インフラ機器向け ZCL(TM)ホールIC「S-576Z Rシリーズ」発売

極寒 -50℃での動作保証 表面実装タイプ ブラシレスDCモータ用では業界唯一 5G基地局アンテナなど屋外設置に最適

エイブリック株式会社(代表取締役社長:石合信正、本社:東京都港区、以下「ABLIC」)は、本日、インフラ機器向けホールIC「S-576Z Rシリーズ」の販売を開始しました。
「S-576Z Rシリーズ」は、これまで発表した一般民生機器向け製品「S-576Zシリーズ」、車載用製品「S-57TZシリーズ」に続き、2018年10月に発表した「世界初(※1)の革新的検知方式を採用したZCL(TM)(※2)ホールIC(磁気センサ)」のインフラ機器向け製品です。

昨年より諸外国でスタートし、日本でも今年に入り大手通信キャリアより順次スタートしている、5G携帯電話サービスの拡大に伴い、携帯電話基地局の整備、アンテナの増設および更新などが進んでいます。こうした基地局のアンテナを駆動するブラシレスDCモータなどのインフラ機器は、屋外の過酷な環境下での設置も珍しくない一方で、通信インフラとして極めて安定的に動作することが求められます。
本日発売した新製品「S-576Z Rシリーズ」は、先にABLICが発売した一般産業機器向けホールICの動作温度範囲を大幅に拡張させ、ー50℃の極寒の地やモータが灼熱の直射日光にさらされ、ホールICの周囲温度が150℃に達する恐れのあるような過酷な自然環境下でも安定して動作することが可能で、特に、極寒地では達しうるー50℃まで動作保証された表面実装タイプのブラシレスDCモータ用ホールICは業界唯一(※3)と言えます。
さらに、従来はブラシレスDCモータに使用される磁石が温度変化に伴って、磁束密度が変化し、このことがセンサの出力信号のタイミングにばらつきをもたらす、といった課題もありました。「S-576Z Rシリーズ」は、ABLICが開発したZCL(TM)検知技術を採用することにより、出力信号のタイミング変化を最小限に抑えることが可能となり、より一層安定したDCモータの制御を実現します。

(※1) 2020年5月現在、当社調べによる
(※2) ZCL = “Zero Crossing Latch” の略
(※3) 2020年5月現在、当社調べによる

主な特長

1.極寒温度から超高温まで対応する幅広い動作温度範囲

  • 産業機器向けホールICの動作温度範囲(ー40℃から+85℃または+125℃)を大幅に拡張し、−50℃から+150℃まで動作可能
  1. 片極検知、交番検知ではない革新的な検知方式を採用した、ZCL(TM)ホールIC
  • ブラシレスDCモータを設計する上での様々な公差計算の負担を軽減
    ブラシレスDCモータの製造工程で実施しているキャリブレーション作業負担を軽減
  1. モータで使用されることを考慮した各種特性
  • モータの回転開始、停止時に発生する電源電圧変動においても安定したセンサ信号出力を約束する幅広い動作電圧範囲
  • モータ設置時、組立時の過酷な環境に耐えうる高い静電気耐性
  • センサ信号出力の立ち上がり、立ち下がり遅延時間差を短縮する最適な内蔵プルアップ抵抗(オプションにより選択可能)

主な仕様

・極検知: ZCL検知
・動作温度範囲: Ta = −50°C ~ +150°C
・電源電圧範囲: VDD = 2.7 V ~ 26.0 V
・出力論理1: S極検知時VOUT = "L", S極検知時VOUT = "H"
・出力形態
1: Nchオープンドレイン出力, Nchドライバ + 内蔵プルアップ抵抗 (1.2 kΩ typ.)
・ゼロクロスラッチ点: BZ = 0.0 mT
・チョッピング周波数: fC = 500 kHz
・出力遅延時間: tD = 8.0 μs
・出力電流制限回路内蔵

用途例

  • 屋外設置インフラ機器 (携帯電話基地局アンテナ、屋外設置電動バルブアクチュエータ)
  • 可動式監視カメラ、低温冷凍庫用ファン、電動スノーモービル、雪上車
    など

ZCL(TM)技術メリットのご紹介

S-576Z Rシリーズ製品詳細

Webサイト

エイブリック株式会社は、2020年4月30日付でミネベアミツミ株式会社の100%子会社となりました。

S-576Z R シリーズ
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