利墨リスモン調べ「中国自動車業界 2023年業界速報」を発表  自動車輸出量で世界1位となった中国、一方で倒産増加の兆候

法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本 太一、以下 リスモン)の連結子会社である利墨(上海)商務信息咨詢有限公司(以下、「リスクモンスターチャイナ」。略称、「利墨」)は、利墨リスモン調べ「中国自動車業界 2023年業界速報」を発表いたしました。

今回の「中国自動車業界 2023年業界速報」では、中国国内外の自動車業界情報を収集し分析しました。2023年の中国の自動車輸出台数は491万台(前年比58%増)で過去最高となり、日本を抜いて世界1位の自動車輸出国となりました。近年は、世界的に自動車のEVシフトや自動運転化が進んでおり、その中で、EV自動車生産に強みのある中国メーカーが大きく躍進し、影響力を強めています。
中国での新エネルギー車輸出台数は、2021年から連続して増加し、2023年1~10月の自動車輸出台数における新エネルギー車の割合は25.4%と、全体の4分の1を占めます。また、全世界を対象とした2023年上半期のEV自動車販売台数ランキングでは、中国のBYD(比亜迪)がアメリカ・テスラを抑えて1位となっています。その他にも、GAC Aion(広州汽車集団)、Li Auto(理想汽車)など、ランキング20社中に中国の自動車メーカー8社がランクインしました。

こうした世界での中国自動車メーカーの台頭には、中国政府による計画的な政策が背景にあります。政府が積極的に新エネルギー車の購入補助金や免税措置を行ったことにより、中国国内で新エネルギー車の需要が促進され、自動車産業が発展しました。現在では中国国内で技術力を高める段階を過ぎ、中国国外で販売を伸ばす段階へと入ってきています。

このように市場が好調な一方で、中国国内で新興自動車メーカーの倒産が目立っています。補助金などの政策に後押しされ、2000年以降多くの自動車メーカーが設立しましたが、競合企業数が増え価格競争が激しくなったことや、研究開発に投資をして差別化を進める企業にシェアが集中し、その結果、資本力や技術力のない企業が業績悪化や倒産に至り、市場での選別や淘汰が進んでいます。

リスクモンスターチャイナでは、中国本土において日系企業のビジネスを10年以上サポートしてきた実績や独自に収集した中国日系企業データベースを保有するほか、倒産や事件・事故などの不安情報を収集、発信しています。
本レポートで取り上げた自動車業界のように、好調に見えても市場分析を進めると、実際は倒産の危険性が高いという状況がありえます。現在中国へ進出している、もしくは中国への進出を考えている日系企業の皆様が安心してお取り引きできるように、今後も有用な情報・サービスを提供してまいります。

▼本レポートの全文はリスクモンスターチャイナの掲載サイトでご覧いただけます。
https://www.rismon.com.cn/report2402_1_j/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=240220

[レポート] 一部抜粋
中国の自動車輸出台数は、2021年以降、年間で100万台前後増加し、急激に拡大しており、2023年の中国の自動車輸出台数は491万台(前年比58%増)で過去最高となり、日本を抜き世界1位の自動車輸出国となりました。(図1)

図表1_中国・日本の自動車輸出台数推移(2018~2023年)

出典:中国自動車工業協会(CAAM)、日本自動車工業会(JAMA)

このような、中国の自動車輸出の増加をけん引しているのは、新エネルギー車です。中国での新エネルギー車の自動車輸出台数(図表2)は、2021年から連続して増加し、2023年1~10月の輸出台数全体に占める新エネルギー車の割合は25.4%と、自動車輸出台数の4分の1を占めています。

図表2_中国の自動車輸出台数推移

このような、世界での中国自動車メーカーの台頭には、政府による計画的な政策が背景にあります。中国政府は、2009年ごろから新エネルギー自動車の産業を発展させるために多くの施策を実行しています。
消費者に向けては、新エネルギー車の購入を促す施策として、これまで「対象車両の購入補助金」「対象車両の取得税の免税措置」「ナンバープレートの取得緩和」などが実施されています。
政府が積極的に後押しをすることで、中国国内の新エネルギー車の需要を促進し、産業が発展したのです。近年、中国の輸出台数が増加していることから、現在では中国国内で技術力を高める段階が過ぎ、中国国外で販売を伸ばす段階へと入ってきているといえます。

