【9/22(水)~28日(火)】伊勢丹新宿店で 英国人輪島塗漆芸作家スザーン・ロスさん作品展 開催

作品を展示販売ー本館5階 キッチン・ダイニング山田平安堂(9/24は休み)必ず事前にホームページを確認してからご来店ください。

輪島塗と独自の技法で、木の力を感じられる作品を創り出す

スザーン・ロスさんは、アートスクールの学生の時、 展覧会で江戸時代の漆の硯箱に出会い、その魅力にひかれて22歳で来日。以来、30年間、漆の限りない魅力を極めようと、様々な表現を求めて「漆道」に励んでいます。スザーンさんの繊細で力強い作品の数々を、ぜひ間近でご覧ください!

スザーン・ロス著『漆に魅せられて』

美しい自然の残る能登半島で、古民家を改装した自宅と工房に暮らすイギリス人「漆アーティスト」スザーン・ロスさん。世界最古の歴史を持つ、日本の漆文化や日本人の精神性が、いま消えようとしていると危惧しています。
『漆に魅せられて』は、著者の生い立ちや、来日当初の微笑ましいエピソード、そして、著者が人生で大切にしていることを、楽しく語った初のエッセイ集。日々の自然とのふ れあいから生み出される、美しい作品や、手作りで改装した工房、能登の美しい自然の写真も満載。わたしたち日本人が忘れかけている日本の美しさ、 素晴らしさを再発見する本です!

「漆」の修行の場を求めて、長野に住んでいた頃のスザーンさん
「漆」の修行の場を求めて、長野に住んでいた頃のスザーンさん

世界一古い日本の漆

『漆に魅せられて』128頁より

日本で見つかっている一番古い漆の木は、一万三千年近く前の縄文時代初期のもの。これが、世界で一番古いものです。一九八四年に福井県若狭町の鳥浜貝塚から出土したのですが、後に、国立歴史民俗博物館による放射性炭素の分析で、約一万二千六百年前の縄文時代草創期のものだということが分かりました。
漆は中国から伝わって来たとよく言われますが、違います。中国で発見されたものは、八千年ぐらい前のもので、日本の方が古いのです。しかも、日本の漆と中国の漆は全く違う種類であることも、DNA調査の結果から分かっています。
縄文の人たちは、漆を使うことに長けていて、とても複雑な漆の加工技術をマスターしていました。その技術を、いまの私たちはまだ充分解明できていないのです。
例えば、北海道で出土した土偶(中空土偶)には赤漆と黒漆が塗られていて、祭式などで土偶を壊すと、漆がバラバラに剥離するように作られていたと言われています。それから、先ほどのシャーマンの織物は、柳の木の繊維を四本巻いて、ベンガラという赤茶色の顔料を混ぜた漆を三回塗ってから織ったものでした。漆が乾くと硬くなりますから、微妙な乾き具合を縄文の人々はちゃんと知っていて、計算して編んだと言われています。これはとても進んだ技術です。
福井県鳥浜貝塚遺跡から発見された七千年近く前の櫛も、縄文時代前期のものです。
これを所蔵している福井県立若狭歴史博物館に行ってみてびっくりしたのは、当時の人も、けものの刷毛を使っていて、よく似たベンガラの漆を塗っていたことです。いま私がしていることと、ほとんど同じことをしていたのです!
ちなみにベンガラは土から採れる成分(酸化鉄)です。世界中で採れるとても身近な材料なので、昔から壁画や器などの顔料としてよく使われています。

『漆に魅せられて』120~121頁 スザーンさんの作品の数々
『漆に魅せられて』120~121頁 スザーンさんの作品の数々

日本の大切な役割

『漆に魅せられて』132頁より

なぜ、日本の文化を取り戻すことがそんなに大事なの?と思われるかもしれません。イギリス人のあなたに、何の関係があるんですか?と。
でも、私は日本のためだけに言っているのではなく、世界のため、私のため、そして私の子供たちのために言っているんです。
いま、世界がおかしくなってしまっているから。あちこちで戦争があり、テロがあり、対立ばかりです。本当は、他の命や他の人々を尊重し自然を尊敬して、調和して生きるのが、神様の望む人間本来の姿のはずなのに。
日本人は、縄文時代から、平和で調和した素晴らしい生き方をしてきた、人類のお兄ちゃんだから、日本人が持つ素晴らしい「道」の精神や、昔からの生き方が世界のお手本になって、この世界を救えると思うのです。
でも、最近の日本人は、日本人らしくなくなって、我が儘で怠け者になってしまったようです。礼儀とか、目上の人を尊敬するといった大切な精神も、形だけで心が伴っていないんじゃないか、と。
でも、ほんの少し前まで、日本人は自己を律して、いい意味の我慢をすることができました。人のために動くことを大切だと考えてきました。いまのおじいちゃん、おばあちゃんの世代には、まだそうした精神が生きています。
日本人が、まずそれをちゃんと取り戻して、世界にお手本を見せてほしいのです。
人々は、いまお金儲けに熱心です。お金持ちになれば、幸せになれると思っているようです。でも、本当は、いま、このままで、私たちは充分恵まれていて幸せなのです。ここが天国なんですよ! 私たちが気づかないだけで…。
それに気が付くための方法が、日本の「道」の中にあると私は思っているのです。
だから、日本人にしっかりしてほしいのです!

