【コロナ感染予防にも】 毎月2000人を診療するスーパードクターが伝授する鼻うがい

【コロナ感染予防にも】 毎月2000人を診療するスーパードクターが伝授する鼻うがい
【コロナ感染予防にも】 毎月2000人を診療するスーパードクターが伝授する鼻うがい

依然として猛威を振るう新型コロナウイルス。

高齢者が新型コロナウイルスに感染した場合は、免疫が過剰に反応する「サイトカインストーム」を起こすことがあります。その結果、重症化して命に関わる肺炎などにかかるケースが増えてしまいます。

呼吸器内科の専門医であり「仁友クリニック」の医院長・杉原徳彦先生は、呼吸器科での医療では良くならない患者がいることに疑問をもち、独自の視点で、せきの診療を行っています。

著書『つらいせきが続いたら鼻の炎症を治しなさい』http://www.asa21.com/book/b458847.htmlより、新型コロナ感染症予防について、参考となるお話をご紹介します。

※以下、本文より一部抜粋

目的別の「マスク」の選び方・使い方

咳を起こしにくくするうえでも、鼻の不調をやわらげるうえでも重要なのが、鼻やのど、気管支など、空気の通り道である「気道」を乾燥させないことです。

気道に限らず、粘膜にとって乾燥は大敵です。
粘膜が乾燥したり、冷えたりすると、表面にある線毛の働きがガクンと鈍ってしまい、ウイルスや細菌などが粘膜に付着したり、体内に侵入したりすることを許してしまいます。

気道の粘膜はバリア機能をもっており、さまざまな病気の感染予防に役立っているのです。

そこで、意識したいのが、気道の粘膜の「加湿・加温」です。
とくに乾燥と冷えが厳しくなる冬は、「加湿・加温」を積極的に行うことが、気道、さらには全身の健康維持には欠かせません。

その方法はとてもシンプルで、こまめな「水分補給」と「マスクの着用」です。
冬場はこの2つを心がけるだけで、かなり粘膜を加湿・加温することができます。

ウイルスのブロック効果が強いのは不織布マスク、 次にポリウレタン製のマスク、ウイルス通過が最も多いのはガーゼマスクとなります。抗ウイルス効果には不織布マスクが一番すぐれています。

抗ウイルス効果には不織布マスクが一番すぐれている
抗ウイルス効果には不織布マスクが一番すぐれている

保湿のためのおすすめは、昔ながらの綿100%の「ガーゼのマスク」です。

いま主流になっている不織布のマスクよりも、ガーゼのマスクのほうが、保湿性や保温性の点で断然優れているからです(ただし、一晩使ったカーゼのマスクには、いろいろな雑菌が付着しています。1回使ったら洗うことを心がけましょう)。

顔にゴムがあたるのがイヤな方は、ポリウレタン製のマスクもおすすめです。
こちらもくり返し洗って使えるので、衛生的にも問題ありません。

ウイルスや花粉、ハウスダストなどをシャットダウンするには、そのためのフィルターが中に入っている不織布のマスクのほうがいいでしょう。
なので、日中、外出する際には不織布マスク使い、口腔や鼻腔の加湿・加温が最大の目的である睡眠中はガーゼやポリウレタンのマスクを用いる、という具合に使い分けるとよいと思います。

自覚がなくとも鼻に炎症を疑おう

ぜんそくやせきに悩まされている方のなかには、「鼻に異常なし」と感じている人もいるかもしれません。ですが自覚がなくとも鼻に炎症がある人は少なくないと杉原先生は言います。

鼻の炎症は大きくわけると2つ。
「アレルギー性鼻炎」と「慢性副鼻腔炎」です。

アレルギー性鼻炎には、花粉などが原因の「季節性」タイプ、ハウスダストやダニなどが原因の「通年性」タイプがあります。

またもう1つの鼻の炎症である慢性副鼻腔炎。
これはウイルスや細菌などによる感染症です。

副鼻腔と呼ばれる、ほほの下にある空洞の粘膜が腫れ、炎症によって膿や鼻水が溜まります。
この膿が長く溜まることを「蓄膿症」とも呼びます。

副鼻腔炎には、「急性」と「慢性」のタイプがあります。
慢性副鼻腔炎であっても、症状が軽いと、患者さんの自覚がない場合も多く見受けられるそうです。

鼻の炎症が全身に広がる

アレルギー性鼻炎も慢性副鼻腔炎も、検査で簡単に分かります。

どんなに軽い症状であっても、杉原氏は「治療すべき」と考えています。
鼻から炎症性の物質が気管に垂れ流され、年齢を経るほど、せきぜんそくや、気管支ぜんそくのリスクが高まるからです。

