代表的な施術を徹底比較 それぞれの特徴とリスク

女性らしさの象徴ともいえる、ふっくらとした柔らかなバスト。南クリニックにも豊胸術をご希望の方が多くいらっしゃいます。

一言で豊胸術といってもいくつかの種類があり、患者様のご要望や体型によって最適な術法は異なりますが、皆さんはその違いをご存じですか? ここでは手術後、後悔しないために理解しておきたい豊胸術の種類と特徴、リスクなどについて詳しくお話ししていきます。

多くのクリニックで行われている 3 つの豊胸術

現在、多くのクリニックで実施されているのは以下の豊胸術です。

①ヒアルロン酸注入法

②シリコンバッグ挿入法

③脂肪注入法

それぞれの術法の特徴を紹介しましょう。

①ヒアルロン酸注入法

もともと人間の体に存在する成分である安全性の高いヒアルロン酸をバストに注入する方法です。メイク感覚でできるプチ整形で使われることからも分かるように、ヒアルロン酸は次第に吸収されてなくなっていく成分。豊胸術ではヒアルロン酸分子が大きく吸収されにくいタイプを使います。

ヒアルロン酸注入法のメリット

・皮膚を切開しないでOK

・ボリュームアップだけではなく、バストの形を整えられる

・自然なバストアップが可能

・気に入らない場合、ヒアルロン酸を分解できる

注射でできるので体にメスを入れる必要はありません。施術時間は10分程度。少ない負担で短時間にバストアップできます。

注射でボリュームを出したいところにダイレクトに注入できるので、全体的なボリュームアップはもちろんのこと「谷間を作りたい」「加齢によってそげたバストの上部をふっくらさせたい」「左右の大きさのバランスを整えたい」といった細かいニーズにも対応できます。

また、施術後「もう少し大きくしたい」というときは、ヒアルロン酸を追加で注入することもできます。また、何度かに分けて注入することで少しずつバストアップさせられるため、いきなり胸が大きくなるという不自然さがないのも嬉しいポイントです。

結果が気に入らないときは「ヒアルロニダーゼ」と呼ばれる分解酵素を注入してヒアルロン酸を分解、見た目を改善させられるという点も安心ですね。「やり直しができない方法は不安」という方にイチオシです。

②シリコンバッグ挿入法の特徴

わきの下の、またはアンダーバストのラインに沿って皮膚を小さく切開し、シリコンバッグを挿入する方法。人工乳腺法と呼ばれることもあります。

効果は半永久的で一度の施術で2カップ以上のバストアップもOK。シリコンバッグにはラウンド型(丸型)とアナトミカル型(しずく型)があり、なりたいバストの形やサイズに合わせて選べます。体型を選ばないため施術例が多い方法です。

シリコンバッグの素材であるシリコンジェルのなかには、かつて有害性が指摘され抜去がすすめられたものもありました。しかし、現在では製造技術が向上し、 厚生労働省が承認しているAllergan社のNaturelleやEstablishment Labs社のモティバ(Motiva)をはじめ人気の高いシリコンバッグが登場しています。

シリコンバッグ挿入法のメリット

・痩せ型の人でも一度で2カップ以上のバストアップができる

・効果は半永久的

・見た目や手触りが自然

シリコンバッグのサイズは 数十cc刻みで用意されており、自然なバストアップから大幅なバストアップまで多様なニーズに応えることができます。痩せ型でも一度の施術でバストアップがかない、効果が半永久的に続くことを考えると、費用対効果の高い方法であるともいえるでしょう。

また、最新のシリコンバッグは手触りが柔らかく自然であることはもちろん、横たわったときに流動的に横に広がるため、不自然さがなくバレる可能性も少ないです。

③脂肪注入法の特徴

下半身やお腹など、自分の体から吸引した脂肪をバストに注入する方法です。注入した脂肪がすべて定着するわけではないので、どれだけ脂肪を定着させられるかがカギになります。

脂肪の定着率を高めるため、幹細胞を用いた方法やコンデンスリッチ・ファットといった特殊な脂肪分離法を採用することも多いです。脂肪注入法は体内に異物を入れるのに抵抗があるという方に適しています。

脂肪注入法のメリット

・定着した分の脂肪についての効果は半永久的

・自分の脂肪なのでアレルギーなど拒絶反応がない

・注入箇所を細かく調整できる

・脂肪吸引したパーツの部分痩せもできる

・触り心地、見た目が自然

脂肪注入で定着した部分は半永久的にボリュームアップさせることが可能です。もともと自分の体にある脂肪なので、アレルギー反応などを起こすおそれはありません。

注入する際は注射を使用するため、バストアップさせたい場所にダイレクトにアプローチできます。左右の大きさ調整もOKです。

この方法ではお尻や太ももや腹部など脂肪が気になる部分から、余分な脂肪を吸引し、それをバストに注入するため、部分痩せとバストアップを同時に行えメリハリボディを手に入れられます。

