バクスター、より良い腎臓病ケアの実現へ尽力 2022年世界腎臓デーにあたり決意を新たに
バクスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:ダニー・リスバーグ。以下「バクスター」)は、2022年3月10日の世界腎臓デーにあたり、慢性腎臓病(CKD)、末期腎不全(ESKD)(以下「腎臓病」)の予防と管理、そして治療へのアクセス向上の啓発をさらに推進する決意を新たにし、より一層の力を注いでまいります。
● 2022年3月10日は、世界腎臓デー「Bridge the knowledge gaps to better kidney care(知識のギャップを埋め、より良い腎臓ケアにつなげよう)(*1)」です。
● すべての人々の腎臓の健康を願い、腎臓病と共に暮らす人々の健やかな生活を応援するとともに、年々増加する腎臓病の患者さんが治療選択肢について理解を深め、ご家族や医療従事者の方々とのより良いコミュニケーションにつながるよう支援していきます。
バクスターは、透析療法の世界的なパイオニアである米・バクスターインターナショナルインクの日本法人として、透析関連製品の開発・製造・販売・サービスなどの事業を通じ、長年にわたって腎臓病患者さんの生活の質向上に向けて尽力しています。加えて近年では、腎臓ケアの啓発活動として腎臓病の治療選択肢などをテーマとした専門家による市民公開講座を開催するほか、2021年11月には患者さんやご家族、介護者の方向けの情報ウェブサイト『いっしょに考える腎臓病( https://jp.mykidneyjourney.com/ )』を立ち上げるなど、腎臓病患者さんの健やかな生活を応援し、腎代替療法の選択を行う際の満足度向上や不安の軽減に貢献するための情報提供にも積極的に取り組んでいます。さらに、医療従事者を介した情報提供の際にもお役立ていただける資料の開発や教育機会の提供にも注力しています。
「Bridge the knowledge gaps to better kidney care(知識のギャップを埋め、より良い腎臓ケアにつなげよう)」をテーマとする2022年3月10日の世界腎臓デーを迎えるにあたり、バクスターは「患者さんの生命を守る」というミッションのもと、2022年も製品事業に並行して啓発活動の取り組みも一層強化し、患者さんやご家族、医療従事者の方々にとってより良い腎臓ケアの実現に貢献してまいります。
世界腎臓デーについて
腎臓病治療の大切さを広く認知してもらうことを目的に、2006年に腎臓財団国際連合(IFKF)と国際腎臓学会(ISN)によって、毎年3月の第二木曜日が「世界腎臓デー」と定められました。
公式サイト: http://www.worldkidneyday.org/ (*1)。
大切な臓器である腎臓
腎臓には、体の中の老廃物を除去し、体の水分や塩分のバランスを一定に保つといった働きのほかに、血圧のコントロールや赤血球の造血、骨の健康を維持するといった人々が生きていくための大切な役割を担っています。その腎臓に障害がある、または、腎臓機能の低下が3か月以上続くと、腎臓が機能を徐々に失っていく病気「慢性腎臓病」と呼ばれる状態になります。さらに、慢性腎臓病があると、心筋梗塞、心不全、脳卒中など、心血管病を発症するリスクが高まるとも言われます。そして腎臓の機能が15%以下になると、血液透析、腹膜透析、腎移植といった腎代替療法の検討が必要となる末期腎不全の状態となります。慢性腎臓病は、進行すると自然に元に戻ることはなく、初期には自覚症状が少ないため、気が付かないまま病状が進行してしまう場合も多いのが特徴です。そのため、腎臓病を防ぐために、一人ひとりが健康診断などを通じて高血圧や糖尿病の兆候およびeGFR(糸球体濾過量)などを把握し、自分の腎臓の状態を知ることが大切です。また、もし腎臓病と診断された場合には、状態に適した治療を受けること、そして必要な栄養素を採りながら適切な食事管理を行うことを通じて病気の進行を遅らせることが極めて重要です(*2)。
年々増加する日本の腎臓病患者さんの現状
毎年、腎臓病に関連する死亡率は増加し続けており、世界でも2040年までに5番目に多い死因になると懸念されています(*3)。また、日本でも慢性腎臓病患者さんは、成人の約8人に1人いるとされています(*4)。さらに慢性腎臓病が進行し、末期腎不全となる患者さんは年々増加傾向にあり、2016年以降は毎年4万人を超える患者さんが新規に透析導入を行い(*5)、2019年には100万人あたりの透析人口は2,693人、世界2位(*6)という数に到達しています。
腎臓病の治療選択において重要な患者さんと医療従事者間のコミュニケーション
末期腎不全が進行した際に必要となる腎代替療法選択は、治療の医学的な長所や短所だけでなく、趣味(たとえば、旅行に行くことなど)や家族・介護者のサポートなどについて医師や医療スタッフと相談し、余裕をもって治療法を選択することが重要だと言われています(*7)。さらに、患者さん自身としても半数を超える方々が、腎代替療法が必要となった場合には、「医療従事者と相談して一緒に決めたい」、4人に1人の方が「医療従事者の説明を聞いて自分で決めたい」と考えており、ご自身の治療に関与したい意向をもつ割合は8割を超えていることがNPO法人腎臓サポート協会による慢性腎臓病患者さんのアンケートから判明しています(*8)。患者さんが十分な治療選択肢に関する情報を得て、医療スタッフと患者さん・ご家族がチームとなり、どの治療が今の自分に合っているのかを一緒に考えること(共同意思決定)が満足度の高い治療生活をおくっていくためには重要です(*9)。
