[奈文研コラム] 古いアルバムの中の

 皆さんのご家庭にもあるでしょう。古いアルバムが。几帳面な方だとアルバムに貼ってある写真の下に「何月何日、どこそこで誰と誰が写っている」などタイトル的に貼っておられる方がいらっしゃると思います。貴重な思い出の写真を子どもたちに受け継いで、いつかアルバムをめくって思い出に浸ることがあると思います。

 実はこれが文化財調査の記録にもつながります。私たちが文化財の調査に携わる上で切っても切れない重要な部分が「記録」です。この記録は将来にわたって自分たちがいなくなった後でもその情報を最大限引き出すことが必要です。そのためには様々な記録に対して情報を盛り込むことが重要です。特に私が携わっている写真記録はこの「タイトル的」な情報が非常に重要になります。

 現在では写真記録のほぼ全てがデジタル画像として保存されますが、約10年前まではそれらは全てフィルムで保存されてきました。フィルム自体には情報を書き込むスペースは非常に小さなスペースしかありません。従ってその整理と保存方法が非常に重要でした。それぞれのフィルムには上述のように小さな余白部分があり、そこに写真番号を書き込みます(写真1)。この写真番号と対照する「写真台帳」が作成され、台帳にはタイトルや分類、誰がいつ何のために何を撮影したか、キーワードや撮影者など沢山の情報が書き込まれます。さらにこの台帳に対して、キーワードや分類などをもちいて「検索カード」(写真1)が作成され、例えば「○○寺」や「発掘」「遺跡名」「遺物名」など様々なカードが作られて検索可能な状態となります。

写真1 アナログ的な検索カードと写真フィルムの番号
写真1 アナログ的な検索カードと写真フィルムの番号

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