悩みの根源は「人手不足」と「保護者からの苦情」、 全面的に解決することは極めてまれ 保育園、幼稚園等未就学施設の運営者へのアンケート結果から
有限会社エンカツ社( https://www.enkatsu.jp/ 所在地:東京都大田区、代表取締役社長:宇於崎 裕美、以下 宇於崎)は保育の安全教育・研究センター( https://daycaresafety.org/ )の掛札 逸美氏の協力の下、保育園や幼稚園等の未就学児施設運営者の「悩み」の実態についてのアンケート調査をオンラインで実施しました。
対象者はオンライン「クライシス予防と対応策セミナー」( https://www.atpress.ne.jp/news/370203 )に参加している全国の施設運営者24名、調査機関は2023年12月28日~2024年1月7日、有効回答数13件です。
アンケート結果について
本アンケートの結果、「よくある悩み」の第1位は「職員に関すること」(61%)で、第2位の「保護者対応に関すること」(23%)を大きく上回りました。一方、「最近直面した大きな悩み」の第1位は「保護者対応に関すること」で過半数(54%)を占めました。「職員に関すること」は第2位(38%)でした。いずれにしても、施設運営者が頭を悩ます二大要因が「職員」と「保護者」であることが明確になりました。
自由回答の書き込みを見ると、職員に関する悩みの多くが「人手不足」に起因していることがわかります。「保育士が足りないのに延長保育の子どもは増える一方で、早番や遅番の回数を増やして対応している」、「職員確保と職員育成が課題」、「ここ数年の大きな苦労や困難を思い返せば、やはり職員についてのものが主。すべて職員間のいざこざが発端。問題が起こる前に日頃のコミュニケーションで把握するのは難しい。根本的な解決策、防止策は見つからない。根底には、この人手不足の中、職員に辞められたら困るという経営者の苦悩がある」といった回答が目立ちました。
保護者に関する悩みは、苦情や過剰要求についてでした。園児同士のけんかなどのトラブルが起きたとき、「(園の)保育方針がよくない」、「この園はやられたらやり返すということを許すんですか?」、「どういうことか!」と、保護者の怒りの矛先が保育士に向けられたケースも報告されました。さらに「精神的に困難を抱える保護者の対応」についての「悩みを相談する公の機関がない」という嘆きの声も聞かれました。
さまざまな悩みに対し全回答者が相談相手は「いる」とし、その相手は、「自園(法人)関係者、園職員」、「同業者(他園の運営者など)」や「外部の専門家」でした。しかし、相談した結果、「全面的に解消した(解決した)」との回答はわずか1件(8%)で、69%は「部分的に解消した」にとどまり、「完全に解決することはないと思う」という悲観的な意見もありました。
今回のアンケートにより、未就学児施設運営者が人手不足によって生じた過酷な状況で、保護者対応に苦慮していることが明らかとなりました。「保育現場において大半の先生方はしっかり働いておられる。頑張っている先生方の声をもっと知ってほしい」という切実な願いも回答者から寄せられました。これらのことからエンカツ社 宇於崎は、「保育園や幼稚園の運営者や現場職員の状況が広く世間で理解され、保護者との間でより前向きな協力関係が築かれることが、健全な保育環境には必要不可欠」だと考えます。