グッドイヤー、 米国ロッキード・マーティン社と共同で、 商用事業用の月面探査車開発を発表
(2022年7月20日 米国オハイオ州アクロン)
ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー(以下、グッドイヤー)は、53年前に人類初の月面着陸に成功したアポロ11号を象徴とするNASAのアポロ計画に重要な製品の供給をしてきました。そして今回、グッドイヤーは、米国ロッキード・マーティン社(NYSE:LMT)と共同で月面探査車のタイヤ開発に参画します。クレーターに覆われ、極端な温度差とともに地球上の6分の1の重力という厳しい条件下での走行を可能にするタイヤ開発の伝統を継承し進んでいきます。
アポロ計画以来、グッドイヤーはNASAとともに革新を続け、月面探査車用のタイヤ設計技術を進歩させてきました。今回の民間企業によるチームでは、月面における商用車事業を世界で初めて確立させる狙いがあります。その中で、グッドイヤーは月面横断に欠かせない非常に重要なタイヤに関する幅広い知識と技術を提供することができます。
カーク・シャーマン(ロッキード・マーティン社 月探査計画担当バイスプレジデント)
「月での持続的な滞在を目指すNASAのアルテミス計画においては、私たちが開発している有人または無人の月面探査車の必要性に疑問の余地はありません。私たちは、NASAや民間企業、あるいはその他宇宙開発機関などが利用できる新世代月面探査車の開発をしています。これは、NASAがこの領域の商業面で舵を取るということで、さらには、NASAが私たちの多くの顧客のひとつになることを意味しています。」
グッドイヤーは、マイクロモビリティ、自動運転シャトルや乗用車などに採用している高度なエアレスタイヤ技術を応用し、月面の厳しい条件下での走行を可能にするタイヤ開発に取り組んでいます。両社は既に月面土壌を想定したテストに着手しています。
■クリス・ヘルセル(グッドイヤー グローバルオペレーション担当兼最高技術責任者 シニアバイスプレジデント)
「月面のような極端に厳しい環境下でも対応できるタイヤの開発から生まれる成果はすべて、地球上におけるより高性能なエアレスタイヤの開発に役立ちます。また、これは、どんな条件下でも移動を可能にするという私たちの最終的な目標に通じるものです。このような冒険とモビリティの世界に大きな一歩を踏み出せる偉大なパートナーとともに、その歴史を作っていくことは、私たちにとって重要であるとともに、大変光栄に思っています。」
アポロ計画の月面探査車は、着陸地点から5マイル以内で数日間の稼働を想定して作られましたが、今後のミッションでは、極端な温度差で起伏の多い地形という過酷な環境のもと、はるかに長い距離を走行する必要があります。新しいタイヤは何年にもわたる耐久性を考慮し、さらに、日中の気温が120℃を超え、夜間にはマイナス120℃に達する極度の気温差にも耐える必要があります。
ロッキード・マーティン社は、NASAのアルテミス計画におけるオリオン級探査宇宙船や多くの火星探査宇宙船など、50年以上にわたるNASAとの共同開発による歴史を活用し、この成長するチームを率いています。また、同社はこのプログラムの商業事業運営の推進およびNASAと世界の宇宙開発機関とのつながりを管理しています。ロッキード・マーティン社はこれまでに、NASAによる太陽系のすべての惑星探査を支援してきており、今後のミッションのための新しい技術を提供し続けます。
もう一つのチームメンバーであるカナダのMDA社は近ごろ、彼らの商用ロボットアーム技術が有人の月面探査車に採用されることを発表しました。このアームは、宇宙飛行士のサポートとして重要な貢献を提供するだけでなく、完全自動ミッションで、ローバーのより優れた機能を発揮させることができます。
チームは共同で、これまでにない新しい課題と市場アプローチに独自の視点と専門的知識を注ぎ込んでプロジェクトを推進しています。2025年に計画しているNASAの着陸ミッションには、このチームの最初の探査機を導入します。この計画では、初の女性と有色人種の宇宙飛行士が月面に降り立つことになっています。
ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー
グッドイヤーは世界屈指の大手タイヤ会社です。従業員数は約7万2000人で、世界23か国、57の生産拠点を展開しています。米国オハイオ州アクロンとルクセンブルグのコルマーベルグの2か所に技術開発センターを有し、技術・性能の両面でタイヤ業界の標準を形づける最先端の製品とサービスを開発しています。グッドイヤーと製品の詳細情報は、 https://corporate.goodyear.com/us/en.html をご覧ください。