英・アルトレード社が、トムラの高性能な新型X-TRACT(TM)により 純度99%のアルミニウムを回収

英国最大の独立系アルミニウムリサイクル企業であり、押出成形のスペシャリストであるアルトレード社は、洗練された新しいセンサー式選別ソリューションのメリットを享受する世界初の企業です。トムラの最先端のX線金属選別装置である新型X-TRACT(TM)により、アルトレード社はアルミニウムの二次生産に使用する純度99%のアルミニウムの生成を成功させました。

新型X-TRACT(TM)は、2021年3月に、年間42,000トンの廃棄物を処理するアルトレード社のオールドベリーリサイクル工場(バーミンガム)に設置されました。同工場の投入材料は、窓やドアなどのさまざまな種類の消費者向け建設廃材やアルミ缶からの金属押出材で構成されています。

アルトレード社導入 新型X-TRACT(TM)

機械式とセンサー式の組み合わせによる選別

アルトレード社のオールドベリーリサイクル工場に到着した原料は、ハンマーミルでさらに細かくする前に、あらかじめ1~2メートル程度の長さに細断されます。その後、磁石と渦電流セパレータで鉄と非鉄に分離し、次の選別工程に向けて異物を除去します。

磁力選別に続いて、トムラの光学式選別機の組み合わせで、ターゲットとするアルミニウム原料の処理、選別、回収を行います。2017年と2018年にそれぞれ設置された2台の旧型X-TRACT(TM)は、30mmを超える大きなアルミニウム片を判別できるようにプログラムされていましたが、新型は10~30mmの小さなアルミニウム片をも判別が可能となり、アルミニウムから重金属を除去します。旧型と新型のX-TRACT(TM)はどちらも、原子密度の差に基づいて金属を選別し、重金属を除去します。

アルトレード社オールドベリー工場

プレミアムリサイクルアルミニウムの需要に対応

アルトレード社の顧客は世界中の再溶解メーカーで、重金属を含むと溶湯の仕様に影響を与えるため、彼らの再溶解プロセスには最高純度のアルミニウム製品が要求されます。

アルトレード社の取締役、アンドリュー・パウエル(Andrew Powell)氏は、「過去5年間、トムラおよび当社の主要顧客と密接に協力し、再溶解工程にそのまま投入できる極めて高い純度レベルを満たすアルミニウム原料の回収を可能にするために、多くの研究を重ねてきました。新装置で回収される10~30mmの小さな粒径は、99%の純アルミニウムであり、新しいアルミニウム製品の生産に使用できるため、より高価格で販売することができます。さらに、新型X-TRACT(TM)は、排出された重金属製品の販売だけでなく、異なる切込み材料を調達できるようになったため、アルトレード社にとって、新たな国際的販路の開拓ができました」と説明しました。

新型X-TRACT~優れたソリューション

オールドベリー工場にある2台の旧型X-TRACT(TM)は、30mm以上のアルミニウム片を判別できるものの、それ以下の大きさの原料には制約がありました。しかし、新しいX線センサーの設計により、新型X-TRACT(TM)はさらに高い純度で5mmまでの原料を分離することができるようになりました。

トムラの新型X-TRACT(TM)は、原子密度によって金属を分離するプロセスは従来品と同じですが、より優れたX線技術を有します。このソフトウェアベースのソリューションは、重金属を含む異物を排出することにより、高純度な再溶解品質リサイクルアルミニウムを保証することができます。

新型X-TRACT(TM)は、高速選別(最大3.8m/秒)や幅1mあたりの処理能力の向上など、数々の新しい革新的な機能を備えています。新しく、高い尖鋭度を有するXRTセンサーは、よりシャープな検出と短い積分時間で高い処理能力を実現し、高出力(最大1,000w)のX線源は、複数のアプリケーションと粒径を処理することが可能です。また、新型選別房の採用により、より安全なアクセスと迅速なメンテナンスが可能になりました。

アルトレード社に納入されたX-TRACT(TM)は、トムラの安全でほぼリアルタイムかつオンデマンドのクラウドベースのデータ監視プラットフォームであるTOMRA Insightに接続されています。このプラットフォームにより、お客様は選別機をコネクテッドデバイスに変え、選別作業を単なる作業プロセスから戦略的なマネジメントツールに転換することができます。TOMRA Insightは価値の高いデータを生成することで、工場のスループットを最大化し、選別性能を高め、生産物の品質を最適化するのに役立ちます。

アルトレード社とトムラの長年のパートナーシップを振り返り、アルトレード社のアンドリュー・パウエル(Andrew Powell)氏は次のように付け加えました。「我が社は過去4年間、顧客に提供する製品の品質を保証するためにX-TRACT(TM)を使用し、顧客との間に信頼関係を構築することができました。トムラは稼働初日から、確実にアルミニウムの回収率を向上させるのに貢献しています。X-TRACT(TM)を使用することで、私たちは材料を輸出するのではなく、国内に残すことができるように品質を高めることができました。新型X-TRACT(TM)に投資することで、リサイクルプロセスのループを可能な限り閉じることができ、アルミニウムを再びアルミニウムに変換して高級アルミニウム製品に使用できるため、実際、窓枠を新しい窓枠にリサイクルすることができるのです。低い運用コスト、安全性の向上、優れた選別能力により、新型X-TRACT(TM)は、世界の金属リサイクル市場で利用可能なアルミニウムリサイクルソリューションの中で間違いなく際立っています」

メタルリサイクル北・東欧セグメントマネージャー、テレンス・キーワース(Terence Keyworth)は、「トムラとアルトレード社は10年以上、共に協業しているため、オールドベリー工場は、新型X-TRACT(TM)の能力をテストし証明するために理想的な工場でした。工業化された環境におけるこのユニットの最初のプロトタイプとして、非常にエキサイティングなプロジェクトとなりました。アルトレード社がこの新技術の選別能力を高く評価してくれたことを嬉しく思っており、今後数ヶ月の間にさらなる設置を展開することを楽しみにしています」と述べました。

トムラリサイクリングについて

トムラリサイクリングは、グローバルでのリサイクル・廃棄物産業用光学選別技術の開発・製造を行い、これまでに8,200台以上の選別機を世界100カ国以上に提供しています。世界初の廃棄物選別用の大量処理が可能な近赤外分光(NIR)センサーの開発を担い、現在も業界のパイオニアとして、回収率と利益の双方を最大化できるよう、廃棄物からの高純度の原料回収に力を注いでいます。
トムラリサイクリングはトムラソーティングソリューションズの一部門で、食品、鉱業など幅広い業種における選別、分離、プロセス分析の光学選別システムの開発を行っており、トムラシステムズASA(本社:ノルウェー・オスロ)が保有しています。1972年に設立されたトムラシステムズASAは、約10億ユーロの売上高を誇り、全世界で4,600人の従業員を擁しています。

トムラソーティング株式会社について

トムラソーティング株式会社(本社:埼玉県さいたま市、代表取締役:河口 昌伸)は、リサイクル選別装置で世界シェア75%を誇るトムラソーティングソリューションズ(本社:ノルウェー・オスロ)の日本法人です。限られた資源のなかでの循環経済の実現にむけて、リサイクルおよび食品業界において、光学選別ソリューションを提供しています。
ウェブサイト: https://www.tomra.com/ja-jp

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