また、自分の脂肪を注入するため触り心地や見た目は自然。レントゲンに写りにくいのもメリットでしょう。

豊胸術の特徴を比較する

豊胸術について「いろいろな方法があるのは分かったけど、結局どれがいいの?」と考えてしまった方もいるかもしれませんね。

どの方法がベストなのかは、患者さんの体型やどのくらいバストを大きくしたいか、ダウンタイム(腫れや痛みが続く期間)をどのくらい我慢できるかなどによって違ってきます。

例えば、ヒアルロン酸注入法は注射だけで手軽にできるイメージがありますが、量を多く入れると費用もかなり高くなるため、あまりコスパがいいとはいえません。

また、脂肪注入は体内に異物を入れないという安心感がありますが、もともと痩せている人は注入するための脂肪がとれないこともあります。

コスパが良くしっかりバストアップできることを考えると、シリコンバッグ挿入法が優れているといえますが、適した方法は人それぞれ。豊胸術を選ぶときは、自分がなにを優先したいのか考えておきましょう。

それぞれの豊胸術のリスクを知る

豊胸術にはメリットだけではなく、それぞれにデメリットとリスクがあるということも知っておいてほしいポイントです。特にリスクに関しては治療を受ける前にきちんと理解しておきましょう。

ヒアルロン酸注入法のリスク

・効果の持続期間が短い

・コスパ面で劣る

・大幅なボリュームアップは不可

・注入方法や量によっては、しこりが残ることも

最大のデメリットはほかの術法と違って効果の持続期間が限られていること。ヒアルロン酸の種類による違いや個人差がありますが、効果の持続は2~3年程度。あまりコスパがいいとはいえませんね。

また、ヒアルロン酸注入では極端にバストを大きくすることはできません。ブラジャーのカップでいうと1~2カップ程度が限度。1ccもしくは10cc当たりの金額が決まっていて、たくさん入れるとシリコンバッグ挿入法と同じくらいの価格になることも。誰もが憧れるようなグラマーなバストになりたいという方には向いていません。

ヒアルロン酸注入は、どのクリニックで受けても簡単にバストアップできるように考えられがちですが、注入する位置や量を慎重に見極めなければなりません。間違った量や位置に注入されるとヒアルロン酸がかたまりになってしこりを作るおそれがあるからです。

このしこりが乳がん検査で指摘されるケースがあるというのも厄介なところ。ヒアルロン酸によるしこりだと分かっていても、検査で異常を指摘されることは精神的な負担になりますよね。

シリコンバッグ挿入法のリスク

・被膜拘縮やバッグのシワが、皮膚を通して見えるようになってくるリップリング、段差などの変形が起こることも

・乳がん検査でしこりが指摘されることも

・強い衝撃が加わると破裂するおそれがある

・マンモグラフィーが受けられない

最も多いトラブルがバストの変形です。人間の体は異物を入れられるとその周辺に膜を作る性質があります。これは自然な現象で、膜が安定していればバストは柔らかいままで問題は起こりません。

ただし、まれにこの膜が縮んで硬いしこりになってしまうことがあります。これが「被膜拘縮(ひまくこうしゅく)」あるいは「カプセル拘縮」と呼ばれる現象です。極端な例になるとまるでテニスボールのような不自然な見た目となり、痛みを伴うことも。こうなるとシリコンバッグを取り出すことも考えなければなりません。

また、シリコンバッグの外側が波打ったり、縁の部分が折れたりしてバストの形に影響する「リップリング」と呼ばれる変形や、もともとのアンダーバストのラインとシリコンバッグのアンダーラインがずれてバストに二重アゴのような段差ができるケースもあります。

バストの変形や見た目の不自然さが気になる場合、シリコンバッグをいったん取り出して入れ替えるか、別の方法で形を整えなおす必要があるでしょう。

さらにシリコンバッグは外部から大きな衝撃が加えられると破裂するおそれがあります。そのため、バストを強く圧迫するマンモグラフィーによる乳がん検査を拒否されることもある、というのもデメリットのひとつでしょう。

脂肪注入法のリスク

・痩せ型の人は吸引する脂肪が足りないことも

・脂肪吸引した箇所にも負担がかかる

・壊死した脂肪が石灰化することがある

脂肪注入ではあらかじめ吸収される量を見越して多めに注入する必要があります。痩せていて体にあまり脂肪がついていないという方は、十分にバストアップさせるだけの脂肪を吸引できません。

