2025年日本建築学会奨励賞を奈良文化財研究所 目黒新悟研究員が受賞

建築分野の若手研究者にとって非常に重要な登竜門的な賞を受賞しました!

2025-04-21 17:00

 この度、奈良文化財研究所の目黒新悟研究員が、2025年日本建築学会奨励賞を受賞いたしました。この賞は、建築分野の若手研究者にとって非常に重要な登竜門的な賞であり、当所研究員の受賞をここに誇らかに発表いたします。

受賞者名

目黒 新悟(文化遺産部 建造物遺構研究室 兼 都城発掘調査部 飛鳥・藤原地区考古第一研究室 研究員)
https://www.nabunken.go.jp/org/staff/meguroshingo.html

受賞内容

2025年日本建築学会奨励賞(会員により近年中に発表された独創性・萌芽性・将来性のある建築に関する優れた論文等の業績)
詳細 https://www.aij.or.jp/2025/2025prize.html

受賞業績

目黒新悟、那須聖、黒野弘靖「越後大工・五代小黒杢右衛門が造営した建物にみられる軒まわり構法の特徴と変遷」『日本建築学会計画系論文集』88(812)、pp.2693-2704、2023.10
DOI https://doi.org/10.3130/aija.88.2693

論文の概要

 本研究は、重要文化財旧笹川家住宅居室部・表座敷(新潟市南区)の棟梁として知られる、越後大工・五代小黒杢右衛門(安政3年(1856)87歳没)が造営した建物を対象として、それらの屋根を支える構法を明らかにしたものです。
 建築史において、船枻(せがい)造と呼ばれる屋根を支える構法は、一般に民家の構法とされてきました。本研究の成果の一部として、五代小黒杢右衛門が造営した民家のほか、寺院本堂にも船枻造を確認し、これが構造と化粧(意匠)の両面で用いられたことを、構造材と化粧材の構法的な扱われ方から明らかにしました。
 私の地元である新潟県は雪深く、如何に屋根を大きく張り出しつつ丈夫に支えるかが、建物を建てる際の重要な課題であり、かつ大工の腕の見せ所となります。今回の研究を通して、江戸時代の大工・五代小黒杢右衛門による、構造と意匠に対する創意工夫を窺うことができました。
 調査にご協力頂いた皆様、ご指導頂いた先生方に、謝意を表します。(目黒新悟)

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