【名城大学】曽山教授が多忙な学校現場で実践できる「かかわりの力」を育むプログラムの書籍を執筆
本学教職センターの曽山和彦教授が10冊目となる単著「超多忙でも実践できる!スリンプル(スリム&シンプル)・プログラム~週1回10分の『〇〇タイム』で『かかわりの力』を育てる」が、ほんの森出版から7月10日に刊行されます。今年で教員生活40年目となる曽山教授が長年にわたり研究、開発した「スリンプル・プログラム」の概略や実践例をまとめた集大成となる1冊です。
スリンプル・プログラムとは、学校現場での子どもの「かかわりの力(ソーシャルスキル&自尊感情)」の育成を目指すプログラムです。いじめや不登校などは「かかわりの力」に問題があると考えた曽山教授が、「かかわりの力」を育むために多忙な学校現場でもできるプログラムを作ろうと、2011年から愛知県刈谷市立依佐美中学校での実践を皮切りに研究に取り組み、開発してきました。
スリンプル・プログラムは二つの柱からなり、一つの柱は週1回、10分の活動時間で3~4人がグループとなって、楽しくかかわりながら「話す・聴く」という演習に取り組む「〇〇タイム」です。もう一つの柱は「各教科等でのペア・グループ活動(〇〇トーク)」で、「〇〇タイム」で身に付けたスキルを授業での場面につなげ、「かかわりの力」を強化していきます。
実践校の具体例も掲載 曽山教授「活用してほしい」
新著では、スリンプル・プログラムの理論や技法、「〇〇タイム」と「〇〇トーク」の展開例、プログラムを実施するうえでの留意点やQ&Aなどを分かりやすく解説。さらに、「しっぴータイム」として取り入れた愛知県あま市立七宝中学校をはじめ、愛知や熊本、高知などのスリンプル・プログラム実践校の具体的な取り組みを、教員や子どもたちの感想、写真や演習の計画表などを盛り込みながら紹介しています。
曽山教授は「『改訂生徒指導提要』(文部科学省.2022)において、特に重視されているのは、全ての子どもを対象とした『発達支持的生徒指導』&『課題未然防止教育』=先手・予防型『proactive』生徒指導。スリンプル・プログラムを、その具体方策の一つとして活用してほしい」と話しています。
「超多忙でも実践できる!スリンプル(スリム&シンプル)・プログラム~週1回10分の『〇〇タイム』で『かかわりの力』を育てる」はA5判、152ページ、2000円+税。