中国の最新ビジネスニュースを配信開始!
中国のリモート視察にも対応
中国、香港、台湾のコーディネート・リサーチを行う株式会社フライメディア(東京都千代田区、代表取締役:吉田 美津江、以下弊社)は、毎週1回中国最新ビジネスニュースを自社HPで配信し始めた。
主な配信内容は、中国の最新技術で、近年デジタル化が急速にすすむ中国で最近話題となっている技術を紹介することで、何かビジネスのヒントが得られるのではないかとスタートした。
以下、最近のニュースを紹介する。
ペットボトルを衣服に…中国で進む「持続可能なファッション」
深刻な大気汚染と水質汚染が世界的な注目を集めるようになり、積極的な環境保護に乗り出した中国。北京や上海をはじめとする各地でゴミの分別回収も始まっているが、回収した資源の再利用技術の発展も進んでいる。ペットボトルなどのプラスチック資源を衣服に再利用する技術の開発もその一つだ。
■国際輸入博で「ペットボトル5本の防寒服」が注目
昨年11月に上海で開かれた第2回中国国際輸入博覧会で、米素材メーカー3Mが「ペットボトル5本を回収すると作れる防寒服」として、全てリサイクル材料で作られた環境に優しい防寒服を発表して注目を集めた。同博覧会ではほかにも各国メーカーが再生材料を用いた製品を数多く発表しており、中国を環境保護製品の重要なマーケットとして位置付ける姿勢が見られた。
新型コロナウイルスの感染が拡大する前の今年1月には、大手ECサイトの京東とコカ・コーラ中国が配達員を利用した家庭のペットボトル回収試験が行われ、現地のおよそ5万世帯が参加。回収されたペットボトルは各種再生材料となり、その一部で京東の配達員のユニフォームも作られたとのことである。
■再生材料専門のファッションブランドも登場
上海のファッションブランド「好瓶」(HowBottle)の創始者兼CEOの黄寧寧さんは、アリババでの職務を経たのち2017年にブランドを立ち上げた。回収したペットボトルからレインコート、Tシャツ、バッグ、靴など様々なファッション用品を製造している。3年間で50万本近いペットボトルを衣服や生活用品に再生し、約20トンの石油資源節約につなげたという。
■古着のリメイクによる「持続可能なファッション」も
また、使い古した衣服を再利用して生まれ変わらせる取り組みを進めるデザイナーもいる。張娜さんは2011年にRefuse、Recycle、Rebirthをコンセプトとした持続可能なファッションブランド「再造衣銀行」(Reclothing Bank)を立ち上げて10年になる。古い衣服を洗浄して切り取り、これを自らのデザインセンスを生かして繋ぎ合わせ、新しいファッショナブルな衣服を生み出すという取り組みには当初否定的な声もあったようだが、今では多くの支持者を得ている。
固定観念に捉われず、良いと思ったものはどんどん取り入れていくのが中国のスタイル。二次元コードを使用した急速なキャッシュレス化がその最たる例だが、再生材料を用いた「持続可能なファッション」の文化も今後急速に浸透していく可能性を秘めている。
介護用ロボットが、ECで手軽に買える時代がやってくる
ネットショッピング大国の中国で、迫り来る深刻な高齢化を前に各種介護用品の需要拡大が見込まれるなか、ECサイトを通じて高機能な介護用ベッドなどが手軽に購入できるようになりつつある。
■スマホやタブレット、アイコンタクトで操作可能なリハビリ機能付き介護ベッド
ECサイトの京東に出店している中国の大手ロボットメーカーの店舗では、歩行を補助するロボットや、複数の機能を搭載したスマート介護ベッドなどの製品が販売されている。スマート介護ベッドは一見すると普通のベッドだが、スマホやタブレットで操作を行うことでリハビリを手助けするスマートロボットに変身し、身体の各機能を失った、あるいは機能が弱まったお年寄りの寝起きをケアするだけでなく、背中を反らせたり、寝返りを打ったりなどのトレーニングを手伝ってくれるという。操作は音声や目の動きでも行うことができるとのことだ。
