縄文時代の人々は色にもこだわっていた!? 美容考古学研究所と一緒に考える「赤の疑問」 5月25日(水)に国際文化学園にてサロンを無料開催
学校法人国際文化学園は、毎月末の最終水曜日(※変動する場合あり)に、美容考古学研究所の定例サロンを無料開催しています。
美容では「色」がとても重要なポイントになります。メイクアップはもちろん、最近はヘアスタイルでも、カラーリングがデザインの決め手になっています。
学校法人国際文化学園の美容考古学研究所では、古代の美容を研究テーマにし、サロンを開催していますが、ヘアスタイルとともに「色」にもこだわっていきたいと考えています。
サロンでは、これまで白と黒を取り上げてきましたが、今回はいよいよ「赤」がテーマです。縄文時代の土偶や土器からは、白や黒の痕跡を探すのはとてもむずかしいのですが、赤がほどこされた遺物はかなり発掘されています。
6000年も前の貝塚から出土した精巧な櫛には、赤漆が塗られていて、赤色がはるか昔から用いられていたことに驚かされます。また、有名な遮光器土偶など、一見真っ黒に見えるものも、実はその上が真っ赤に塗られていたことが知られています。
縄文時代の赤色の原料は「ベンガラ」だといわれています。土の中の鉄が酸化した「酸化鉄」がたくさん含まれている顔料のことで、インドのベンガル地方から伝来したことから名前がついたそうで、紅殻、弁柄の字をあてることもあります。
縄文人は、そのベンガラを漆に混ぜたりして櫛や土偶に塗り、装飾用、呪術用などに用いていたと、専門書にはさらりと書かれています。しかし、ベンガラというものは、そんなに簡単に作ることができたのでしょうか。縄文時代には酸化鉄が含まれている岩が、そこら中にゴロゴロしていたのでしょうか。その岩をどうやって叩き割って、そこから赤色顔料をどうやって取り出したのでしょうか。現代でも高度な専門技術を、縄文の人たちはどうやって取得したのでしょうか。そして、そもそもどうして赤を塗ったのでしょうか。これも専門書には呪術用と書かれていますが、どうして赤が魔除けになったのでしょうか。などと、次から次へと「?」が湧いてきます。
ベンガラにもいろいろな種類があるといいます。湿地や湖沼で採取できるものもあり、実はこちらの方が簡単に手に入ったのではないかという説もあります。また、丹とか辰砂という水銀由来の顔料も、縄文後期には存在したともいわれます。後世にはコチニールなどの動物由来のものや、紅花に代表される植物由来のものが登場してきますが、こういったものは縄文時代には全くなかったのでしょうか。
5月25日(水)のサロンでは、「赤色メイク」の実演を通して、そんな「赤い疑問」について、考えていきたいと思います。どなた様も無料でご参加いただけますので、お気軽にご参加ください。
講師 :清水 悌(メイクアップアーティスト)
アドバイザー:譽田 亜紀子(文筆家)
開催日時
第12回 美容考古学勉強会
日時:2022年5月25日(水) 16:30~
会場:国際文化学園 美容考古学研究所
費用:無料
▼参加希望の方はこちらより▼
国際文化学園 美容考古学研究所
主任研究員 篠原 博昭
Tel : 03-6416-5348
Mail : shinohara@kokusaibunka.ac.jp
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