寄稿すればバズる。20代の論客、初のエッセイ『死にそうだけど生きてます』刊行

ライター・ヒオカが壮絶半生から見た社会を綴る。

<無いものにされる痛みに想像力を>をモットーに執筆活動を行うライター、ヒオカさんの初の著書『死にそうだけど生きてます』(CCCメディアハウス)が、2022年9月1日に発売されました。

ヒオカさんは、2020年にnote で公開した自身の体験「私が“普通”と違った50 のこと――貧困とは、選択肢が持てないということ」が話題を呼び、ライターの道へ入りました。塾も習いごともあきらめて、独学で国公立大学に進学したヒオカさんは、「それでもまだ、スタート地点に立てたわけではなかった」と言います。

本書では、ヒオカさんが、自らの生い立ちを踏まえて、現代社会をより生きやすくするために私たちはどうあるべきかに考えを巡らしました。装画・挿画は、モデル・イラストレーターとして活躍中のろるらりさんに手がけていただきました。誰もが持つ「強者性」と「弱者性」を自覚すれば、他者への視点も変わるのではないかーーという願いを込めた一冊です。

【内容紹介】
隣で楽しそうに笑っている子、じつは困っているのに、言えないだけかもしれない――家賃を払い、学費を払い、病気になれば治療費を払う。安心できる居場所がある。そんな当たり前の日常を送る者の視界からは、こぼれ落ちる人たちがいる。

しかし、そうした存在は意外と目に付かない。生まれながらに持たざる者は、「高校の制服が買えない」「部活に入れない」「電子辞書やノートPCを持てない」「医療費が不安で自主退院」など、経験が限定され、将来の選択肢を失いがちだ。

貧困は自己責任なのか?  みなが自分の「強者性」を自覚して、今より5ミリずつ思いやりの手を伸ばす。その総和が社会を優しく、生きやすくするのではないか?

【目次】
Part1 今までのこと――どこにも居場所がなかった
Story1 季節はずれの雪が降っている
Story2 この世界に居場所がない
Story3 お古の制服、私だけ不格好で
Story4 大学生になってもスタートはまだ遠くて
Story5 たったいちどの晴れの日のこと
Story6 全力で今を楽しむということ
Story7 生きるんだよ。なんて少し大げさ
Story8 おらんくなったらなったで寂しいし
Story9 私が“普通”と違った50のこと

Part2
その後のこと――居場所で考えた14の断片
1 文化的:心に「余白」をくれるもの
2 好き:人は変わることができる
3 ジェラート ピケ:先入観との決別
4 生きる力:いつか恩を返したい
5 自己責任:想像する努力を手放さない
6 不可視化:スタートラインに立てない
7 怒り:敵は個人ではなく政治
8 アリとキリギリス:生産性と人の価値
9 教育の平等:学びは一生のもの
10 エモ文体:踊らされず賢くなる
11 分断:支援されるべきでない人などいない
12 文化資本格差と貧困税:ないのはお金だけではない
13 想像力:自分に置き換えてみることの限界
14 強者性:優しくなるために自覚すべきこと

おわりに――死にそうでなく生きていきたい

 教育は、給料のいい会社へ就職するためだけのものなのだろうか。小学生から十六年間の学びは、新卒カードを使って就職する、そのただ一回のためのものなのか。
 私はそうは思わない。きっと、学びは一生のものだ。そして、もっと大局的に見て、貧困の連鎖を解消するために教育の平等は欠かせないものだと思う。

 生まれで選択肢が限られるような社会は、私は変わるべきだと思う。もちろん高卒で働くことも、社会人になってから大学に入り直すことも、立派な選択肢だ。通信制や夜間部の大学に入る道だってある。
 しかし、大学進学を〝選べない〟と〝選ばない〟では、天と地ほどの差がある。貧困家庭に生まれたがゆえに、選択肢が限られてしまうことが〝仕方のないこと〟だなんて私は絶対に思わない。それは変えられる余地のある現実だから。(「教育の平等:学びは一生のもの」より)

【著者紹介】
ヒオカ
1995 年生まれ。地方の貧困家庭で育つ。note で公開した自身の体験「私が“普通”と違った50 のこと――貧困とは、選択肢が持てないということ」が話題を呼び、ライターの道へ。“無いものにされる痛みに想像力を”をモットーに、弱者の声を可視化する取材・執筆活動を行い、「ダイヤモンド・オンライン」(ダイヤモンド社)、「現代ビジネス」(講談社)などに寄稿。若手論客として、新聞、テレビ、ラジオにも出演。連載に『貧しても鈍さない 貧しても利する』(「婦人公論.jp」中央公論新社)、『足元はいつもぬかるんでいる』(「mi-mollet」講談社)がある。