ウィビコム、ロボット制御および映像伝送実用化に向け NTTコムウェアが実施した検証試験に、 ローカル5G基地局およびコアネットワークを提供
株式会社ウィビコム(以下 ウィビコム)は、NTTコムウェア株式会社(以下 NTTコムウェア)が実施したローカル5Gを活用したロボットの制御および映像伝送の検証試験に、NTTテクノクロス株式会社(以下 NTTテクノクロス)と連携し、ローカル5G基地局およびコアネットワークを提供しました。
デジタル化、クラウド化、およびAIの急速な普及に伴いデータセンターの需要が高まる中、労働人口減少による人材確保難の課題があるため、ロボットを活用したデータセンター運用業務の効率化ソリューションへのニーズが今後高まると予想されます。
このたび、NTTコムウェアが実施した本検証試験では、無線でロボットを制御する際の遅延や通信の信頼性といった課題を、ローカル5Gのインフラで解決できるかを検証しました。
検証の概要
実施日 :2024年9月26日(木)
実施場所:東京都港区港南二丁目10番9号 レスタービルディング
目的 :ローカル5Gを使ったロボットの遠隔操作・映像伝送の検証
参加企業:NTTコムウェア株式会社、NTTテクノクロス株式会社、株式会社ウィビコム
使用機器:1. NTTコムウェアが協業しているHBA社製巡視点検ロボット
「HSR(HBA SMART ROBOT)」
2. NTTテクノクロスが取り扱うローカル5G向け
コアネットワークソフトウェア(5GC)
3. ウィビコムが取り扱うCOMPAL社製
ローカル5Gオールインワン(AIO)基地局
検証環境および簡易構成図
周波数帯:4.8GHz~4.9GHz帯 SA方式
同期方式:準同期TDD1(DDDSUUDSUU)
検証時の写真
各社の役割
NTTコムウェア :HBA社の製巡視点検ロボット「HSR」の提供および検証の統括・推進
NTTテクノクロス:ローカル5G向けコアネットワーク(5GC)の提供
ウィビコム :COMPAL社製ローカル5G基地局を使ったローカル5G環境(Sub6)の提供
検証結果
(1) ローカル5Gとロボットの接続時の通信の安定性について
L2TPルーターを使用することで既存Wi-Fi環境をそのままローカル5Gの環境に置き換え、ローカル5Gでロボットを制御することができました。通信品質の比較において、既存Wi-Fi環境ではping値にゆらぎが見られた一方、ローカル5G環境では大きなゆらぎは見られませんでした。なお、伝送速度については両環境ともに約320Mbit/sと同等の性能を示しました。これにより、映像伝送を行いながら遅延のない安定した動作を求められる用途において、ローカル5Gの優位性を確認しました。
(2) 4K映像伝送について
アップリンクの通信量を増やすローカル5Gの準同期TDD1通信方式を採用し、ビットレート40Mbps、H264形式、ストリーミングバッファ100msの仕様で4K映像伝送試験を実施しました。その結果、平均遅延は約0.48秒となりました。この遅延は主に4K解像度による映像のエンコードおよびデコード処理に起因するものと考えられます。画質については、フレームドロップやブロックノイズなどの品質劣化は見られず、安定した映像伝送を実現できました。
(3) 電波の回り込みについて
電波遮蔽物の有無、基地局との距離、ロボットの向きなど、さまざまな環境要因が無線回線品質に与える影響を検証しました。全7カ所の測定地点において、SINR(Signal to Noise Ratio)を用いた回線品質の計測を実施しました。その結果、回線品質はどの測定地点でも常に高い数字を記録しました。これによりローカル5G通信において、遮蔽物や基地局との距離、ロボットの向きは回線品質に影響を与えないことを確認することができました。
まとめ
今回の検証試験を通じて、ローカル5Gによる通信は遮蔽物に強く、安定しており、特にロボットの遠隔操作の用途において優位性があることを確認しました。
今後に向けて
この結果を基に株式会社ウィビコムでは、データセンターや物流倉庫の人手不足、効率化のニーズに応えていけるよう貢献してまいります。
株式会社ウィビコムについて
ウィビコムは、高周波アナログ回路設計技術・デジタル信号処理技術・通信システム開発技術によって革新的な無線技術の開発と自社ブランドのワイヤレスモジュールの供給で、広く社会に貢献することを目指しています。また、ローカル5Gを構成するコアネットワークから端末までトータルソリューションを提供いたします。
ウィビコムは、2018年4月より株式会社PALTEKのグループ会社となりました。
ウィビコムに関する詳細は、 https://www.wivicom.co.jp/ をご覧ください。