三井化学のユニストール(R)がシーメンス 「3Dプリンター製医療用フェイスシールド」フレームの コート剤に採用 シンガポールの病院で試験導入開始
三井化学株式会社(所在:東京都港区、代表取締役社長:橋本 修)の液状ポリオレフィン系接着剤である「ユニストール(R)」が、シーメンス社(Siemens Pte Ltd、所在:シンガポール)の3Dプリンター製医療用フェイスシールドフレームのコート剤に採用されました。
デジタルトランスフォーメーションを推進する企業にガイダンスや研修などを提供するコンピテンスセンターであるシーメンス・アドバンス・マニュファクチャリング・トランスフォーメーション・センター(Siemens Advance Manufacturing Transformation Center、以下 AMTC)は、コロナ禍での迅速な貢献を行うべく、わずか2カ月で医療用フェイスシールドの設計、開発、製造を行い、6月よりタントクセン病院(Tan Tock Seng Hospital)で試験導入を開始しています。
当社はシーメンス社の迅速な開発に、液状ポリオレフィン接着剤「ユニストール(R)」で貢献しています。「ユニストール(R)」は、このフェイスシールドのフレーム部分のコート剤として使用されています。フレームはAMTCの3Dプリンターで製造されていますが、フレームの表面にミクロな空壁ができるため、その細孔にウイルス・細菌が残留する課題がありました。当社の液状ポリオレフィン「ユニストール(R)」は、フレーム部分のコーティング剤として、(1)フレーム素材と良好に密着する性能に加え、(2)ウイルス・細菌の残留を抑える表面平滑性、(3)再利用のための消毒を可能にする耐アルコール性、(4)耐傷つき性、(5)弾性強化、(6)破砕防止、(7)耐低線量UV滅菌性を発現し、3Dプリンター製医療用フェイスシールドフレームの表面をより滑らかにするだけでなく、より強く柔軟にし、滅菌処理も可能になったため、再利用性能を大きく向上させることができました。
当社は、今後とも新型コロナウイルスの感染拡大防止に対して、当社製品の提供を通じて、社会課題の解決に貢献してまいります。
ユニストール(R)とは?
独自技術によってポリオレフィンに極性基を導入した変性ポリオレフィンを主成分とした液状のプライマーおよび接着剤です。従来、接着・密着しにくいといわれていたポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などオレフィン系樹脂のみならず、各種エンジアリング樹脂など幅広い素材の塗料または接着剤のプライマー、あるいは接着剤そのものとして使用されています。
なお、今回採用されたユニストール(R)XPシリーズは、BTX(ベンゼン,トルエン,キシレン)フリーのヒートシール剤、耐薬品性ドライラミ接着剤です。
ユニストール(R)XPシリーズの用途例