【ありえないレベルの地域密着】コロナ禍でも過去最高益をたたき出す、地方企業の新しいビジネスモデル
多角化経営、社員教育で成長を続ける中小企業の取り組みを紹介!
「笑顔あふれる知多半島の未来をつくる」を理念に、知多半島限定で多角的に事業を展開するエネチタは、知多半島という狭い商圏にもかかわらず、コロナ禍で多くの企業が厳しい経営を強いられている中、「過去最高益」を達成した。
そんなエネチタもかつては、「人が定着しない」、どこの地域にもある中小企業だった。
しかし、今では多くの事業で地域ナンバーワンを獲得し、「人が辞めない会社」、「入りたくてもなかなか入社できない会社」に変わっている。
なぜ、エネチタは変わることができたのか。
なぜ、地域ナンバーワンになることができたのか。
なぜ、名もなきローカル企業に就活生が注目するのか。
なぜ、コロナにも負けない強い企業体質をつくることができたのか。
そこには「地域密着」と「多角化経営」、そして「社員教育」によって黒字化を続けるエネチタの取り組みがあった。
その取り組みの一部を書籍『ここまでやるか! 地域密着のスゴい会社』(あさ出版)から紹介します!
「知多半島」に事業エリアを限定している理由
株式会社エネチタは、完全地域密着型の中小企業です。「知多半島5市5町」を事業エリアに定めています。
現在、8事業27拠点を持つまでに成長していますが、ビジネス基盤はあくまで知多半島です。
「次は、名古屋に進出しよう」とか、「愛知県全域に商圏を広げていこう」と考えたことは一度もありません。
知多半島に事業エリアを限定する理由は、おもに「2つ」です。
①生まれ育った知多半島を日本一の地域にしたいから
スポーツに興味のない人でもオリンピックでは日本人選手を応援したくなる。また、高校野球を観ると自然と自分の出身地の高校を応援したくなる。
そんなふうに人には、「地元愛」「地域愛」「郷土愛」があると思います。これは、甚大な災害があってもその地域で暮らしたいと思うような、人間としての本能であると私は考えています。
今、人口減少など日本の地方都市は元気が失われつつあります。私は、郷土である知多半島が元気をなくす姿を見たくない。
「大好きな地元に戻って、自分たち中小企業の挑戦で地元を変えていきたい」
「知多半島エリアを中小企業の力で元気にしたい」
「ローカルエリアでも、笑顔あふれる未来を実現したい」
それが、社長に就任したときの想いです。
商圏を広げるのではなく、むしろ絞り込んで、地域のニーズに応える。
「笑顔あふれる知多半島の未来をつくる」
これが、エネチタの掲げる経営理念です。
②「小さなエリアで大きなシェアを取る」ほうがお客様の満足度が上がるから
中小企業はリソース(ヒト、モノ、カネ、情報)が限られているので、「エリアを広げるのは得策ではない」と考えています。
愛知県全域にエリア(マーケット)を広げれば、移動コストがかかる上に営業効率が落ちるため、生産性は下がります。
2時間かけて移動をして、2時間仕事をして、また2時間かけて移動して、次の場所で2時間仕事をして、2時間かけて会社に戻ったとすると、タイムカード上は「10時間仕事をした」ことになります。しかし、利益につながる実働は4時間です(残りの6時間は移動時間)。
会社は、移動時間に対しても給料を支払うため、エリアが広くなれば経費がかさむ上、労働時間も長くなります。
一方、エリアを狭くすれば、数珠つなぎで移動、訪問できるため、営業を効率化できます。「近い」は、大きな戦略なのです。
また、地域を絞ってドミナント出店することで、スピード対応が可能となり、よりお客様に喜んでもらえるサービスが提供できるようになります。
「お客様の要望に対し、すぐに対応できる近さ」
これは大手にはなかなか真似ができないことでしょう。
このようなことから、私は、「会社の利益は、マーケットの広さに比例するわけではなく、シェア(マーケットシェア/市場占有率)に比例する」と考えています。
シェアを伸ばすには、「大きなエリアではなく、小さなエリアのナンバーワン」を目指すことです。
プールにインクを1000滴たらしても、色はつきにくい。ところがワイングラスなら、たった数滴インクをたらすだけで、色がつく。それと同じです。
事業エリアを狭めたほうが「エネチタ」というインクの色は濃くなります。安定したシェアを維持できれば、知多半島におけるエネチタの認知度・存在感も上がります。
続きは本書で! ↓↓↓
【書籍情報】『ここまでやるか! 地域密着のスゴい会社』
タイトル:ここまでやるか! 地域密着のスゴい会社
著者:後藤 康之 著 定価:1,650円
出版年月日:2021/12/09
ISBN:9784866673257
http://www.asa21.com/book/b593474.html
【目次】
第1章 ここまでこだわる! エネチタの地域密着
第2章 ここまで人気! エネチタの新卒採用
第3章 ここまで育つ! エネチタの人材教育
第4章 ここまで変わった! エネチタの働き方改革
第5章 ここまでやるか! エネチタのカイゼン
【著者プロフィール】
後藤康之(ごとう・やすゆき)
1997 年に大学卒業後、兵庫県の会社に就職するも1 年半後に社長であった父親が他界したため、急遽、地元系石油店の株式会社大和(現株式会社エネチタに戻
り、社会人としての経験も少ないまま、会社を継ぐことになる。その状況に危機感を抱き、休まず働き続け、独学によるトップセールスで会社を大きく成長させたが、調子に乗って事業の多角化に乗り出した結果、マネジメントの限界で倒産の危機に。その後、徹底した社員教育と地域戦略で業績を回復させ、愛知県の知多半島という限られたエリアのみに事業を絞りながらも、8 事業、27 拠点に拡大、従業員数400 名で2021 年にコロナ禍にもかかわらず過去最高益を達成し、今もなお成長を続ける。