「太ももやお尻お腹など複数の箇所から脂肪をかき集めればいいのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、吸引する場所が多くなればなるほど体への負担も増えることに。当然、ダウンタイムも長引きます。

また、脂肪吸引は美容外科の施術のなかでも特に高い技術が必要な施術です。脂肪の取りすぎや、かたよった吸引をするとボディラインに段差やでこぼこができるおそれがあるからです。

脂肪を注入する際にも慎重さが求められます。バストをより大きくしたいからといって、むやみに多く脂肪を注入するのはNG。不適切な位置に注入すると脂肪が壊死してかたまりになる「石灰化」と呼ばれる現象を起こすことがあります。この石灰化した部分がマンモグラフィーに写り、乳がんの疑いを持たれてしまうことがあるというのも見過ごせない問題点です。

豊胸術のリスク比較・まとめ

改めてそれぞれの術法のリスクまたはデメリットを比較してみましょう。リスクとしてあげたことが必ず起こるわけではありませんが、すべての豊胸術においてリスクがゼロではないということが分かりますよね。

体内に異物を入れないですむという点では脂肪注入法が優れていますが、痩せ型の人には難しく、脂肪吸引箇所にも痛みや腫れのリスクが伴います。また、シリコンバッグ挿入法は1度で確実にバストアップできるものの、術後のダウンタイムが長く痛みが強く出やすいというデメリットが。ヒアルロン酸注入でも注入位置や量によってしこりができることがあります。

乳がん検査をはじめとした検査への影響も理解しておきたいポイントです。豊胸術が乳がんの原因になることはありませんが、しこりや石灰化があると乳がん検査で異常ありと診断されたり、正しい診断が受けられなくなったりするリスクがあります。乳がん検査をはじめ、CTスキャンやMRIを受けるときは検査前に豊胸術を受けていることを検査担当者に伝えるようにしましょう。

また、施術そのものが成功しても将来的に加齢によって体のバスト以外の部分が変化し、バストとのバランスが悪くなることも考えられます。すべてのケースで「施術を受けたらそれで終わり」というわけではなく、メンテナンスが必要となる場合もあるということも理解しておいてくださいね。

後悔をしないために考えるべきこと

残念ながら、「しこりができた」「見た目が不自然」「痛みがある」といったトラブルが起こり、豊胸術を受けたことを後悔している方は少なくありません。では、術後、後悔しないようにするためにはどんな点に注意すればいいのでしょうか。

まず注意したいのが、リスクを理解し、体型やライフスタイルに合った治療を選ぶこと。それぞれのデメリットや将来的なリスクも考え、自分の体型やライフスタイルにあった治療方法を選ぶことが後悔をしないためのポイントになります。

「とにかくたくさんヒアルロン酸を入れたい」「痩せているけれど大きいシリコンバッグを入れたい」など無理のある施術を受けると、しこりや変形が起こるリスクも高まることに。

また、学生や会社勤めをされている方は、まとまったお休みがとれる期間に施術を受けるか、ダウンタイムが短い治療を選ぶことをおすすめします。

2つ目はクリニックと医師を慎重に選ぶこと。価格の安さだけでクリニックを選ぶのはNG。高い技量はもちろん、バランスの取れた美しいバストを形成できる優れた美的センスを持つ医師の施術を受けることが大切です。また、不向きな施術や無理のある注入量などに関しては、きちんと断る医師こそが患者思いの医師であることも理解しておいてくださいね。

さらにリスクに関する不安な点や疑問点があれば、カウンセリングの際、恥ずかしがらずに確認することも大切です。こちらの質問に真摯に答えてくれるかどうかもクリニック選びの基準にしてみてくださいね。

豊胸術で気をつけるべきこと・まとめ

豊かなバストを手に入れて充実した毎日を送るためには、できるだけリスクが少ない自分にあった豊胸術を受ける必要があります。ヒアルロン酸注入のように簡単に思える施術でも、豊胸術は安易に受けるべきではありません。分からないことや不安な点があれば、カウンセリングで医師にしっかりと質問して正しい知識を身につけ、納得のいく豊胸術を受けられるようにしましょう!

南クリニック 院長:南晴洋
南クリニック 院長:南晴洋

南クリニック院長:南晴洋

京都第二赤十字病院形成外科勤務、大手美容外科院長を経て1997年 南クリニック開業。創業以来、豊胸に力を入れている。注射で豊胸を行う「成長再生豊胸」を海外の学会でも発表。


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