意外に思われるかもしれませんが、健康な状態でも常に鼻水の一部はのど へと流れ込み、鼻やのど を保護しています。
しかし鼻に炎症があると、分泌される鼻水の量が増え、粘り気が強くなります。

これらがのど に垂れてくることで、「痰がからんでいる」ような感覚になります。
この症状を「後鼻漏(こうびろう)」と呼びます。

この後鼻漏を放置しておくと、炎症が気管支にまで広がります。

なぜなら鼻炎から生じた鼻水には、炎症性の物質が含まれているからです。
炎症性の物質がのどから流れ、気管支に影響をおよぼします。
このことは近年のさまざまな研究からも発表されています。

炎症性の物質がのどから流れ、気管支に影響をおよぼす
炎症性の物質がのどから流れ、気管支に影響をおよぼす

イラスト:杉崎アチャ

また鼻で生じた炎症性の物質は、全身にも影響をおよぼします。

鼻の粘膜を通じて血液などに吸収され、それが血流に乗って体のさまざまな器官に影響を与えるのです。
一例を挙げれば、頭痛、肩こり、逆流性食道炎、腹部膨満感、睡眠時無呼吸症候群、慢性閉塞性肺疾患(COPD)……はては、リウマチやがん、うつなどを発症する危険性が挙げられます。

「鼻うがい」でウイルス・細菌も除去できる!

軽い副鼻腔炎の人の場合、鼻うがいだけで治るケースもあります。

そのため、妊娠中など、薬物治療を避けたほうがいい場合などで、症状の軽い患者さんの場合、食塩水による鼻うがいだけで治していただく場合もあります。

鼻うがいで副鼻腔炎の症状がやわらぐのは、1%の食塩水で鼻腔や咽頭あたりを洗うことで、炎症性の物質が薄まるからです。
その結果、副鼻腔炎で生じやすいネバネバした鼻水がすっきりしたり、後鼻漏をあまり感じなくなったり、といったことが起こるのです。

気管支等に流れ込む炎症性の物質が薄められることで、炎症の悪化を抑え、ぜんそく等の気管支や肺に関連する疾患の症状も、やわらげることができます。

そのほか、アレルギーの原因物質やウイルス・細菌なども除去することができ、アレルギー性鼻炎やぜんそくの症状の予防にもつながります。

鼻炎を治す「鼻うがい」の手順

鼻炎を治す「鼻うがい」の手順①
鼻炎を治す「鼻うがい」の手順①
鼻炎を治す「鼻うがい」の手順②③
鼻炎を治す「鼻うがい」の手順②③

イラスト:杉崎アチャ

気軽に使えるスプレーの「鼻うがい」も

気軽に使えるスプレーの「鼻うがい」も
気軽に使えるスプレーの「鼻うがい」も

イラスト:杉崎アチャ

病院での治療に比べて「鼻うがい」は手軽で簡単です。
しかも効果は高いとお得なことだらけ。

これを習慣化したところ、ネバネバした鼻水がスッキリした、などと効果を実感している人が多いそうです。

本書『つらいせきが続いたら鼻の炎症を治しなさい』http://www.asa21.com/book/b458847.htmlには、日本全国から訪れる毎月2000人以上の患者を治療する、ぜんそく・せきの専門家が最短で治す方法がたくさん記してありますので、実践してみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

杉原徳彦(すぎはら・なるひこ)

著者:杉原徳彦
著者:杉原徳彦

医療法人社団仁友会仁友クリニック院長。医学博士。専門は呼吸器内科。日本内科学会認定医、日本アレルギー学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、全日本スキー連盟アンチドーピング委員。
1967年8月13日生まれ。杉原家は江戸時代から続く医師の家系。94年、杏林大学医学部を卒業。2001年、同大学院修了。東京都立府中病院(現・東京都立多摩総合医療センター)呼吸器科勤務を経て、現職。
教科書通りの医療では良くならない患者がいることに疑問をもち、上気道と下気道の炎症に着目した独自の視点で喘息診療を行っている。仁友クリニックを設立し、喘息治療で功績を残した杉原仁彦は祖父にあたる。

書籍情報

表紙
表紙

書籍名:つらいせきが続いたら、鼻の炎症を治しなさい
著者名:杉原徳彦
刊行日:2019年8月23日
価格:1,430円(10%税込)
ページ数:224ページ
ISBN:978-4-86667-155-0
http://www.asa21.com/book/b458847.html

amazon:https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866671556/asapublcoltd-22/
楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/15960543/?l-id=search-c-item-text-01

目次

はじめに
第1章なぜ、鼻の炎症を治すと「つらい咳」がなくなるのか
第2章長引く「つらい咳」を治すさまざまな方法
第3章鼻の炎症を治すと体はこんなに変わる!
第4章せきを再発させない!セルフケアと生活習慣
おわりに


AIが記事を作成しています