第12回 地方自治体財務書類の全国比較(平成29年度決算版)  インフラ資産、不要時代へ

 日本生産性本部 自治体マネジメントセンターは7月2日、地方自治体が公表している財務書類を収集・分析し、全国の傾向を示した「第12回 地方自治体財務書類の全国比較」(平成29年度決算版)を取りまとめました。本調査は、地方自治体が他団体の状況と比較・分析することにより、財務書類の利活用を促すと同時に、自らの現状把握や今後の自治体運営に役立てることを目的としているものです。
 本調査は、全国初の大規模な全国比較を行った平成18年4月発表の第1回【平成15年度決算版】以来12回目となります。全国比較にあたっては、一般会計等の「住民一人当たり資産額」「歳入額対資産比率」「有形固定資産減価償却率」「純資産比率」「住民一人当たり行政コスト」「住民一人当たり負債額」「基礎的財政収支」「受益者負担比率」の視点から、政令市・市区・町に分けて分析を行いました。
 主な結果は以下の通りです。

第12回 地方自治体財務書類の全国比較結果(平成29年度決算版)

・地方自治体は、総務省の要請に基づき、法定の決算とは別に企業会計的な決算手法を導入している。多くの団体では平成28年度決算から新たな作成モデル(統一的な基準)を導入した。
・法定の決算と企業会計的な決算手法の大きな違いの一つは、有形固定資産を金額で把握している点にある。この点で減価償却の数値を利用すれば、有形固定資産の老朽化の程度を明らかにすることができる。有形固定資産とは、道路や橋梁、学校や図書館などのインフラ資産や公共施設を指す。
・有形固定資産の老朽化の程度を示すのが、有形固定資産減価償却率である。この指標が100%になると、耐用年数を迎えたことになる。有形固定資産減価償却率は、市区で平均59.2%、町で平均59.7%となっており、既に耐用年数の半分以上経過していることが分かった。全体として、資産の老朽化が進んできていると言える。
・加えて、有形固定資産合計は、人口と非常に強い相関があることが分かった。わが国は本格的な人口減少時代を迎えることから、インフラ資産や公共施設の取捨選択が迫られる。
・今後は、インフラ資産や公共施設の本格的な統廃合の議論が必要となる。必要と判断された資産についても、過度に老朽化することがないよう、限られた予算の中で計画的に更新していくことが求められる。

第12回 地方自治体財務書類の全国比較 調査概要(PDF)
https://www.atpress.ne.jp/releases/187527/att_187527_1.pdf

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