「ビル再生100の物語」住宅から店舗への転用あれこれ

ビル再生100の物語 第77話

2023-09-07 07:00

テナワンでは、これまで多くのビルの空室対策や賃貸運営を行ってきました。

それぞれの問題を解決してきたビル再生の事例を「100の物語」としてこれから公開していきます。

立地の良い一戸建ては店舗として価値があることも。苦労話色々。

商店街の一戸建が店舗に!

いつもはビルオーナーのビルをお預かりする当社でも、たまには物件をお探しの方のお手伝いをすることもあります。

本件は中目黒でビストロを開きたいお客様でした。

見つかった物件は中目黒駅から徒歩10分ほどの一戸建て。

築年数は40年以上は経ってそうです。

物件はとある投資家が買った一戸建て。

昔は商売をやっていたようないわゆる看板建築でした。

商店街の中で、人気の中目黒ということもあり、周辺にはおしゃれなお店がちらほら。

芸能人も見かけるこのエリアは、おしゃれな若い人たちが住んでいるので流行りそうな立地です。

住宅よりも店舗の方がより収益が上がりそうです。

住宅から店舗へ。問題は山積み。

住宅から店舗への改修。

それはたくさんの山にぶつかります。

まずは、建築基準法や消防法、保健所の検査など、様々な法をクリアにしなければなりません。

(内容が膨大なため詳細ははぶきます)

飲食店は席数が命。

客単価×席数が売り上げになるため、1席でも多く配置しなければなりません。

しかしそこは住宅。

旧間取りは3LDKや4LDKなど細切れになっているため、柱が多いのです。

しかし切るわけにはいきません。

構造の専門家の意見も聞き、柱、梁を補強しながらなるべく大きな空間、面積をとる苦労がありました。

また、水道管やガス管、電気配線などのインフラが住宅仕様と店舗では違うのです。

一世帯の家庭を賄うガスや水の量と、大量に使う店の消費量はまるで違います。

本件の場合は、保健所の検査ぎりぎりで、配管を太くする工事をしなければいけませんでした。

最後に近隣の理解も必要です。

隣地が住宅である場合などは、これまでと違い、店舗となると音やにおいなどご迷惑をかけることがあるかもしれません。

早めのご挨拶と気遣いが必要になります。

再生された物件は大繁盛。

苦労の末、オープンを迎えたビストロ。

旧家の小屋組みがむき出しの2階席は多くのパーティ客に賑わって盛況です。

山小屋のような内装は、通常の店舗と違って落ち着いた雰囲気でお客様も楽しんでいらっしゃいます。

何より路面店はこのエリアでは大変貴重で、オーナーは住宅よりも高い賃料を得ることができたようです。

チェック項目はそれなりにありますが、立地によって検討する価値のある物件もあるのです。


始めて読まれる方に

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これまで、東京都心の中小型ビルが検討客を集められない4つの原因へ対応する考え方として、リーシングマネジメントという考え方が大切だとご説明しました。

リーシングマネジメントの基本的な考え方は、

「打点(空室を埋めること)は、打席数(認知度を上げること)×打率(決まりやすい条件やウリ)に比例する。」

です。

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