SRC自主調査の調査結果について  台風19号の災害情報等における事前対応に関する訪日外国人調査

株式会社サーベイリサーチセンター(本社:東京都荒川区)は、「台風19号の災害情報等における事前対応に関する訪日外国人調査」を東京タワーにおいて実施しました。

調査の背景

日本列島を縦断した台風19号では、主要空港や鉄道各社などの公共交通機関を中心として「台風情報に対しての計画運休」が本格的に実施されました。また、公共交通機関の対応に準じて多くの大規模小売店等の事業者やイベント主催者等が時間を繰り上げた閉店や中止を決めました。一方、公共放送機関では気象予警報を多言語で提供するなど、訪日外国人対策も取られました。
今回の調査は、日本人でも情報の収集と理解及びその対応が困難であった中、訪日外国人はどのように情報を収集し、どのようなことに困り、どのような行動を行ったかに視点を充て実施しております。

※過去の訪日外国人関連の災害自主調査
2019年6月27日「山形県沖地震に関する外国人調査」
2018年10月3日「台風24号における訪日外国人旅行者の避難行動に関する調査」
2018年9月14日「北海道胆振東部地震における訪日外国人旅行者の避難行動に関する調査」
2018年6月29日「大阪北部地震における訪日外国人旅行者の避難行動に関する調査」
2016年4月27日「熊本地震における訪日外国人旅行者の避難行動に関する調査」

調査の概要

主旨

本格的な公共交通機関等での「計画運休」等、事前防災対策が実施され刻々と変わる災害情報及び事前防災対策情報に訪日外国人がどのように対応したのか

調査概要

・調査地点 :東京タワー
・調査対象 :2019年10月12日時点に日本に滞在した訪日外国人旅行者
・調査方法 :外国語の話せる調査員による質問紙を用いた面接聞き取り調査
・有効回答数:182サンプル
・調査日  :2019年10月13日(日)・14日(月)

調査内容

・10月12日の時点での居場所
・台風災害を日本で受けてどのように感じたか
・事前防災対応で刻々と公共機関の停止などが決まっていくが、この状況によりどのような不便があったか
・事前防災対応で情報をどのように収受したか
・収受において宿泊施設や接触した機関は役に立ったか
・役に立った情報と役に立たなかったこと
・事前防災対応や台風で旅程が大きく変更したか
・旅程の変更はどのように実施したのか 等

◆対象者の属性

対象者の属性(1)
対象者の属性(2)

調査結果の概要

▼台風が来ることをいつ知ったか
台風上陸当日の「10月12日」以前が9割以上、大半が台風上陸前に認知
・台風が来ることを知ったタイミングは、「10月8日以前」が44.5%、「10月9日」が19.8%、「10月10日」が20.3%、「10月11日」が12.1%と大半が台風上陸前に認知していた。

台風が来ることをいつ知ったか

▼台風で旅程を変更した「日」
台風によって旅程の変更をした人は約7割、12日の計画運休前では、約3割
・台風の影響で旅程を変更した人は、「計画運休前(10月11日以前)」が31.3%、「計画運休日(10月12日)」が39.6%。その一方で、「旅程の変更はしなかった」が28.6%となっており、台風に影響されず旅程を進める人達も見られた。

台風で旅程を変更した「日」

▼台風の襲来で旅程を最も変えたきっかけ
「公共交通機関の運休」が5割近く
・台風の襲来で旅程を最も変えたきっかけは、「公共交通機関の運休など」が48.1%と最も多く、
「風や雨といった台風そのものの事象」が35.7%、「台風の情報」が32.6%、「航空便の状況など」が22.5%と続き、台風そのものの事象だけでなく、交通機関の影響や情報収集によって行動を変えていることがうかがえる。

台風の襲来で旅程を最も変えたきっかけ

▼台風が来ることを知った情報媒体
「日本のテレビやラジオで」が約5割
・台風が来ることを知った情報媒体は、「日本のテレビやラジオで」が55.5%と最も多く、「友人・知人のメールやSNS等で」が34.6%、「母国の観光情報等のWEBサイトで」が30.2%等と続いている。

台風が来ることを知った情報媒体

▼情報を得た「日本のテレビやラジオ」
「NHK」が7割近く、「NHKワールド」も約2割
・「日本のテレビやラジオ」で台風の情報を得た方に、具体的な放送局を聞いたところ、「NHK」が68.3%、「NHKワールド放送」が18.8%と続く。

情報を得た「日本のテレビやラジオ」

▼日本滞在中に災害等の情報を受け取る場合、適した「情報媒体」
「日本のテレビやラジオ」が約4割
・日本滞在中に災害等の情報を受け取るのに適した情報媒体は、「日本のテレビやラジオ」が41.2%と最も多く、「友人・知人のメールやSNS」が15.9%、「母国の観光情報等のWEBサイト」が14.3%と続き、今回の台風情報を得た情報媒体と同様の傾向を示した。

日本滞在中に災害等の情報を受け取る場合、適した「情報媒体」

▼「情報媒体」からの情報でわかりにくかったのはどのようなことか
各国の災害事情から「起こりうる事象・現象」の想起に課題
・「情報媒体」からの情報でわかりにくかったことは、「台風そのものが自国にはあまり来ないのでその状況がわからなかった」が29.1%、「台風が来てどのような状況になるのか想像ができなかった」が22.0%と、台風に慣れていない地域からの訪問者が多く来訪していることがうかがえる。また、「日本国内の「地域名称」「場所の名称」で表示されており理解できなかった」や「公共交通機関の運休情報など自国の言葉で表示されていなかった」等の課題も上位となっている。

