~インフルエンサーに聞く、Withコロナ時代の最新美容事情~ 外出や対面機会の減少で、6割超が「メイク離れ」 一方で、可処分時間の増加で、スキンケアへの意欲はアップ 内側からより美しく...インナーケアへの興味が高まった人も約7割 注目は、毎日の飲み物にキレイをプラスした『プラスケアドリンク』
生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、このたび、新型コロナウイルス感染拡大以降、注目を集めつつある新トレンドとして、毎日の飲み物にインナーケアの要素や成分をプラスした『プラスケアドリンク』をテーマにレポートします。
1:『プラスケアドリンク』とは?
世界中を一変させた新型コロナウイルス。現在も先行き不透明な状況が続いており、生活者のマインドやライフスタイルも感染拡大前から大きく変化しています。
それは「美容」についても例外ではありません。外出機会の減少や在宅勤務の拡がりに伴い、女性たちのあいだでは「メイク離れ」が加速しています。しかし、その一方で、自宅にいる時間が増えて、お手入れにかける時間や心のゆとりが持ちやすくなったことで、「スキンケア」については注目度が上昇。特に、外出機会が減っている今だからこそ、短期的に効果を求めるようなスペシャルケアではなく、じっくりと長期的に体の内側からキレイになる「インナーケア」に取り組みたいと考える女性が増えつつあるようです。
こうした中で、いま注目を集めているのが、日常的に摂取する飲み物で「インナーケア」ができるドリンクです。これまで、「インナーケア」といえば、サプリメントや美容ドリンクなどが代表的でしたが、近年は、サプリメントなどだけでなく、野菜ジュース・飲むヨーグルト・紅茶といった、日常的に摂取する飲み物に、インナーケアの要素や成分をプラスしたドリンクがぞくぞく登場し、人気を集めつつあります。
そこで今回、トレンド総研では、このような「日常的に摂取する飲み物で、インナーケアができるドリンク」を『プラスケアドリンク』と命名し、美容インフルエンサーへのアンケートや専門家へのインタビューを通じて、その受容性について調査しました。
2:美容インフルエンサーへのアンケート結果
はじめに、20~40代の美容インフルエンサー100名を対象に、新型コロナウイルス感染拡大以降の、「インナーケア」意識や『プラスケアドリンク』に対する興味度についてアンケートをおこないました。
調査概要
・調査対象:20~40代 美容インフルエンサー女性100名(年代均等割付)
※SNSにおいて美容に関する情報を定期的に発信している方を「美容インフルエンサー」と定義
・調査期間:2020年9月11日~9月15日
・調査方法:インターネット調査
◆withコロナ時代の美容事情・・・「メイク離れ」が進む一方で、「スキンケア意識」はアップ!
まず、「新型コロナウイルスの感染拡大以降(今年3月以降)、美容に関する時間の使い方に変化はありましたか?」と聞いたところ、実に91%が「変化があった」と回答。そこで、「メイク」と「スキンケア」、それぞれにかける時間がどのように変化したのかについて質問すると、以下のような結果になりました。
「メイクにかける時間」
1位:「減った」(64%)、2位:「変わらない」(24%)、3位:「増えた」(12%)
「スキンケアにかける時間」
1位:「増えた」(52%)、2位:「変わらない」(35%)、3位:「減った」(13%)
「メイクにかける時間」については6割超が「減った」と回答しており、女性たちの「メイク離れ」の実態が浮き彫りに。具体的な声としては、
・「マスクをするので、目元のメイク以外はしなくなった」(22歳)
・「在宅勤務の日はノーメイクで過ごすようになった」(33歳)
・「外出する機会がないため、季節に合わせたメイクアイテムなどを買わなくなった」(31歳)
などの声があがっています。
その一方で、「スキンケアにかける時間」は「増えた」(52%)という回答が最多に。こちらに対しては、
・「在宅勤務になり、通勤時間がなくなったぶん、スキンケアにかける時間がとりやすくなった」(33歳)
・「家にいる時間が長いため、すっぴんの状態で鏡を見る時間が増え、肌の状態を気にするようになった」(28歳)
・「マスクによる肌荒れが気になり、スキンケアに時間をかけるようになった」(30歳)
といった声が集まりました。
そこで、あらためて「新型コロナウイルスの感染拡大以降、スキンケアに対する意識・意欲はあがりましたか?」と聞いたところ、実に81%が「あがった」と回答。メイク離れが進む一方で、「スキンケア意識」についてはアップしている女性が多いようです。
◆カラダの内側からキレイに! 「インナーケア」への興味が高まった人も約7割に
