「ビル再生100の物語」保証会社良し悪し。
ビル再生100の物語 第75話
テナワンでは、これまで多くのビルの空室対策や賃貸運営を行ってきました。
それぞれの問題を解決してきたビル再生の事例を「100の物語」としてこれから公開していきます。
オーナーにとって保証会社は頼りになる存在。
どのように活用すればよいのでしょうか。
保証会社、シーリング上のメリット
保証会社は万一の際、すごく頼りになります。
でも、ビルの募集で、どのように活用するかはよくわかりません。
今や、住宅賃貸では常識になりつつある保証会社。
とくに連帯保証人を付けずらい時代となってきた今では、連帯保証人不要の物件も見るようになりました。
ただ、事務所や店舗といった事業用物件では、まだまだ浸透していない様子。
なぜかというと、事業用物件では、連帯保証人が必須の会社が多く、テナントにとってのメリットが少なく、敬遠されることも多いからです。
そこで当社は、保証会社をつけることで通常6ヶ月の敷金を4ヶ月にすることをお勧めしています。
保証会社の多くは、1ヵ月程度の保証委託料がかかり、通常テナント負担です。
また、毎年、または更新時に10%程度のランニング費用がかかります。
そのため、テナントの初期コストを減らしてあげる必要があります。
敷金4ヶ月+保証委託料1ヶ月分、計5ヶ月分の初期費用がかかることになりますが、敷金6ヶ月の時と比べると1ヶ月分は割安となります。
ただし、敷金を4ヶ月より少なくしてしまうと、原状回復費用が賄えない可能性もあり、あまりお勧めしません。
今のところ多くの保証会社は滞納家賃は保証しても原状回復費用は保証しないケースが多いからです。
リーシング上のメリットとして、オフィス検索サイトで6ヶ月の敷金を4ヶ月にすることで客の幅は広がります。
保証会社の安心感
実は、当社は一度保証してもらったことがあります。
当社が貸主のビルで、滞納が発生。
入金時期が遅れ気味のテナントだったので警戒していたのですが、とうとう来たか、という感じでした。
ただ、業界大手Z社の保証をつけていたので、報告から3営業日後には賃料、共益費相当額が振り込まれました。
普段当社は管理会社でオーナーのご資産ををお守りする立場ですが、自分の財布が危なかったこの時はかなり不安になりました。
(と同時にオーナー様のお気持ちを理解する良い機会となりました)
例えば保証会社がのらりくらりと言い訳をつけて払ってくれないんじゃないか、などいろんなことが頭をよぎったのです。
そんなわけで、3日後に入金があったときには、心の底から安心しました。
このテナントはその後2カ月滞納を続け、Z社は引き続き保証してくれました。最終的には退去交渉をし、4ヶ月目には退去してもらいました。
その間も保証してもらっているおかげで、交渉には自信を持って臨めました。
滞納され、取りっぱぐれてしまう不安があると強気で冷静な交渉はできないものです。
滞納防止に効果
ちなみに保証会社つきで滞納するとテナントにとってはかなり不利です。
クレジットカードと同様、保証会社のブラックリストにのる可能性もあるのです。
一度載ってしまうとその保証会社の審査には通りづらくなり、事務所の移転も難しくなるでしょう。
そこで私たちは、滞納して即、保証会社に報告するのではなく、一度テナントに意思確認しています。
「このままだと保証会社に連絡せざるを得ないが、どうするか。」
おかげで、ほとんどのテナントは払っていただいています。
(賃料支払期日から30日以内の報告が条件になることが多いので注意)
※「ダメビルのトリセツ」は、 「週刊ビル経営」さんの紙面上で連載していた企画です。
新しい話や事例も少し入れていこうかなと思っていますので、本誌をご覧になった方もぜひ。※「ダメビル」とは、「ボロビル」と違って、立地もスペックも悪くないのに、なぜかテナントが埋まらないダメなビルのことです。
人のビルをダメ呼ばわりするお話で大変失礼いたします。。(先に謝ります・・すみません)
始めて読まれる方に
中小築古ビルのオーナーを対象に空室対策を実戦的に解説した空室対策技術集を無料配布してします。
これまで、東京都心の中小型ビルが検討客を集められない4つの原因へ対応する考え方として、リーシングマネジメントという考え方が大切だとご説明しました。
リーシングマネジメントの基本的な考え方は、
「打点(空室を埋めること)は、打席数(認知度を上げること)×打率(決まりやすい条件やウリ)に比例する。」
です。
弊社での空室対策の事例やオーナーさんの声など、テナワンのHPにて詳しくご覧いただけます!