明治大学法学部 勝田忠広教授が原子力政策の議事録を定量分析した結果をWEBサイトで公開しました
~福島第一原発事故の遠因は当時のエネルギー・原子力政策にあったが今も審議のあり方は変わっていない~
2022-08-18 11:00
明治大学POLARIS(市民社会と科学技術政策研究所)代表の法学部 勝田忠広教授が、明治大学の科学技術研究所重点研究の助成により行ったテキストマイニング(テキストデータから情報を抽出してデータ分析を行う手法)による福島第一原発事故前後の審議会の議事録定量分析について、その最終研究報告を公開しました。
結果抜粋
- 内閣府原子力委員会が2005年に策定し閣議決定された「原子力政策大綱」(以下、「大綱」)では、事故は発生しないという認識と固定観念により表面的な「安全」の議論をしていた。また少数の原子力反対派の指摘を議長自らが否定し、事故を予見する重要な機会を失っていた。
- 経済産業省が2006年に策定した「原子力立国計画」の審議過程は、「大綱」よりも推進に偏っており、原子力反対派のいない状況で策定された。電力自由化という原子力発電の推進にとって不利な状況、また「大綱」で議論となったものの強行した核燃料サイクルの推進などが積極的に議論され、「大綱」よりも安全性の議論が軽薄なものとなっていた。
- 経済産業省が2021年に策定したエネルギー基本計画は、福島第一原子力発電所事故から10年目の節目に策定されたものであったが、その策定時の議論では福島第一原子力発電所事故への言及は減少し、代わりに再生可能エネルギー導入の議論へ比重がシフトしていた。なお、その最終報告書は、パブリックコメントの意見に配慮しつつも、形式的に取り入れただけであり結論は変わってない。
これら3つの審議会の分析から、以下が定量的に示される。
福島第一原発事故が発生したその遠因には当時の原子力政策があった。そして事故から11年を経てもなお、その政策のあり方を見直すことはされていない。
公開内容全文は、こちらからご覧ください。
URL:https://www.polaris-meiji.org/proj-evidenced-based-energy-policy-report
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