RFIDアンテナ内蔵小型セラミックパッケージを開発
独自のセラミック多層構造により、超小型で長い距離の通信を確保
京セラ株式会社(社長:谷本 秀夫)は、独自のセラミック多層構造により、超小型で長い通信距離を実現するRFIDアンテナ内蔵セラミックパッケージを開発し、本年5月より本格量産を開始いたします。当社は、長年培ってきたセラミック材料技術、多層技術、アンテナ設計技術などを活かして、今回初めてRFIDアンテナ内蔵セラミックパッケージの開発に成功しました。今後、IoTによるモノづくり革新の進展などにより、RFIDタグの需要増加が見込まれる産業分野に向けて製品を提供してまいります。
■京セラHPリリース:http://www.kyocera.co.jp/news/2017/0403_fcvp.html
製品名RFIDアンテナ内蔵セラミックパッケージ
用 途自動車関連、産業/FA関連、医療関連など
外形寸法(3サイズ)(横 X 縦 X 高さ)
6 x 3 x 1.7mm
10 x 5 x 1.7mm
15 x 5 x 1.7mm
通信方式UHF帯(860-960MHz※1)
生産拠点鹿児島国分工場
本製品の特長
1.ファインセラミックスならではの耐熱性・耐水性・耐薬品性などの高い耐久性を有
します。
2.多層構造でアンテナを内部に形成することで通信距離が長くなり、さらにICチップ
をパッケージの内部に配置できるキャビティ(凹型)構造により小型化を実現して
います。
3.UHF帯の通信方式において、本製品を採用したRFIDタグは従来品に比べて、同サイ
ズ(体積比)で1.5~2倍の長い通信距離を実現しています。
4.金属上への載置が可能ですので、金属製品の管理用途などに適しています。金属に
貼り付けた際に通信距離が最大となる設計です。
開発背景
RFIDは、RFIDタグに埋め込まれたICチップの情報を親機となるリーダー/ライターと送受信する技術で、現在、小売業での製品タグや交通系ICカードなどで採用が広がっています。IoTによるモノづくり革新の進展などにより、従来の市場に加え、自動車関連や産業/FA(Factory Automation)関連、医療関連などの用途での採用も拡がっており、当社では2020年に市場規模が1,000億円程度になると予測しています。
例えば、自動車用途ではエンジン整備などに使う工具の管理、産業用途ではFAなど製造工程において薬品洗浄が行われる部品などの管理、医療用途では加熱洗浄や滅菌処理が行われる医療用器具の管理などへの展開が見込まれます。
従来のRFIDタグでは、製品を保護し接続するパッケージに有機系の素材が主に用いられていますが、今後採用が広がる新たな用途においては、耐熱性や耐水性、耐薬品性などの高い耐久性や通信距離の確保が必要とされます。