第一生命が保険に対するイメージを刷新するデジタルプロモーションを実施し、若年層へのアプローチに成功
第一生命保険株式会社(以下、第一生命)は、1902年、日本で創業以来、お客さま本位(お客さま第一)を経営の基本理念に据え、生命保険の提供を中心にお客さまや国民の皆様のQOL向上への貢献に努めています。
近年、「お客さまのご自宅や、お勤め先に訪問し商品の提案をする」という従来の営業環境が厳しくなっており、とりわけ、ミレニアル世代やZ世代(※1)と呼ばれる若年層とのタッチポイント(※2)をどのように深めていくかという課題を抱えています。若年層とのタッチポイント確保に向けては、スマホで簡単な手続きを経て加入することができ、若年層も必要性を感じる保険商品をデジタルの世界で販売し、保険体験を提供することによって、そのサービス価値を認識頂くことが第一歩として重要だと考えます。ミレニアル世代やZ世代とのタッチポイントを確保し、この保険体験をきっかけとして将来的に第一生命のファンになって頂き、家庭を持つなどのライフイベントに応じて、第一生命の保険商品に目を向けて頂く流れを創っていけるかという点を重視し、今回多岐に渡る施策を実施しました。
(※1)ミレニアル世代は1980年代から2000年代初頭に生まれた人に対して用いる表現。またデジタルネイティブと称される世代でもある。Z世代は、1990年代後半から2000年生まれの世代を表す。
(※2)タッチポイントとは、顧客と直に接してコミュニケーションを行うための顧客接点のこと。
施策背景
2019年8月、第一生命はスマホ完結型の ”1日から入れるレジャー保険「Snap Insurance」” (以下「Snap」)(※3)の提供を開始しました。ユーザーインタビューを実施しながら開発を進めたこのレジャー保険は、スマホで簡単に入ることができるという特徴を基盤とし、「チャット風のトーク形式で申し込み手続きを完了できる」「保険の契約内容を一緒にレジャーに行く友人とシェアすることができる」などシェアする文化が当たり前になっている若者に向けたプラスαの付加価値が生み出されています。
また、Snapの開発と並行して、「加入から保険金の請求手続きまでをデジタルで完結できる」特長を活かす観点から、若年層にアプローチできるデジタル領域のプロモーション施策を検討しました。さらに、従来の保険の「なんとなく硬い」「分かりづらい」「考えるのが面倒」といったイメージを刷新し、全く新しい商品と感じてもらえるようなプロモーションが必要だと考えていました。
そこで、アライドアーキテクツ支援のもと「コンセプトムービーの制作」、「リスティング広告やFacebook、Instagram、TwitterなどのSNS広告、YouTube広告など各種デジタル広告の出稿」、「Twitterキャンペーンの開催」という多岐に渡るデジタルプロモーションを行い、若年層への訴求を行いました。
(※3)1日から入れるレジャー保険「Snap Insurance」: https://event.dai-ichi-life.co.jp/promotion_l/snap/a01/index.html
「Snap Insurance」は、第一生命が保険募集代理店として、株式会社justInCaseの少額短期保険商品を提供するためのWEBアプリサービスである。
具体的な施策内容と成功ポイント
まず、商品の根幹を表す「コンセプトムービー」(※4)の制作では、ターゲットとなる若年層の心理を読み解き「ムチャしようぜ。」をキーコンセプトに、生活者視点を取り込みさまざまなアクティビティのシーンと前向きな音楽を動画に盛り込むことで、「若者のチャレンジを応援する1日から入れるレジャー保険」として訴求しました。ゴルフやスキー/スノーボード、サーフィンなど従来から保険のイメージのあるアクティビティだけに限らず、キャンプ、フェス、釣り、トレッキングなど、より幅広いアクティビティにも利用できる商品であることが伝わり、「自分ごと化」が促進される狙いがあります。
(※4)1日から入れるレジャー保険「Snap Insurance」コンセプトムービー:https://www.youtube.com/watch?v=flYsi7juuy8&feature=youtu.be
