富士フイルム 再生医療ベンチャーのJUNTEN BIO社へ出資
免疫抑制剤の使用低減を目的とした再生医療製品の開発に関する業務委託契約も締結
富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)は、このほど、免疫寛容(*1)を誘導する再生医療製品の実用化を目指す再生医療ベンチャーの株式会社JUNTEN BIO(以下Junten社)と、同社の第三者割当増資を引き受ける契約を締結し、2億円を出資しました。また、今回の出資にあたり、当社子会社の株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(以下、J-TEC)とJunten社の間で再生医療製品の開発に関する業務委託契約も締結しています。
今回、これらの契約締結を通じて、Junten社が開発を進めている、免疫寛容を誘導する再生医療製品に関する技術・ノウハウへアクセスするとともに、薬事コンサルティングを受託していきます。
◆詳細はWebページをご覧ください。
→ https://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_1428.html?link=atp
現在、臓器移植では、患者自身の免疫細胞が、移植したドナー由来の臓器を異物として攻撃する拒絶反応を抑えるために、移植後も継続的に免疫抑制剤が使用されるのが一般的です。しかし、継続的な免疫抑制剤の投与には、感染症などの合併症のリスクの拡大、また、経済的な負担の増加といった問題があります。
Junten社は、順天堂大学発の再生医療ベンチャーで、免疫抑制剤の使用低減に向けて、ドナー由来の臓器への免疫寛容を誘導する細胞を用いた再生医療製品の実用化に取り組んでいます。本細胞の作製には、順天堂大学が開発した、自家T細胞(*2)を、ドナー由来T細胞・抗体と混合培養することにより免疫寛容を誘導する能力を持った自家T細胞に加工する技術を応用しています。すでに順天堂大学では、肝臓移植後または腎臓移植後の患者を対象に、本技術を用いた再生医療製品の臨床研究を実施しており、安全性および、免疫抑制剤の使用の低減あるいは停止などの有効性を確認しています。
当社は、日本初の再生医療製品を開発・上市したJ-TECや、iPS細胞の開発・製造のリーディングカンパニーである米国子会社FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc.(以下、FCDI)を中核に、自社再生医療製品の研究開発を加速させるとともに、再生医療受託事業の拡大も進めています。今回の出資により、免疫寛容を誘導する再生医療製品に関する技術・ノウハウへアクセスし、自社再生医療製品の研究開発への応用を検討していきます。さらに、Junten社が開発中の再生医療製品に関する薬事コンサルティングをJ-TECにて受託することで、再生医療受託事業をさらに拡大させていきます。
当社は、幅広い製品開発で培い、さらに進化させてきた高機能素材技術やエンジニアリング技術と、J-TECの治療用細胞の生産技術、FCDI社の世界トップのiPS細胞関連技術・ノウハウ、富士フイルム和光純薬やFUJIFILM Irvine Scientific, Inc.の培地技術などを活用して、事業拡大を図るとともに、再生医療の産業化に貢献していきます。
*1 特定抗原に対する特異的免疫反応が欠如あるいは抑制されている状態のこと。
*2 T細胞とはリンパ球の一種で、ある抗原に特異的に結合するT細胞受容体を有し、それを介してその抗原に対する免疫応答を行う細胞。自家T細胞は、患者自身に由来するT細胞。
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