M&S、神田通信機第81期定時株主総会において 委任状勧誘(プロキシーファイト)を実施

2018-06-08 10:00

合同会社M&S(所在地:東京都中央区、代表社員:内藤 昌弘)は、神田通信機株式会社(以下「神田通信機」とします。)の発行済株式総数の1%以上を6カ月以上の期間保有し、神田通信機の発行済株式総数の61,300株、約7.01%を保有する株主です。
合同会社M&Sは平成30年6月28日開催予定の神田通信機第81期定時株主総会にて、神田通信機に対して議案提案権(会社法303条)の行使をいたしました。

  1. 議決権の代理行使の勧誘者
    合同会社M&S
    代表社員 内藤 昌弘
    東京都中央区日本橋室町1-9-1 日本橋室町ビル8階
  1. 議案に関する参考事項
    第5号議案 剰余金の処分の件
    第81期の期末剰余金として、普通株式1株当たり金193円を配当する。

剰余金の配当要求を行った経緯

合同会社M&Sは、神田通信機に対し、平成30年4月25日付け株主提案書により、平成30年6月28日開催の株主総会において株主提案権の行使(会社法303条2項条文より。)として上記の通り、金193円の配当を要求しております。

配当要求を行った理由

神田通信機の第81期第3四半期報告書によれば、平成29年12月31日時点で17.6億円の現預金および10.5億円の投資有価証券を保有しております。これらの資産から有利子負債の2.2億円を差し引いても約25.9億円の流動性資産を保有しており、神田通信機の時価総額と比較し過大な資産を抱えています。実際、神田通信機は長年低PBRの経営状況が続いており、平成30年4月25日現在においても神田通信機の株価は純資産倍率1倍を大きく下回っています。
また、平成30年3月期の神田通信機予想当期純利益(連結)に基づく自己資本利益率(ROE)は約4.3%と低く、ROE向上の観点からも、資産から投資有価証券を減らし、有効活用することが望まれます。しかし、「円滑な取引関係の維持のため」を目的とした投資有価証券の売却に関しては、一昨年からIR責任者兼取締役の高橋様と引き続きご面談させていただいており、平成29年12月に送付した要望書にも記載いたしましたが、未だ取締役会での決議およびご対応をしていただいてない状況となっております。
上記の通り、本来であれば資本コストが見合うか判断できない「取引関係の維持」を目的とした神田通信機保有の投資有価証券を速やかに売却および現金化し、企業価値向上に充てるべきですが、取締役会にて決議いただけないのであれば、当期純利益(連結)を株主価値の向上のために充てるべきと考えます。神田通信機は、これ以上会社内に潤沢な資金を留保する必要はなく、さらに内部留保を増大しても ROEが下がるだけです。加えて、平成30年3月期の1株当たり年間配当額を金30円としておりますが、この予定配当金の額では、平成30年3月期の神田通信機予想当期純利益から見る配当性向は15.5%程しかなく、株主からみてその水準は十分なものではないと考えます。
むしろ、平成30年3月期の神田通信機予想当期純利益(連結)を基に1株当たりに割り振った場合の理論配当額が以下の通り193.5円となることからすれば、神田通信機は、1株当たり金193円を株主に配当すべきであると考えます。
155百万円(予想当期純利益)÷801千株(自己株式を除く発行済株式数)=193.5円(1株当たりの配当金額)
なお、仮に、神田通信機の第81期連結純利益が予想を下回ったとしても、現在の財務状況であれば容易に上記配当は実行できるものと考えます。

以上の理由から、現状の非効率的な財務状況の改善を図るためにも、この度提案する大幅な株主還元および合同会社M&Sの株主提案実行を強く期待いたします。なお、今回の株主提案を実行したとしても、その配当総額は当期純利益の範囲内であることから、神田通信機の財務状況および経営状況に大きな影響を与えるものではなく、神田通信機の株主重視な姿勢を市場全体に強くアピールすることができ、神田通信機の企業価値および株主価値向上の第一歩となると考えます。

配当の要求を行った理由(追記)

平成30年3月30日、金融庁より、コーポレートガバナンス・コード改訂案(以下「CGコード」とします。)が公表されました。
CGコード【原則1-4. いわゆる政策保有株式】においては、「上場会社が政策保有株式として上場株式を保有する場合には、政策保有株式の縮減に関する方針・考え方など、政策保有に関する方針を開示すべきである。」と記載されており、神田通信機はCGコード改訂案に対応すべく、政策保有株式の売却を検討すべき状況にあります。
更に、神田通信機は、長年にわたって低PBRの状態が続いていると同時に、時価総額に対する投資有価証券の割合が過大であり、保有目的の適切性および保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っていないと考えられます。本来であれば、取締役陣による自発的な売却判断をしていただきたいところではありますが、合同会社M&Sとの重なる対話の中から、持ち合い株式の解消が見受けられなかったため、この度、定時株主総会の場で株主様の御意見を頂戴したく株主提案させていただいた次第です。なお、CGコード改訂案の補足原則において、「1-4(1) 上場会社は、自社の株式を政策保有株式として保有している会社(政策保有株主)からその株式の売却等の意向が示された場合には、取引の縮減を示唆することなどにより、売却等を妨げるべきではない。」と記載されていることから、政策保有株式の売却による取引の減少はないと考えます。

買収防衛策反対の理由について

上記、剰余金の処分の件に関する株主提案に加えて、会社提案第4号議案の「当社株式の大量保有行為に関する防衛策(買収防衛策)の導入の件」に関して、合同会社M&Sは買収防衛策の導入の否認を要求します。(本来、株主提案として要求すべき事項ですが、株主提案権の行使要件である株主総会日の8週間前以降に開示された内容のため、追記という形で合同会社M&Sの否認理由を本書に記載しております。)

神田通信機が平成30年5月14日に導入を発表した買収防衛策は、ある一定の大株主を排除することを目的とした導入であり、株式の流動性と株主の公正性が損なわれるだけでなく、コーポレートガバナンスの向上につながらず、経営陣の説明・結果責任を軽減する行為であると考えます。
買収防衛策は、マネーゲームを防止する策としては一見有効に思えます。一方で、仮に業績が悪化し続けている状況下、多くの投資家は買収防衛策を経営者の保身手段と考えます。また、役員の椅子に固執する経営陣がこの買収防衛策を発動してしまうと、投資家が企業に対して影響力を行使することができなくなってしまう弊害もあります。現経営陣が自らの地位を守るために「支配力維持」としての買収防衛策を実施する可能性があることから、合同会社M&Sとしては買収防衛策の撤回を求めます。
真の買収防衛策とは、経営改革により業績を拡大し、企業価値および株主価値を高めることで株主の支持を得ることが本質と考えます。

以上の理由から、会社提案である買収防衛策の導入の件について反対します。

この度、合同会社M&Sでは今回の株主提案の可決および買収防衛策の否決に向けて委任状勧誘(プロキシ―ファイト)を行い、合同会社M&S以外の株主様にもご賛同をいただき、神田通信機を企業本来の価値へ戻し、軽薄化している株主価値の向上を促すよう努めていく所存です。

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