さらに、新型コロナウイルスの感染拡大以降は、「インナーケア」への意識が高まった人も多いようで、コスメでのケア(外側からのケア)だけでなく「インナーケア(内側からのケア)への興味が高まった」人が約7割(68%)に。また、コロナ以降、「飲み物・食べ物に気をつかうようになった」人は65%、「新しいインナーケアにチャレンジした」人も62%にのぼっています。
また、「生活の中にインナーケアを取り入れるうえで重要だと思うポイント」について聞いた質問では、「無理のない方法をみつけ、継続させること」(44歳)、「自分の挑戦しやすいものから取り入れ、長く続けること」(27歳)など、「継続する方法を見つけることが重要」という声が多くあがりました。
◆約8割の美容インフルエンサーが、日常の飲み物でインナーケアができる『プラスケアドリンク』に興味
そこで、こうした背景をふまえて、日常的に摂取する飲み物でインナーケアができる『プラスケアドリンク』への興味度を質問。野菜ジュース、飲むヨーグルト、紅茶、コーヒーなどの「日常的なドリンク」に、美容効果(保湿効果・美白効果など)がプラスされた『プラスケアドリンク』をどのように思うかを聞いたところ、「インナーケアとして取り入れやすいと思う」と答えた人が80%に。また、サプリメントや美容ドリンクと比べても、『プラスケアドリンク』のほうが「続けやすいと思う」人が63%、「健康的だと思う」人が61%にのぼっています。さらに、すでに『プラスケアドリンク』を「飲んだことがある」人も58%と約6割にのぼりました。
そこで、あらためて、『プラスケアドリンク』を「飲んでみたい(または今後も飲み続けたい)と思いますか?」と聞いたところ、実に約8割(79%)が「そう思う」と回答。その理由としては、
・「毎朝飲んでるジュースやヨーグルトで摂取できるなら、継続がしやすいと思う」(37歳)
・「いつも飲んでいるものであれば忘れず継続できそう」(28歳)
などの声があがっています。
3:専門家に聞く、『プラスケアドリンク』に注目が集まる背景
さらに今回は、『プラスケアドリンク』に注目が集まる背景について、美容家の飯塚美香さんにお話をうかがいました。
専門家プロフィール
飯塚 美香(いいつか・みか)/ 美容家
有限会社アイアール代表取締役。美容コミュニティサイト「キレイナビ」を運営するほか、長年培ってきた美容の知識を生かし、WEBライターや美容イベントの講師としても活躍。外側だけでなく体の中からの健康的な美しさを追求し、さまざまな情報を発信している。また、「スキンケアマイスター」をはじめとした美容関連の資格も多数保有。
◆コロナ「前」と「後」で、女性たちの美容意識には大きな変化が!
現在、新型コロナウイルスの感染拡大により、女性のメイク離れが起きています。中でも大きな要因となっているのが、テレワークの導入。仕事がある日でも、自宅ですっぴんのまま過ごすようになったという人は多いのではないでしょうか。さらに、外出時のマスクが当たり前になったこともメイク離れの一因に。しっかりメイクをしても顔の半分は隠れてしまうため、最初からノーメイクや以前より薄いメイクで済ませる人が増えています。
一方で、スキンケアにかける時間は、「以前と変わらない」、それどころか「以前よりも増えた」という女性が目立ちます。おうち時間が増えて、お手入れにかける余裕が生まれたことで、以前よりも丁寧にスキンケアやスペシャルケアを行うようになった人が多いようです。
◆コロナ以降は「インナーケア」がトレンドに! 美容家も注目する『プラスケアドリンク』
さらに、コロナ以降は外出自粛により自炊の機会が多くなったことで、外側からのケアだけでなく、体の中からのインナーケアに取り組む人も増えているようです。オーガニックの安全な食材を使った料理を自炊したり、免疫力アップを狙った菌活料理を作ったり、栄養バランスを考えた食事で体調を整えたり…。ヘルシーなミールキットなどの宅配サービスも注目を集めています。
そして、食事だけでなく、手軽に飲める『プラスケアドリンク』も人気に。スーパーやコンビニのドリンクコーナーでは、野菜ジュース、飲むヨーグルト、紅茶など、すでにさまざまな『プラスケアドリンク』が販売されています。朝食やティータイムなどの日常シーンで「飲むだけ」で簡単にインナーケアができるので、サプリメントのように飲み忘れることもなく生活の中に取り入れやすいアイテムであると言えるでしょう。
また、これまでは、インナーケアといえば、サプリメントや美容ドリンクが一般的でしたが、近年は「より自然に近いもの」、「ナチュラルなもの」を好む人が増えています。できるだけ人工的なものではなく、食品や飲料から必要な成分をとりたいという志向が広がりを見せているのも、『プラスケアドリンク』の後押しとなっていると言えるのではないでしょうか。