【著者インタビュー】原田左官工業所 代表取締役・原田宗亮氏のインタビュー公開!「左官は手仕事による、奥深い最先端の技だ。」
左官業界を変革する経営者が新刊『オルタナティブ 原田左官工業所の仕事』に込めた、手仕事への誇りと将来への夢
株式会社幻冬舎ウェブマ(本社:東京都渋谷区千駄ケ谷4丁目9番7号、代表取締役:立本正樹)は、同社が運営する「話題の本.com」(https://wadainohon.com)にて2021年11月15日(月)、著書『オルタナティブ 原田左官工業所の仕事』を刊行した有限会社原田左官工業所・代表取締役・原田宗亮氏のインタビュー記事を公開しました。
▼【著者インタビュー】左官業界を変革する経営者が新刊『オルタナティブ 原田左官工業所の仕事』に込めた、手仕事への誇りと将来への夢
店舗内装を主に手がける原田左官工業所が、著書『オルタナティブ 原田左官工業所の仕事』を刊行しました。
著名なデザイナーや建築士とコラボし、店舗のコンセプトを新しい発想と卓越した技術によって実現してきた数々の施工例を紹介。単に過去のプロジェクトを紹介するだけでなく、現代における左官の可能性を提案している書籍です。
今回は、同社の代表取締役を務める原田宗亮氏が本書にこめた思いや、人材育成を重視する理由、そして将来の展望などについて聞きました。
インタビュー記事 一部をご紹介
――書籍『オルタナティブ 原田左官工業所の仕事』刊行のきっかけを教えていただけますか。
私たち「原田左官工業所」は、漆喰(しっくい)や土壁はもちろん、木、わら、石、貝殻などさまざまな素材を組み合わせ、店舗や商業施設、住宅などの左官工事を行う会社です。
具体的な名前は出せませんが、当社はこれまでに何度も、有名プロジェクトの内装を手がけてきました。また、女性活用や人材育成で注目され、テレビや雑誌などで取り上げられたこともあります。
ところが、原田左官工業所の社名はまだ、建築士や設計士の方々に十分浸透しているとは言えません。もっと多くの方に、当社と当社の職人の存在を知っていただきたい、そして私たちは、漆喰や土壁以外にも多彩なやり方で内装を手がけられることを伝えたいと考えたのが、本を作るきっかけでした。
それで、従来の左官とは異なる切り口で提案できるという意味を込めた「オルタナティブ(代案、代替物)」という言葉を、タイトルに採用したのです。
――原田さんは原田左官工業所の3代目経営者ですが、どのような経緯で左官業界を志したのでしょうか。
現在の当社には常時60人ほどの左官・タイル職人が在籍していますが、昔は零細企業に過ぎませんでした。それもあって、親から「後を継げ」とプレッシャーをかけられた経験は一度もなかったのです。ただ、私は小さな頃から漠然と、「いつかは父の後を継ぐことになるだろう」と考えてはいました。
当社は1990年、女性左官チーム「ハラダサカンレディース」を立ち上げました。それまで完全な男社会だった左官業界で女性職人の積極採用・育成に取り組んだ当社は、マスコミでかなり取り上げられたものです。
当時中学生だった私も、「うちは普通の左官屋ではないのだな」とインパクトを感じ、同時に誇りを持ちました。そして、父や職人たちが生き生きと働く姿を見るうちに、この会社が父の代でなくなってしまうのはもったいないと考えるようになりました。
私は大学を卒業後、樹脂部品メーカーに就職しました。そこで約3年間経験を積み、2000年、26歳の時に原田左官工業所に入社。そして2007年、父の後を継いで代表取締役に就任したのです。
――前職での経験は、経営者になった今も役立っていますか。
とても役立っています。大きなメーカーのものづくりを直接見たことは、貴重な体験でした。また、前職では営業を担当していて、社外のメーカーや職人をコーディネートする機会も多かったのです。
そこで優秀な職人さんと出会って「ものづくりは結局、人が支えている」と痛感させられたのは、今も私の軸になっています。
そして、顧客ニーズを超えた提案を目指そうとする姿勢も、メーカーの営業職時代に培われたと感じます。昔気質の職人は、建築士やデザイナー、顧客に言われるがまま仕事をする傾向がありました。
しかし、今は通用しません。当社は常に、「左官業として、お客さまにどう役立つか」を意識することで、他社から高い評価をいただいています。
ーーーーーー以上記事一部抜粋ーーーーーー
書籍情報
『手作業という最先端の技術
ここにこそ未来への扉をひらく鍵があるはずだ』――谷尻 誠
Time & Style Atmosphere、神田ポートビル、
MUJI Diner 銀座、PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI……
左官の新たな技術と感性が、建築の可能性を広げる
海法 圭、藤本信行、Kii inc.(新井里志、中富 慶)……。
今、新進気鋭の建築家やデザイナーたちの注目を集める原田左官工業所、初の作品集です。
新しい素材や自由な発想、熟練の技術を武器に生み出された左官の数々を、写真と制作エピソードで綴ります。
ゴールドでコーティングしたテラゾで仕上げた「BISTROT L’adret」の光る床、
天然の「京錆土」を使用した新素材で塗りあげた「神田ポートビル」の外壁、
左官材に茶葉を混ぜ込んだ「Cadeau nature 渋谷ヒカリエ店」の内装など、
魅力的な作品を多数掲載しています。
常識にとらわれない柔軟な発想が生み出す、左官の奥深さを感じてください。
著者
■ 原田 宗亮
有限会社原田左官工業所 代表取締役社長
二級建築施工管理技士・左官基幹技能者
1974年、東京都生まれ。2000年に有限会社原田左官工業所へ入社、2007年に代表取締役社長就任。
「夢とロマン」を経営理念に掲げ国内唯一の提案型左官として、
従来の左官工法にとらわれない柔軟な発想と高いデザイン性・技術力で、年間1500件の施工実績を誇る。
現在は左官の技能講習会やワークショップの企画・開催も行っており、左官の啓蒙活動に尽力。
動画を取り入れた新人教育など現代的で独自の左官職人育成プログラムが注目され、さまざまなメディアに出演し講演も多数行っている。
また、建築業界のダイバーシティを推進しており、特に女性の左官業界への参加に注力。
「女性の参入で建築業界を変える」ことをモットーに、女性が働きやすい職場づくりを目指している。
著書に『世界で一番やさしい左官』(エクスナレッジ)、『新たな“プロ"の育て方』(クロスメディア・マーケティング)がある。
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