを発表いたしました。東京芸術祭は2018年から、宮城総合ディレクターと「プランニングチーム」のメンバーが協働し展開いたします。前年同様にフェスティバル/トーキョー、芸劇オータムセレクション、としま国際アート・カルチャー都市発信プログラム、APAF-アジア舞台芸術人材育成部門などを据えながら総合ディレクター直轄プログラムなど、一層幅広いプログラムで実施する予定です。
また、東京芸術祭2018の目玉プログラムとして、イタリアを代表する演出家 ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティ氏による『野外劇 三文オペラ』(会場:池袋西口公園)の上演も予定しております。本プログラムは12月に出演者オーディションを行います。
東京芸術祭 総合ディレクター(2018-2020) 宮城 聰(みやぎ・さとし)
1959年東京生まれ。演出家。SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京大学で小田島 雄志・渡辺 守章・日高 八郎各師から演劇論を学び、1990年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出で国内外から高い評価を得る。2007年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、「世界を見る窓」としての劇場づくりに力を注いでいる。2014年7月アヴィニョン演劇祭から招聘された『マハーバーラタ』の成功を受け、2017年『アンティゴネ』を同演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演、アジアの演劇がオープニングに選ばれたのは同演劇祭史上初めてのことであり、その作品世界は大きな反響を呼んだ。他の代表作に『王女メデイア』『ペール・ギュント』など。2006年よりアジア舞台芸術祭プロデューサーをつとめる。2004年第3回朝日舞台芸術賞受賞。2005年第2回アサヒビール芸術賞受賞。
プランニングチーム(順不同)
東京芸術祭は、2018年から宮城総合ディレクターと「プランニングチーム」のメンバーが協働し展開いたします。「プランニングチーム」メンバーの内、下記の5名を発表いたしました。
直轄事業ディレクター
横山 義志(よこやま・よしじ)
芸劇オータムセレクションディレクター
内藤 美奈子(ないとう・みなこ)
東京芸術劇場 制作担当課長
としま国際アート・カルチャー都市発信プログラムディレクター
根本 晴美(ねもと・はるみ)
あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)制作統括 チーフプロデューサー
としま国際アート・カルチャー都市発信プログラムディレクター
杉田 隼人(すぎた・はやと)
公益財団法人としま未来文化財団 みらい文化課 プランセクション事業企画担当
APAFディレクター
多田 淳之介(ただ・じゅんのすけ)
演出家
フェスティバル/トーキョー ディレクター
※年度末までに開かれるフェスティバル/トーキョー実行委員会において決定後、発表。
▼プロフィール等の詳細はWebをご覧ください。
http://tokyo-festival.jp/news/1333/
東京芸術祭2018 プログラム『野外劇 三文オペラ』
作 :ベルトルト・ブレヒト 音楽:クルト・ヴァイル 訳:大岡 淳
演出:ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティ
東京芸術祭2018では、イタリアを代表的する演出家ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティ氏による音楽劇、『野外劇 三文オペラ』を池袋西口公園にて上演いたします。
公演概要
『野外劇 三文オペラ』
作 :ベルトルト・ブレヒト 音楽:クルト・ヴァイル 訳:大岡 淳
演出:ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティ
総合ディレクター:宮城 聰(演出家、SPAC-静岡県舞台芸術センター芸術総監督)
◎日程 2018年10月(予定)[東京芸術祭2018会期中]
◎会場 池袋西口公園 (予定)
総合ディレクター宮城 聰より
いまの東京には、「劇場に行く楽しみを知っている人」と「それを一切知らない人」の2種類の人々がいます。
人数から見ると、前者は後者よりずっと少数です。もちろん、劇場にはキャパシティの限界がありますから、電波やネットのようにいちどに数万もの人が見ることはできません。なので少数であること自体は当然で、劇場に来ない人たちも「劇場という場所ではなにか面白いことが起こっているらしい」という興味を持ってくれている状態ならばそれは心配に及ばないでしょう。
しかしいまの東京では、前者の人々と後者の人々のあいだに深い溝ができています。ふたつのグループはくっきりと分かれてしまって、前者のメンバーは固定化しつつあります。
こういう状況で劇場にたくさんの観客を呼ぼうとすれば、テレビの人気者に出演してもらうしかなくなります。人気者たちはさすがの名演を見せてくれることもありますが、チケット代は高くなります。高くなっても売れることがわかると、もう安くはならないものですよね。こうして前者と後者の溝はいっそう深くなるばかりです。
そこで東京芸術祭2018では、このスパイラルに抗う一撃を企画しました。それがこの『野外劇 三文オペラ』です。
まず、劇場を飛び出し、池袋西口公園で、囲いさえ作らずに上演します。チケット代は「三文」、というわけにはいきませんが、ワンコインにします。遠巻きに眺めるぶんにはタダです。そういう方々に音だけでも楽しんでもらえるよう、音楽劇を選びました。途中から観ても良いし、途中で立ち去ってもかまいません。
ただし、クオリティは一流でなければ意味がありません。「敷居が下がったぶん、クオリティも下がった」となっては、演劇とは面白くないもの、という先入観を拡げる役にしか立ちません。
演出家は、手練れ中の手練れ、G・B・コルセッティ氏を招くことにしました。氏が日本人俳優を演出するのは初めてです。出演者は全員、ネームバリューや人脈を顧慮しない、実力本位のオーディションでコルセッティ氏本人が選びます。稽古期間もじゅうにぶんに確保して、熟達の演出家が思うさま腕をふるった芝居がいかに楽しいものかを存分に味わっていただけるようにと考えております。
ぜひ、東京芸術祭2018『野外劇 三文オペラ』にご注目ください。
演出 ジョルジオ・バルベリオ・コルセッティ(Giorgio Barberio Corsetti)
現代イタリア演劇を代表する演出家の一人。1951年ローマ生まれ。1976年にベネチア・ビエンナーレで映像を交えた新たな劇言語を提示し、話題を呼ぶ。1988年からカフカ四部作を演し、『アメリカ』では毎日異なる道を歩く俳優たちのあとを観客が追っていく形式を試みる。1994年、「ヨーロッパ演劇の新たなリアリティ」賞受賞。1999年、ベネチア・ビエンナーレ演劇部門の芸術監督に就任し、サーカス作品にも門戸を開く。2001年、カフカにちなんで自らの劇団を「ファットーレ・K」と名づける。2012年コメディ=フランセーズで初演出。2014年、アヴィニョン演劇祭開幕演目として法王庁中庭で『ホンブルクの公子』を演出。オペラ演出も数多く手がけ、ミラノ・スカラ座では『トゥーランドット』等を演出。
日本では、ラフォーレミュージアム赤坂にて、1991年、『ラ・カメラ・アストラッタ/抽象の部屋』、1992年『ある戦いの描写 カフカの作品より』を上演。また、SCOTサマー・シーズン2008にて『ロナルド・マクドナルドの物語』、SCOTサマー・シーズン2009にて『天と地のはざまで』を上演したほか、2016年には東京文化会館で上演されたゲルギエフ指揮によるマリインスキー・オペラ『ドン・カルロ』を演出。
出演者オーディション開催
本プログラムは全出演者をオーディションで決定いたします。
エントリー受付期間 2017年11月30日(木)~2017年12月10日(日)※必着
▼詳細・概要はWebをご覧ください。
http://tokyo-festival.jp/news/1031/
※記載の情報は2017年11月29日現在のものです。内容等は変更になる場合がございます。