サイレックス・テクノロジー、 CNC工作機械向けプロトコルコンバータ『FBR-100AN』をリリース  ~1台でスマートに工作機械の「つながる」を実現します~

サイレックス・テクノロジー株式会社(本社:京都府精華町、代表取締役社長:岡野 喜男、以下 サイレックス)は、ファナック社製CNC装置に対応した工作機械向けプロトコルコンバータ『FBR-100AN』を開発、4月8日より出荷を開始します。
『FBR-100AN』はファナック社製CNC装置から工作機械の稼働情報を収集し、製造業向けオープン通信規格「MT Connect (MTコネクト)」形式に変換、有線LAN・無線LANを通じて上位システムに転送します。これにより既に工作機械メーカ各社やシステムインテグレーターから提供されている同プロトコル対応の稼働監視システムをはじめ、さまざまな上位システムと工作機械の接続が容易になり、生産現場のIoT構築のハードルを下げ、スマートファクトリの実現をサポートします。

FBR-100AN

◆ 市場背景
グローバル化による競争の激化とともに、ドイツのIndustrie 4.0、アメリカのIndustrial Internet、中国製造2025、そして日本のSociety 5.0といった次世代工場・社会へ取り組みが強化され、工作機械のIoT化、工場全体のスマートファクトリ化の実現に向けて様々な取り組みが行われています。そのため、その中核を成す工作機械においても、これらへの対応はメーカ、ユーザとも喫緊の課題として認識されています。
しかしながら現状は、一部の先進的なユーザを除き、ネットワーク対応済みの一部の機械からの情報収集、稼働監視システムの導入の動きがようやく始まったばかりとも見られています。
さらに通信に必要な工場内のLAN環境の整備はもちろん、通信に対応しない古い機種やメーカにより異なる通信方法への対応、上位サーバとの連携など、さまざまな課題により、その進捗は捗々しくないのが現状です。
『FBR-100AN』はこれらの課題に対応することで、スマート工場の構築をサポートします。

◆ 『FBR-100AN』によるスマートファクトリ実現課題の解決
(1) 工作機械を工場ネットワークに繋ぐ
3つのLANインタフェースをサポート。独立した2つの有線LANポートを利用することで、情報系と制御系で分かれた工場内ネットワークに対応できます。また本製品は無線LAN通信機能を搭載しており、有線LAN環境整備にコストをかけることなく、機械の設置場所に影響されない柔軟なネットワーク接続を実現します。

(2) 機械の稼働情報を取り出す
世界シェア首位を占めるファナック社の工作機械用CNC装置とダイレクトに接続し機械の稼働情報を収集します。同社CNC装置を搭載した各社工作機械では有線LAN・シリアル(RS-232C)1を問わず本製品を接続し装置内のNCプログラム・PMCデータをモニタリングすることができます。また、本製品に搭載されたデジタル入力インタフェース2を利用することで、シグナルタワー経由でのみ情報を取得できる旧機種の稼働情報も取得可能です。さらに別売のSDKを使い、本製品内部に工作機械メーカ独自のアプリケーションを追加することもできます。
*1. 各社工作機械でシリアルインタフェースの電気仕様が異なる場合があります。
*2. 各社シグナルタワー情報を解釈するためのソフト機能追加が必要です。

(3) 上位システムに稼働情報を送る
米国を中心に工作機械大手メーカが採用しているオープンプロトコルMT Connect通信機能を搭載。上位システムに対し効率的に機械の稼働情報を転送できます。既に工作機械メーカおよび国内外産業システムインテグレーター各社から提供されているMT Connect対応モニタリングシステムを活用することで、一からカスタム対応することなくスマートファクトリ対応に向けた第一歩を踏み出せます。

(4) 工場内での利用と費用
本製品は通常のIT機器の利用環境と比べて過酷な工場内での利用を想定した仕様を有しており、必要な動作温度・電気主要部のサージ・絶縁・耐腐食ガス対応やIP53グレードの筐体を実現しています。これにより制御盤内へのDINレールを使った設置はもちろん盤外取付も可能で、設置場所を選ばず*3取付できます。これらを工場内の工作機械全台に取り付けられる価格でバランスよく実現することで、全台に取り付けなければ効果が出にくい工場ラインのモニタリングを迅速に実現できます。
*3. 入念なオイルミスト対応が必要となる環境では制御盤内への設置が必要です。

◆ 今後の展開
サイレックスは、これまで培ってきた『切れない無線』技術をベースに、産業機械メーカの村田機械グループ各社の経験を活かして、本製品の使いやすさの向上や各社工作機械・上位システムとのMT Connect以外の接続プロトコルの拡張を計画しています。
当社は今後も産業機械向けの製品ラインナップを充実させ、スマートファクトリへの対応で成長を図る機械メーカ様・当社ユーザ様への提案を積極的に展開していきます。
なお『FBR-100AN』は2019年4月に東京ビッグサイトで開催されるIoT/M2M展で展示予定です。

FBR-100ANの主な製品仕様

◆ 電源
・ACアダプタ(別売)およびDC12~24V

◆ 外部インタフェース
・有線LAN x2、無線LAN x1(2.4/5GHz)、RS-232C x1、デジタル入力 x3bit

◆ 搭載OSおよび内蔵ストレージ
・Linux OS / オンボード eMMC 2GB搭載

◆ 対候性
・動作温度 -20℃~50℃*4 / 防塵防水 IP53 / その他 電源部サージ・絶縁対応等

◆ 対応CNC装置
・ファナック社製CNC装置*5(リリース時:以後、順次追加を予定)

◆ 上位通信プロトコル
・MT Connect ver.1.3.1(リリース時:以後順次追加を予定)

◆ 各国認可
・日 / 米国・カナダ / 欧州(リリース時)

◆ 別売オプション
・無線LAN延長アンテナ、ケーブル
・カスタムアプリケーション開発用SDK(FBR-100AN内蔵アプリケーション用)

*4. 無線LAN非利用もしくは大容量データを無線で流し続けない場合は55℃まで対応
*5. 対応CNC装置モデル名は製品カタログ・マニュアルを参照ください。FBR-100AN 1台で最大3台までのCNC装置と接続できます。

『FBR-100AN』製品ページQRコード:

『FBR-100AN』製品ページQRコード

※記載された社名及び製品名は各社の登録商標または商標です。
※改良のため、予告なく仕様を変更することがあります。記載の仕様は2018年4月現在のものです。

サイレックス・テクノロジーについて

http://www.silex.jp/index.html?pr=190318
サイレックス・テクノロジー株式会社(本社:京都府精華町)は、機器をネットワークやワイヤレスにつなげるハードウェア・ソフトウェアの技術を核とした研究開発型企業です。
医療機器・産業機械など確実な接続性が求められる機器にもネットワークやワイヤレスのノウハウを活かした「切れない無線」を追求した製品を提案し、ビジネスの幅を広げています。品質基準を厳格に保つため、設計・開発・生産・品質保証といった一連のプロセスを「けいはんな本社」に集約しています。海外パートナーとの連携や新市場開拓、新技術の情報収集・開発などグローバルなビジネス展開のため、北米・欧州・中国・インドに拠点を設けています。

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