さらに、リスティング広告やFacebook、Instagram、TwitterなどのSNS広告、YouTube広告など各種デジタル広告に出稿し、ターゲットにあわせて細かくクリエイティブを分ける、動画・静止画両方の活用、イベントやシーズンに連動して出稿するなど、さまざまなパターンをテストしました。
Instagramのクリエイティブでは、サーフィンや釣りなど、特定の利用シーンを表現したイラストを用いたカルーセル広告の効果がよかったため、そこからサッカーやテニス、キャンプなど、利用シーンの幅を広げたパターンを追加し、ABテストを行いました。特に、「1日から入れる」という訴求は各種媒体を通じて効果が高く、「簡単かつスピーディーに加入できる」ということが若年層のニーズに刺さることが改めて浮き彫りとなりました。
また、潜在層と常に繋がることができる場としてSnap公式Twitterアカウント(@snap_insurance)を開設し、「echoes RT(エコーズ・アールティー)」を活用したTwitterキャンペーンを開催、アカウント開設から約4カ月で15,000人の方と繋がりを持つことができました。
このように、商品のターゲット心理を読み解き、最適なアプローチを多角的に実施することにより、商品の認知から顧客化(ファン化)まで最短かつ効果的に行うことができると考えられます。
ご担当者様のコメント
第一生命保険株式会社 営業企画部 福辺 浩嗣 氏、松村 光一朗 氏
※所属部署は取材当時のものです。
良い意味で既存の価値観を壊すことから、新たな未来を作っていく
今回のプロモーションでは、「どういったアプローチで、若年層が動くのか」という課題に対して、認知から商品理解、顧客化(ファン化)まで、トータルプランニングでご提案をいただき、動画制作を含めて一気通貫でご対応していただきました。「ムチャしようぜ。」というキーコンセプトは、良い意味で既存の価値観を壊しにきてくれて、それによって気づきを与えられた部分がありました。
8月にローンチして動画やアプリを見せた際の、社内の反応は非常に良かったです。特にコンセプトムービーの反応は良く、「こういうことをうちの会社でもできるのか」「これからはこういうことをやっていかなきゃいけないよね」など、ポジティブな意見が印象に残っていますし、SNS等での反響も上々です。
また、ローンチのタイミングから3か月以上経ち、認知メインでプロモーションを展開していく中で、媒体の良し悪しなども見えてきました。これからは認知してくれた方に保険の提供価値を感じていただき、当社との関係性を継続していただけるかが重要だと考えています。トライアルを重ねていく中で、相性の良い媒体を知ることができたので、媒体を絞りながらユーザーが「Snap」を体験するに至るためには、生活者の動線上でどのように接点を持つことが望ましいかを、一緒に考えていただきたいです。
今後はUGCなど、お客様の声を活用したプロモーションにもトライして、レジャー保険として、いずれは「Snap」が第一想起されるブランドに成長して欲しいと思っています。
アライドアーキテクツ株式会社 会社概要
・代表者 : 代表取締役CEO 中村壮秀
・所在地 : 東京都渋谷区恵比寿一丁目19-15 ウノサワ東急ビル4階
・URL : http://www.aainc.co.jp
・設立 : 2005年8月30日
・事業内容 : ソーシャルテクノロジーによるマーケティング支援事業
アライドアーキテクツとは
アライドアーキテクツは、ソーシャルテクノロジーによる生活者マーケティングの実現を支援します。2005年の創業時から一貫して生活者を社会の主役と位置づけ、企業とのつながりを生み出す多様なマーケティング支援サービスを開発・提供しています。累計4,000社以上への支援を経て得られた豊富な実績・知見を活用し、世界中の生活者と企業のつながりを創出しています。2012年よりグローバル展開を開始し、現在はアジアや欧米など世界に向けてサービスを提供しています。
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