バクスター株式会社について
バクスター株式会社は世界的なヘルスケアカンパニー、米バクスターインターナショナルインクの日本法人です。2019年、日本法人設立50周年を迎えた当社は腹膜透析、血液透析に関わる透析製品事業分野、吸入麻酔薬や急性血液浄化治療をはじめとするホスピタルプロダクト事業分野、局所止血材や癒着防止吸収性バリアを中心としたアドバンスサージェリー事業分野を軸に医薬品、医療機器のリーディングカンパニーとして、イノベーティブな製品とサービスを提供し、日本の医療現場に貢献して参ります。
https://www.baxter.co.jp
バクスターインターナショナルインクについて
日々、数百万もの患者さんおよびケアを提供する方々、そして医療従事者が患者さんの自宅、病院、クリニックや医療を提供される場所でバクスターの業界をリードする診断、クリティカルケア、腎臓領域、栄養領域そして病院および手術に用いられる製品をはじめとしたポートフォリオを信頼し、使用しています。当社は、90年以上の長きにわたり、患者さんの生命を守るイノベーションとそれを実現する医療従事者が交わる重要な領域において事業を行っています。世界中でバクスター従業員は、100カ国以上で使用されている製品、デジタルヘルスソリューションそして治療法により、医療を飛躍的に進展させてきた豊かな伝統を礎に、次世代の革新的なヘルスケアイノベーションを推進しています。詳しくは https://www.baxter.com/ をご覧ください。また、Twitter( https://twitter.com/baxter_intl )、LinkedIn( https://www.linkedin.com/company/baxter-healthcare/ )、Facebook( https://www.facebook.com/BaxterInternationalInc/ )でも発信しています。
バクスターインターナショナルインクは、世界腎臓デーのグローバルサポーターとして、腎臓病の予防や治療に関わる啓発活動、医療従事者の教育などを進めています。2020年より欧州、アジア太平洋地域や南北アメリカ地域の腎臓病学会や患者団体などが参加するInternational Roundtable for Home Dialysis(在宅透析に関する国際円卓会議)をスポンサーしており、同円卓会議では腎臓病患者さんの新型コロナウイルス感染症への脆弱性に鑑み、在宅透析へのアクセス向上は急務であるとし、普及に向けた知見を国や地域を越えて共有していくこと、各国政策策定者に対して共有していくことなどのコンセンサスを確立し、さらなる在宅透析の普及に向けた議論が推進されています(*10)。
(*1) 日本腎臓病協会ウェブサイト https://j-ka.or.jp/ckd/vocabulary.php
(*2) いっしょに考える腎臓病 https://jp.mykidneyjourney.com/
日本透析医学会統計調査委員会:図説 わが国の慢性透析療法の現況(2020年12月31日現在)。
(*3) International Society of Nephrology (ISN) と International Federation of Kidney Foundations (IFKF)による世界腎臓デーサイト https://www.worldkidneyday.org/2022-campaign/2022-wkd-theme/
(*4) 日本腎臓学会 CKD診療ガイド2012
(*5)日本透析医会 わが国の慢性透析療法の現況 2020年末の慢性透析患者に関する集計 日本透析医学会ホームページ:わが国の慢性透析医療の現況 https://www.jsdt.or.jp/
(*6) The United States Renal Data System (USRDS)Annual Data Report2021
Trends in the prevalence of dialysis (per million population/year), unadjusted, by country/region, 2009-2019
(*7) 腎代替療法選択ガイド 2020 第一章腎代替療法の選択Q5のA https://cdn.jsn.or.jp/data/rrt_guide_2020.pdf
(*8) 腎臓サポート協会2019年会員アンケートの結果 https://www.kidneydirections.ne.jp/wp-content/themes/kidney-web/pdf/report/report_result_2019.pdf
(*9) 腎臓病SDM推進協会 The Japan Shared Decision Making Collaborative for Chronic Kidney Disease (ckdsdm.jp)
(*10) Kidney Med. 2021 May 25;3(4):635-643. doi: 10.1016/j.xkme.2021.04.004. eCollection Jul-Aug 2021.