■ECでの需要増見込んでコストダウンに取り組む
また、自力だけでの歩行が難しい人向けの歩行補助ロボットは、転倒防止機能や上り坂のアシスト機能、下り坂のブレーキ機能を搭載。コンパクトに折りたたむことも可能だ。メーカーによれば、同様の製品は日本などでも発売されているものの、価格が高く中国のユーザーが購入するのは非現実的だったという。そこで、中国での使用に特化した構造を取り入れ、国内でサプライチェーンを整備することでコストを大きく下げ、低価格でネット販売できるようにしたそうである。
ECサイトでの各種介護用ロボットの販売はまだ始まったばかりで、爆発的な注文は来ていないようだが、このメーカーでは大きな潜在力を持つとみている。ECサイトという新たなチャネルで、高齢者用の介護用品、そして各種ロボット製品は消費者との距離がますます短くなる。今後この分野のEC販売が一層盛んになるとともに、さらに多種多様な製品が登場し、注目を集めることだろう。
中国不動産大手が「夢の工場」引っ提げて新エネ車に殴り込み
不動産開発大手の中国恒大集団が立ち上げた新エネルギー自動車メーカー・恒大汽車が先月、セダンからSUVまであらゆるセグメントを網羅する6車種の新車を一気に発表して注目を集めた。新規メーカーがいきなり6車種を同時発表するというのはかなり無謀なように思えるが、恒大汽車が誇る最先端の工場を見ると、その本気ぶりがうかがえる。
■全工程を全自動化、1分に1台生産を実現へ
上海と広州の2カ所に建設された恒大汽車の生産拠点では、1枚の鋼板の加工から自動車の完成まですべてがロボットの作業によって24時間体制で行われ、1分間に1台のペースで自動車を生産できるという。
プレス作業エリアでは、独シューラー製の全自動プレス生産ラインによって、鋼板があっという間に自動車ボディの形に「捏ね上げ」られるという。車体エリアでは独クーカと日本のファナックの最新技術を導入、大型のマシンアームが寸分の狂いもなくスポット溶接やリベット接合、エッジ加工、接着といった様々な作業をこなしていく。
塗装作業エリアではやはり世界最先端と言われる独DURRの塗装技術を採用。3D噴射ノズルを「手持ち」したAIロボットが、どの方向にも死角を残すことなく自動で塗料や接着剤を均一に吹き付けていく。そして、組み立てエリアでもDULLの全自動組み立てラインが完備されており、湾曲可能なマシンアームが迅速にドアや車輪などの重要部品を正確に取り付けるのだ。
■会長「3~5年で世界的な新エネ車メーカーに」
恒大集団の許家印会長は、恒大汽車の工場を視察した際「われわれは3~5年で世界的な、高い実力を持つ新エネルギー自動車グループを作り上げる。これは絶対に夢ではない」と語り、最強クラスの装備を持つ「夢の工場」に自らの自信をさらに深めたとのことである。
現在、上海、広州の両生産拠点は設備の取付けテスト段階に入っているという。2022年までに50~100万台の新エネルギー車生産能力を持つという目標に向けた動きが進んでいる。
■資金力に驚く一方、中国の製造業が抱える課題も…
門外漢の中国企業が世界一流の自動車生産設備を導入し、業界に殴り込みをかけるというのは相当なインパクトであり、中国企業の潤沢な資金力をうかがわせるトピックともいえる。一方で、導入された機械設備の大半がドイツ製か日本製であるという点に、中国の自動車産業や製造業が抱える大きな課題も見え隠れしていると言えるだろう。
リモートでの視察も可能
弊社では、中国現地とオンラインで繋ぎ、映像を通じて、現地のリモート視察も行っています。ご興味がある方は、是非お問い合わせください。
お問い合わせ先
株式会社フライメディア 担当:桃原
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