「情報媒体」からの情報でわかりにくかったのはどのようなことか

▼直前に滞在していたホテルについて
(1)滞在していたホテルでは「災害情報の提供があったか」また「理解できたか」
「災害情報の提供があり理解できた」が約5割、「災害情報の提供は無く自分で探した」が約3割
・滞在していたホテルで「災害情報の提供があったか」また「理解できたか」は、「災害情報の提供があり理解ができた」が49.5%であった一方、「災害情報の提供は無く自分で探した」が31.3%となった。

滞在していたホテルでは「災害情報の提供があったか」また「理解できたか」

(2)滞在していたホテルで「災害情報」の説明が事前にあればスムーズに行動できたか
「できたと思う+たぶんできたと思う」が6割以上で、滞在先での情報提供が重要
・滞在していたホテルで「災害情報」の説明が事前にあればスムーズに行動できたかは、「できたと思う」が48.9%、「たぶんできたと思う」が15.9%と、6割以上が概ねできたと思うに回答している。

滞在していたホテルで「災害情報」の説明が事前にあればスムーズに行動できたか

▼台風接近時の行動
「インターネットやSNS」「テレビやラジオ」で情報収集
・台風接近時の行動は、「インターネットやSNSで情報を得ようとした」が53.8%、「テレビやラジオで台風情報を知ろうとした」が52.2%と情報収集が上位を占めた。他にも「その場で様子をみた」が34.6%、「インターネットやメール、SNSのフェイスブックやライン等で家族や友人と連絡を取りあった」が31.9%などあがっている。

台風接近時の行動

▼台風発生時に困ったこと
半数以上が「交通機関が止まった」ことに影響を受けた
・台風発生時に困ったことは「空港や交通機関が止まった」が56.0%と最も高かった。また、「すべての日程が狂い多額の負担が生じた」「今後の旅行日程がどうなるのか想定ができなかった」などの日程に関する不安や、「コンビニやスーパーで食べものや日用品を買おうとしたが、すべて売り切れていた」「言葉がわからずどこに行けばよいかわからなかった」など台風発生前や発生時の行動についても影響を受けていることがみられる。

台風発生時に困ったこと

▼公共交通機関の封鎖や運行停止の防災対策について
「計画運休」については、95.1%が「肯定的」に捉えている
・台風接近に伴い公共交通機関(空港・電車)が封鎖や運行を停止するという防災対策については、「必要だと思う」が83.0%、「まあ必要だと思う」が12.1%と合計で95.1%が肯定的に捉えている。

公共交通機関の封鎖や運行停止の防災対策について

▼災害発生時に希望する対応策
「インフォメーションセンター」のニーズは高い
・災害発生時に希望する対応は「インフォメーションセンターでの災害関連の情報提供を充実」が42.3%、「交通・飛行機の情報など説明できるインフォメーションセンターを設置」が37.9%と直接情報提供を受けることが出来る場所が求められている。また、「テレビ等で自分にわかる言語の災害・交通・避難情報を提供」が29.1%、「自分にわかる言語で書かれた避難の手引きを配付」が26.4%、「自分にわかる言語の避難誘導」が22.0%と、様々な媒体・シーンで多言語での情報提供が求められている。

災害発生時に希望する対応策

▼今回の台風のように、大きな自然災害が母国でも一般的に良くあるかどうか
各国の災害事情から「母国では経験が少ない」が約半数。
・今回の台風の様に、大きな自然災害が母国でも一般的に良くあるかどうかについては、「ほとんどない」が37.9%と最も多く、「あまりない」14.8%を含めると、約5割が経験したことがない自然災害であったことがうかがえる。

今回の台風のように、大きな自然災害が母国でも一般的に良くあるかどうか

▼母国に帰った際、今回の災害についてどのような内容を話すか
「大災害なのに大きな混乱が無かったこと」「日本人の対応の素晴らしさ」が上位
・母国に帰った際に、今回の災害について話す内容としては、「大災害なのに大きな混乱がなかったこと」が45.6%、「日本人対応の素晴らしさ」が28.6%と、災害時の日本人の対応に関するものが上位にあげられた。

母国に帰った際、今回の災害についてどのような内容を話すか

サーベイリサーチセンター会社概要

・会社名 : 株式会社サーベイリサーチセンター
・所在地 : 東京都荒川区西日暮里2丁目40番10号
・設立  : 1975(昭和50)年2月
・資本金 : 6,000万円
・年商  : 70億円(2018(平成30)年度
・代表者 : 代表取締役 藤澤 士朗、長尾 健、石川 俊之
・社員数 : 社員253名、契約スタッフ496名 合計749名(2019年3月1日現在)
・事業所 : 東京(本社)、札幌、盛岡、仙台、静岡、名古屋、大阪、岡山、
       広島、高松、福岡、熊本、那覇
・所属団体: 公益財団法人日本世論調査協会
       一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)
       日本災害情報学会
       日本災害復興学会 など
・その他 : ISO9001認証取得(2000年6月)
       プライバシーマーク付与認定(2000年12月)
       ISO20252認証取得(2010年10月)
       ISO27001認証取得 (2015年11月)※
       ※認証区分及び認証範囲:
        ・MR部及びGMR部が実施する
         インターネットリサーチサービスの企画及び提供
        ・全国ネットワーク部及び沖縄事務所が実施する
         世論・市場調査サービスの企画及び提供
・URL   : https://www.surece.co.jp

●調査結果の内容については無断転載・複製を禁じます。本文を引用される場合は、出典に「株式会社サーベイリサーチセンター」を明記してください。
●報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
●その他調査結果につきましては、当社ホームページをご覧ください。
https://www.surece.co.jp/research/

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