メッセージ好感度トップ3は、 「こころとからだに、おいしいものを。」(ダイドードリンコ)、 「森を守ることは私たちの 未来を守ることにつながる」(王子ネピア)、 「お、ねだん以上。」(ニトリ)。 「信頼できる」ランキングトップは、 「なによりも患者さんのために」(沢井製薬)
株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は「企業メッセージ調査 2022」の結果をまとめ、9月30日に調査結果報告書を発行・発売しました。国内320社の企業メッセージ420件を認知率、理解度、好感度のほか、17項目のイメージなど様々な角度から、一般生活者が評価しました。
調査結果データ
「メッセージ好感度」の首位は「こころとからだに、おいしいものを。」(ダイドードリンコ)
メッセージを提示して好感が持てるかどうかを尋ねる「メッセージ好感度」の首位は「こころとからだに、おいしいものを。」(ダイドードリンコ)だった(表1)。同メッセージは、「DyDoグループスローガン」として使用されており、「チャレンジとアイデアをもって、価値のある製品の提供や企業活動を通じて、人に社会に奉仕していきたい。」という想いも込めている。2位は「森を守ることは私たちの未来を守ることにつながる」(王子ネピア)。パッケージデザインのキーメッセージとしても利用されている。どちらのメッセージも、社会に奉仕、貢献するということで、企業の存在意義を的確に発信していることが好感度につながった。
同じく2位は「お、ねだん以上。」(ニトリ)だった。物価が上昇する中で、価格を上回る価値を提供するというメッセージに好感が集まったようだ。
年代別でみると、10、20代での首位は「近くて便利」(セブン-イレブン・ジャパン、全体順位は25位)。また50歳以上での首位は「わんぱくでもいい。たくましく育ってほしい。」(丸大食品、同24位)となった。このメッセージは、年代が上がるにつれて認知率が上がり、10、20代のメッセージ認知率は8.4%だったが、50歳以上では74.8%と非常に高かった。
メッセージの理解促進のポイントは、業界の特徴を掴んだ言葉をいれること
メッセージと発信元企業名双方を提示し、メッセージによって伝えようとする内容がわかるかを尋ねる「理解度」について、「電気・電子・精密機器製造」業種の首位は「人と、地球の、明日のために。」(東芝)だった(表2)。この業種の上位メッセージには、「明日」「未来」「NEXT」などの言葉が多く使われていた。「食品」業種では「おいしさ」を使った上位メッセージが圧倒的に多く(表3)、理解度ランキング上位20のメッセージのうち、半数以上となる11メッセージがそれに該当する。メッセージ理解度が高いメッセージは総じて、業界のイメージを想起しやすい業界に馴染みのある言葉を入れている。
「信頼できる」ランキングトップは、「なによりも患者さんのために」(沢井製薬)
調査では、メッセージから連想されるイメージについても尋ねている。「信頼できる」ランキングのトップ3は、「なによりも患者さんのために」(沢井製薬)、「医療を通じて社会に貢献する」(テルモ)、「物流を止めない。」(日本郵船)だった(表4)。同イメージを持たれるためには、日本語表記で、かつ、端的で直接的な表現が効果的なようだ。
「時代を切りひらいている」ランキングのトップ3は、「時代に合わせて進化を続ける」(カシオ計算機)、「化学の力で地球を救う、あなたと共に未来をつくる」(三菱ケミカルホールディングス)、「日本一女性が働きがいのある職場にする」(東横イン)だった(表5)。
表1. メッセージ好感度トップ20
※メッセージ好感度………メッセージのみを提示して、好感度に関する5段階の各選択肢(「とても好感が持てる」~「全く好感が持てない」)にそれぞれ加重値を与え、-100~100間でスコア化。
表2. 理解度(電気、電子、精密機器製造)トップ5
※理解度…………メッセージと発信元企業名双方を提示し、「このメッセージによって伝えようとする内容がわかりましたか」と質問。理解度に関する5段階の各選択肢(「よくわかる」~「全くわからない」)にそれぞれ加重値を与え、-100~100間でスコア化
※複数の業種に該当する企業もあります。
表3.理解度(食品)トップ5
表4.「信頼できる」トップ10
表5.「時代を切りひらいている」トップ10
調査概要
調査名称 :「企業メッセージ調査2022」
調査機関 :日経BPコンサルティング ブランドコミュニケーション部
調査目的 :・一般生活者の企業メッセージへの認知、接触、
理解、好感とイメージを測定する
・企業メッセージがその企業を象徴したもの、
代表性のあるものになっているか、
また、効果的で適切なものかを判断する指標を提供する
・効果を上げている企業メッセージに
共通する要素や使用法を明らかにする
・基本的なデータと、効果的な企業メッセージの選定、
使用を考える上で役立つ情報を提供する
※企業メッセージについて
この調査では、『企業や企業グループが、
自社のコンセプトや理念、姿勢、方針などを
社外(消費者や取引先など)や
社内(自社及びグループ企業の従業員)に伝え、
浸透させるために全社的に一貫して使用している
フレーズや文言』という定義づけをしている
調査内容 :・各企業メッセージに対応する企業名を自由記入式で尋ねる設問
・各企業メッセージの認知、接触、好感、イメージ等の設問
・一般生活者の属性(年齢、性別、職業)
調査対象メッセージ:420メッセージ(企業数:320社)。
弊社で、上記定義に当てはまると判断した
国内主要なメッセージをノミネート。
一部、事前調査で確認したものも含む。
※特定の事業のメッセージを含む場合もある。
調査票及び報告書では、調査時点での企業名を用いた
調査方法 :インターネット調査
調査対象者 :全国の一般生活者(インターネットユーザー)
調査期間 :2022年7月29日~8月3日
告知方法 :調査協力依頼メールを配信
回収数 :29,492件
企業メッセージ調査について
日経BPコンサルティング
日経BP全額出資の「調査・コンサルティング」「企画・編集」「制作」など、コンサルティング、コンテンツ関連のマーケティング・ソリューション提供企業。(2002年3月1日設立。資本金9000万円)