「ビル再生100の物語」湯島のオフィス 満室までにやること
ビル再生100の物語 第100話
テナワンでは、これまで多くのビルの空室対策や賃貸運営を行ってきました。
それぞれの問題を解決してきたビル再生の事例を「100の物語」としてこれから公開していきます。
湯島の築40年超オフィス
当社ブログでも何度かご紹介した文京区湯島のCビル。
実はまだまだ満室化のコツがあります。
2階を費用を抑えたリノベーションをすることで、問合せを増やした経緯はお伝えした通りですが、募集当時、この2階の100㎡のうち20㎡ほどを他のテナントが使っていたのです。
テナントとの良好な関係から移動を依頼
現オーナーの先代からお付き合いのあるテナント。
関係が良好だったのが幸いしました。
たまたま3階の現入居フロアに2階から移る余地があったのです。
ただ、荷物がはみ出てしまうことが判明しました。
そこは4階の一部、使っていなかったオーナールームの一部屋を充てることになりました。
しかもよく聞くとその荷物、入居者が別の社屋に持っていっても構かまわない荷物とのこと。
聞いてみなければわからないものです。
結局3階には2階から移るために貸主負担の工事を施し、移動していただいたのでした。
2階は新入居者のために壁を解体しようとしましたが、幸いにもオフィスの別室として使うとのこと。
解体することなく居抜きのような形がとれました。
4階の入居がきまり、自宅の片付け
そうこうしているうちに、以前もご紹介した4階の猫カフェが成約することになりました。
オーナーご自身の実家であったオーナールームは居心地がよかったことが成約の秘訣でしたが、入居となるとその家にあった荷物を一斉に出さなければなりません。
そこからオーナーの長い片付けがはじまりました。
思い出のある洋服やおもちゃ、家具、食器まで、新入居者が気に入ったものにテープを貼っていき、使わないものは捨てる手はずです。
すでに他の場所にお住まいだったので、毎日のようにビルに通い、ゴミ捨て、古本の片付け、はたまたエレクトーンの解体、搬出と、長年たまった荷物を片づけていったのです。
入居前の総点検
この4階には天窓がついており、漏水の跡があり、入居後の漏水が懸念されていました。
しかし、直前に屋上防水をしたことから新たな漏水はなかったのですが、新しい入居者が使うとなると絶対的な自信はありません。
そこでホースで一定時間の水をかける散水試験を行いました。結果はセーフ。
また、浴室のタイルがはがれかかってきていたので、叩き落し、テナントが怪我をしないよう処置をしました。説明するとテナントも納得の様子。
こうして貸すはずのない4階は満を持して賃貸し、Cビルは満室となったのでした。
始めて読まれる方に
中小築古ビルのオーナーを対象に空室対策を実戦的に解説した空室対策技術集を無料配布してします。
これまで、東京都心の中小型ビルが検討客を集められない4つの原因へ対応する考え方として、リーシングマネジメントという考え方が大切だとご説明しました。
リーシングマネジメントの基本的な考え方は、
「打点(空室を埋めること)は、打席数(認知度を上げること)×打率(決まりやすい条件やウリ)に比例する。」
です。
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