よき理解者で協力者のご主人クライブさんと自力で改造した古民家のアトリエ(輪島)にて
よき理解者で協力者のご主人クライブさんと自力で改造した古民家のアトリエ(輪島)にて

スザーン・ロスさんプロフィール

1962 年 イギリス・ロンドン生まれ
1984 年 イギリスで美術とデザインを学んだ後、来日。漆の勉強に入る前に、墨絵、書道、生け花、 着付、印鑑作りを修得
1990 年 大和日英基金の奨学金を受け、輪島に転居。石川県立輪島漆芸技術研修所の専修科に入学
1992 年~ 2007 年、学生・聴講生として計4 回、同漆芸技術研修所で学び卒業
2008 年 「 海外で受容される漆芸品ー輪島塗の技術と漆文化の研究」の申請が文化庁文化財部伝統文化課から採択され、小森邦衛先生(重要無形文化財保持者)の指導を受けながら、 平成20 年度芸術団体人材育成支援事業を受容
2014 年 ハワイのEast West Center での展示会、講演会、実演とワークショップ
2014 年“ The Art of Japanese Urushi"ニューヨークでの講演会
漆芸作家として、日々の自然とのふれあいの中から生み出される独自の作品の制作に取り組む一方、漆文化や日本の伝統的精神の再興を訴え、海外への普及にも尽力している。
第16 回金沢城兼六園大茶会展に石川県知事賞受賞をはじめ、石川県伝統工芸展入選ほか、受賞多数。
2015年6月、ANAの機内放送にて、スザーンさんを取材したドキュメンタリー『Iza・Now』第17話上映。同6月からANAウェブ サイト「Is Japan Cool ?」でも、「Urushi」が公開された。

書籍紹介『漆に魅せられて』

【目次】
漆 うるし 言葉では表現できない美しさ
ロンドン時代 一人遊びが上手な少女
クリエイティブな家族 ないものは自分で作る豊かな暮らし
子供時代の想い出 辛い経験も次のステップのための神様の導き
アートの道へ 漆の本当の美を見つけて
初めて来た日本 何とかなるわ… Oh my goodness!
日本の美意識 アンバランスの中のバランス
縁を大切にする 物事にはすべて意味がある
輪島での暮らし 古民家を改造した自宅
漆の道は苦労の連続 本格的な修行を始めて
牛小屋を改造した工房 大地震でもビクともしなかった昔の柱構造
日本の四季の美しさ 自然からエネルギーをもらって自然に返す
お客さんと心を結ぶ 作り手の思いに使い手の工夫が加わって完成する
漆の魅力 日本人と縄文文明
日本の漆を取り戻そう 消え行く九千年の漆文化
万能の素材 これほど自由な表現ができる素材は他にない
漆と日本の未来 若い人たちが未来に希望を持てるように
パッションを持って夢を追いかけよう かけがえのない、あなたらしさを大切に
イギリス人から見た日本 良いところをどんどん捨てている日本人
自分の人生を楽しもう 子育てが終わってから第二の人生を
あとがき いまを精一杯生きる

著者:スザーン・ロス
価格:1,540円
ページ数:196ページ
ISBN-10:4434210122
ISBN-13:9784434210129
発売日:2015/9/10
サイズ:A5判 210ミリ×148ミリ×14ミリ
発行:桜の花出版社

桜の花出版株式会社

人としてどう生きるべきかーいつの時代も変わらない人類永遠のテーマです。
桜の花出版は、より良い医療と健康な生き方を提案する『国民のための名医ランキング』、歴史を知るための必読書である『シリーズ日本人の誇り「日本人はとても素敵だった」』『THE NEW KOREA』、『侘び然び幽玄のこころ』『タオと宇宙原理』など長く読み継がれる書籍の刊行を通じて、皆様の人生を豊かにする一助となれるよう願っています。
所在地 :〒194-0021 東京都町田市中町1-12-16
設立 :1998年6月 事業内容 :出版
URL :https://www.sakuranohana.jp/books/