このように、新エネルギー車の分野で好調の中国ですが、売上を伸ばし成長する企業がある一方で、新興自動車メーカーの倒産が発生しています。リスクモンスターチャイナが独自に収集している2023年度の倒産情報では、2010年以降に設立された、新興自動車メーカー、自動車関連メーカー7社が破産申立などの倒産手続きを行っています。(図表3)
補助金などの政策に後押しされ、2000年以降多くの自動車メーカーが設立されましたが、競合企業数が多く価格競争が激しくなったことや、研究開発に投資をして差別化を進める企業にシェアが集中し、資本力や技術力のない企業が業績悪化や倒産に至り、市場での選別や淘汰が進んでいると思われます。

図表3_直近の自動車関連企業の倒産情報

中国では、国を挙げて新エネルギー車の推進がされていることから、国内での新エネルギー車の需要も高く、国内メーカーがシェアをおさえています。世界的な新エネルギー車の需要も増加していることから、中国の自動車輸出台数も年々増加しており、2023年度は日本を抑えて世界で1位の自動車輸出国となりました。その一方で、中国国内では市場競争が激化し、自動車関連企業の倒産も増加するなど、企業によって明暗が分かれています。ガソリン車に強みのある日系メーカーも、新エネルギー車の需要が高い中国市場で苦戦しており、今後の事業転換が求められる状況となっています。
新エネルギー車の普及により、世界の自動車市場は大きな変革期を迎えています。今後どのような展開となっていくのか、引き続き調査を続けてまいります。

[実施概要]
・調査名称  :中国自動車業界 2023年業界速報
・調査方法  :中国国内外の業界情報を収集
・調査期間  :2024年1月15日~2024年2月2日
・調査対象媒体:各機関・メディア公開情報
        中国自動車工業協会(CAAM):
        中国国家認証の自動車工業協会であり、
        国際自動車工業連合会の常任理事機関。
        乘用車市場信息聯席会(CPCA):
        中国の自動車産業向けの市場調査プラットフォーム。
        (一社)日本自動車工業会(JAMA):
        自動車の業界情報を提供する一般社団法人。
        自動車メーカー14社によって構成される。
        CleanTechnica:
        クリーンエネルギーやEV自動車などのクリーンテックを
        専門に取り上げるニュースサイト。

利墨リスモン調べとは

リスクモンスターチャイナが中国日系企業データベースや中国の業界情報を基に、独自に企業や業界の調査・分析を行ったレポートです。中国で与信管理を行っているリスクモンスターチャイナならではの視点で、皆様のお役に立つ情報を発信しております。

リスクモンスターチャイナの概要

2012年9月、上海にリスモングループ初の海外拠点として設立。中国に進出している日系企業向けに与信管理サービスを中心とした経営支援サービスを提供。その他に日中両言語のクラウド型グループウェアや社員教育のeラーニングを展開し、日系企業を管理面でサポート。2023年9月末時点で452会員の利用実績。

■リスモンの概要(東京証券取引所スタンダード市場上場 証券コード:3768)
2000年より与信管理業務のアウトソーシング・クラウドサービス事業を開始以来、法人会員向けビジネスを要として、教育関連事業やビジネスポータル事業、BPOサービス事業、海外事業にサービス分野を拡大し、包括的な戦略で事業を展開。グループ法人会員数は、2023年12月末時点で13,918(内、与信管理サービス等7,374、ビジネスポータルサイト等3,097、教育事業等2,983、その他464)。

会社名   : リスクモンスター株式会社
        (英名:Riskmonster.com)
代表者   : 代表取締役社長 藤本 太一
所在地   : 〒103-0027 東京都中央区日本橋2丁目16番5号 RMGビル
設立    : 2000年9月
資本金   : 1,188,168,391円(2023年3月末現在)
ホームページ: https://www.riskmonster.co.jp/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=240220

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