[奈文研コラム] 平城宮跡史跡指定100周年記念ロゴ制作の裏側

2022年メモリアルイヤー

 今年、令和4年(2022)は平城宮跡が大正11年(1922)10月12日に国の史跡に指定されてから、100周年となる節目の年です。昭和27年(1952)3月29日に国の特別史跡となってから70周年でもあります。

 文化財保護法の前身である、史蹟名勝天然紀念物保存法が大正8年(1919)に施行されてから4年めに、我らが平城宮跡は史跡となりました。同じ年月日に史跡となった遺跡には、五稜郭跡(函館市)、多賀城跡(宮城県多賀城市)、松下村塾(萩市)、出島和蘭商館跡(長崎市)のほか、常陸、陸奥、武蔵、甲斐、三河、伊勢、土佐、筑前の数々の国分寺跡があります。このほかにもこれから旧保存法施行直後に指定された全国の史跡が、続々と指定100周年を迎えることになります。

 この平城宮跡にとって記念すべきこの年を盛り上げていくため、奈良文化財研究所では「平城宮跡史跡指定100周年記念ロゴマーク」を制作しました。研究所の中でも、今年が平城宮跡の記念年であるとは知らない職員が多かったこともあって、ロゴの制作にあたっては異なるデザイン3案を用意し、所内投票をおこなって、決定案を選びました。

 第1案は、平城宮跡の最大の特徴、東の張り出し部を有する宮域をかたどり、奈良時代前半・後半の中枢部の変遷を物語る、中央区・東区の2つの朝堂院の区画を100周年の00に重ねて表現したもの(図1)。

図1 ロゴマーク第1案
図1 ロゴマーク第1案

第2案は、平城宮跡の最初の史跡指定地、東区朝堂院の第二次大極殿所用瓦をモチーフとして、軒瓦が連なる様にこれまで、これからのつながりを表現したもの(図2)。

第3案は、100年の00に∞(無限)のイメージを重ね、発掘調査成果をもとに復元整備が進められた平城宮跡の現在、未来に焦点を当てたもの(図3)。

図3 ロゴマーク第3案
図3 ロゴマーク第3案

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