国際バカロレアとケンブリッジ -2大国際教育プログラムは日本に根付くか-
幼児教育から大学院まで、アオバにLAISが加わりBBTの国際教育拠点が9に
2019年5月、日本初の100%オンラインで経営学の学士を取得できるビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)やアオバジャパン・インターナショナルスクール(AJIS)を擁する株式会社ビジネス・ブレークスルーにより、リトルエンジェルス・インターナショナルスクール(東京都三鷹市、“LAIS”)は連結子会社となった。
LAISの創立者であるジーバラニ・エンジェリーナ氏は1991年にインドから日本へ移り住んだ際に、自分の子供の教育方法や教材に興味を持ったことがきっかけで、毎年休みにはカリキュラム研究のために海外へ行くように。長男は幼少期から小学校卒業まで日本の義務教育を受け、海外で活躍したいとの想いから某インターナショナルスクールに進学した。エンジェリーナ氏は、インターナショナルスクールの200万円を超える高額の学費では殆どの子どもたちが国際教育を受けられないことに問題意識を持ち、2002年に東京都三鷹市にてリトルエンジェルス・インターナショナルスクール(LAIS)を設立した。その授業料はインターナショナルスクールの6割程度と、従来の常識を覆すものだ。その後学校は順調に拡大し、2018年に幼稚園から高校までの一貫校として全学年が揃った。
LAISは2014年にはケンブリッジ大学国際教育機構(ケンブリッジインターナショナル)の認定を受けている。実は急速なグローバル化に伴い、日本のみならず世界中で、国が指定するものではない世界共通で使用される国際カリキュラムを採用する学校が増加している。
その一つである国際バカロレアも、限られた教育関係者以外、日本では数年前まで殆ど知られていなかった。しかし平成25年6月、「国際バカロレア認定校の大幅な増加を目指す(200校)」とする「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」における閣議決定以後順調に普及、政府や文部科学省の支援もあり、現在認定校等の数は139校にまで増加した。
ケンブリッジインターナショナルは日本では殆ど知られていないが、国際バカロレアと並び、世界的に広く普及した国際カリキュラムであり、中学校レベルのIGCSEや高校レベルのA-levelで知られている。その歴史はかなり古く、1858年に施行されて以来、160ヶ国以上、世界で約一万校で採用されている。LAISは日本におけるケンブリッジインターナショナル普及のフラッグシップ校としての役割を期待されている。
長年LAISの教育に携わってきたジーバラニ氏だが、年齢的にも体力の衰えを感じ、教育に専念できるよう教育会社との提携を模索、最終的に、国際バカロレア一貫校のアオバを有し、東証一部に上場している株式会社ビジネス・ブレークスルーのもとで、国際教育を普及させることを決断した。アオバジャパン・インターナショナルスクールは、文部科学省IB教育推進コンソーシアムの事務局も務め、国際バカロレア(IB)の普及にも尽力、国内のIB認知度向上に一役買っている。
世界中で広がる国際カリキュラムの普及の波とともに、日本はまだ目新しいケンブリッジカリキュラムが日本でも広まるか、そして破格ともいえる授業料のインターナショナルスクールがどれだけ日本で広がりを見せるか、今回のBBT/アオバとLAISの動きは2つの意味で注目といえるだろう。
取材協力
筆者: 小野 真優(LAIS生徒会長)
担当者: サンク スージャン
英語と日本語での対応が可能です。生徒会長が頑張れば、中国語もいけます!
リトルエンジェルインターナショナルスクール(LAIS)
問い合わせ: 0422‐57‐6887
入学案内: 050-3171-8798