NTTデータ関西、生活保護ケースワーカーの支援システム 「さぽとも」を提供開始
~残業を減らし、ケースワーカーのコツを伝授~
株式会社NTTデータ関西(以下、NTTデータ関西)は、生活保護ケースワーカー支援システム「さぽとも」を2023年1月から提供開始します。
「さぽとも」は、ケースワーカーが、生活保護受給申請者へ訪問調査する際の業務をデジタル化し、業務負担の軽減とノウハウの共有を支援するサービスです。業務負担軽減に加え「さぽとも」独自のサービスとして、業務に未熟な若手ケースワーカーでも、査察指導員からのノウハウやアドバイスを場所を問わず確認でき、聞き漏れを防ぐなどの機能を備えています。また、本サービスは、行政専用のネットワーク「LGWAN-ASP」上にあるWEBアプリを使用し、タブレットにデータを連携するため、セキュアかつ安全に利用できる仕様となっています。
本サービスを利用することで、生活保護ケースワーカーは、訪問前の調査や訪問調査時に記録した情報整理等の事務負担が軽減され、本来の「人」と向き合う専門業務に時間を費やせるようになります。また、訪問時に査察指導員からのアドバイスを参照できるため、若手ケースワーカーの育成やノウハウの継承にも寄与します。
今後、本サービスを全国の自治体に提供し、フィードバックをもとに、AIによる生活保護開始判定サポート機能や文書の自動作成など、より業務に寄り添ったサポートができるよう機能のバージョンアップを重ねてまいります。
背景
昨今、生活保護支援を必要とする住民が増加し、住民のニーズも多様化している一方で、各自治体では職員は減少傾向にあり、各々の業務負担の増大が懸念されています。特に生活保護ケースワーカーは、各種保険制度・障害・自立支援など他法制度を理解し、様々な生活保護申請者の状況を鑑みて保護決定を判断するための多くのノウハウが必要になります。若手へのノウハウ継承の課題に加えて、受給者数の増加や不正受給防止などに対しても迅速かつ適切な対応が求められます。そのため、職員の膨大な業務負担と人手不足は深刻化しており、職員が働きやすい環境の整備は喫緊の課題になっています。
特に法的に期限が設けられている生活保護受給者の申請における、ケースワーカーの生活実態の訪問調査や調査結果報告の業務の負担を軽減し、滞りなく効率的に遂行できるように「さぽとも」を開発しました。
ケースワーカー支援システム「さぽとも」概要
特長
(1) 訪問時に持ち出す資料がタブレット1台に集約
訪問時に持ち出す膨大な紙資料は、印刷の手間やコストがかさんでいました。これらの資料をタブレットアプリから閲覧することで、ペーパレス化を実現し、印刷の手間を削減します。また、持ち出したファイルは内部で暗号化されており、紛失時のリスクも低減できます。
(2) 訪問後の報告書作成時間を削減
訪問調査時に手書きでメモを取る、デジタルカメラで写真を撮るなど、必要な情報が分散されてしまっておりました。これらをタブレットでの入力や写真撮影に置き換えることで、本システムで情報を一元管理できます。訪問調査後にメモをデータ入力する手間がなくなり、報告書作成や印刷の時間を削減できます。
(3) 若手職員へのノウハウの共有や指導を支援
ケース記録ごとの査察指導員からの指導内容やノウハウをWEB上で記載し、訪問時に現地でタブレットに表示させることができ、生活保護受給申請者へのスムーズなヒアリングが行えます。
(4) 法制度などの情報を簡単に検索が可能
多岐にわたる法制度など業務に必要なマニュアルなどのドキュメントをシステム内に集約でき、膨大なファイルの中身をキーワードで検索でき、必要な情報を簡単に参照することができます。
(5) 安心できるセキュリティー
LGWAN-ASPは、非常にセキュアなネットワークを用いて、地方公共団体の職員様に行政事務サービスを提供するものです。LGWAN-ASPを用いることにより、セキュリティー担保と導入コストの削減を同時に実現できます。タブレットはオフラインで利用するため、持ち出し資料も外部流出の心配なく持ち出せます。
試行いただいた生活保護ケースワーカー様のアンケート結果
試行いただいた生活保護ケースワーカー様の約7割の方から、以下の作業において負担軽減が「期待できる・やや期待できる」と回答いただいています。