11月19日は「世界トイレデー」です。 排尿障害ってどんな病気?予防や治療法について当社専属の保健師が紹介。
セントラルメディエンス、コラム更新のお知らせ
医療従事者のマッチングや医療品の卸、医療機関のトータルサポート事業を展開する株式会社セントラルメディエンス(本社:東京都港区、代表取締役:中川隆太郎、以下「当社」)は、「世界トイレデーと排尿障害」についてご紹介するコラムを更新いたしましたのでお知らせいたします。
11月19日は世界トイレデー(World Toilet Day)です。
日本ではきれいなトイレ環境が当たり前になっており、中々実感できないかと思います。そのため、海外旅行などをすると、現地の衛生環境に戸惑う方や、不衛生な点から感染症にかかる人もいるかと思います。それだけ今の日本な清潔な環境が整っているのです。
トイレは、排尿と排便のために使用されます。そこで今回は、排尿障害についても当社専属の保健師が紹介いたします。
排便に関しては、過敏性腸症候群のコラムを以前配信しておりますので、そちらをご参考ください。
■世界トイレデーとは
発展途上国を中心に、トイレが整備されておらずに不衛生な環境下などで命を落としていることや、プライバシーが確保できないことを問題にし、2013年に国際連合により制定されました。2030年にはすべての人が安心安全にトイレを使用できるようになることを目標にしています。
●SDGsでもトイレに関する目標がある
ここ数年でよく耳にするようになったSDGsでも、「安全な水とトイレを世界中に」という項目があります。
世界ではいまだ約15億人がトイレを使用できていないと言われています。
過去20年ほどの間に、少なくとも基本的なトイレを使える人たちの割合は、少しずつ増加してきました。2000年には56%であったその割合は、2022年時点81%まで向上。しかし今なお、世界人口の19%にあたる約15億人が、排せつ物を衛生的に管理・処理できる基本的なトイレを使用できていません。
出典:日本ユニセフ 世界トイレの日プロジェクト
https://worldtoiletday.jp/
■排尿障害とは
日本ではトイレが使用できないという問題はほとんどないかと思いますが、排尿に関するトラブルを抱えている方は案外いるのではないでしょうか?その中から排尿障害についてご紹介いたします。
排尿障害は、尿がうまく出なかったり、夜中に何度もトイレに行くなど近かったり、トイレが間に合わずに漏れてしまうなどの症状に当たります。排尿障害は大きく分けて、排出障害と畜尿障害があります。
1.排出障害
①残尿
尿は腎臓で作られ、膀胱で溜められ、ある一定量(150~200ml)ほど溜ると尿意が生じて、トイレに行きたくなります。その際、尿を出しても空っぽになることはなく、50ml以下は残っていることが正常ですが、それ以上の尿が膀胱内に残っている状況を残尿と言います。尿切れの悪さもこれに当たります。
②尿閉
腎臓で作られた尿が、膀胱から排出できない状況になります。
排出障害の原因は、男性だと前立腺肥大症や排尿筋不全などがあげられます。女性の場合は前立腺が存在しないので、排尿筋不全が中心です。他にも薬物の影響や、そもそも尿道が閉塞していることもあります。尿閉の場合は、はそのままにしておくと膀胱が破裂してしまうので、導尿など人為的に尿を排出しなければなりません。
2.畜尿障害
① 尿失禁
意図せず尿を漏らしてしまう状況です。いくつか原因があり、加齢による過活動膀胱や骨盤底筋の筋力低下により起きることが多く、高齢者に関しては、それに加えて足腰が弱くなり、トイレまで間に合わないことや、認知症による失禁もあります。
② 頻尿
特に多いのは夜間頻尿や高齢者の頻尿です。過活動膀胱とも呼ばれます。多尿や骨盤底筋の低下が原因となることがあります。
■排尿障害の予防と治療について
排尿障害はいくつか原因があるので一概には言えませんが、加齢に伴う、骨盤底筋や膀胱排尿筋の低下が大きく占めることが多いです。骨盤底筋が原因の排尿障害に関しては、骨盤底筋運動を継続することで改善が見込めます。
①イラストのように肩幅くらい足を開いて横になり、両膝を立てる。
②お尻の穴を締める。その際にはお腹に力を入れない。イラストのように腰を浮かせても良いし、そのまま横になった状態でもOK。
③5~10秒お尻を強く締め、その後30秒リラックスして力を抜くことを3セットほど続けてみてください。
それ以外では、筋力をつけるには十分な栄養とたんぱく質、そして適度な運動が必要となります。
成人以上であれば、体重1㎏あたり1gのたんぱく質が必要と言われています。例えば鮭は魚の中でもたんぱく質が多いですが、鮭100gあたり、たんぱく質は20gくらいしかないとも言われています。また、たんぱく質以外の栄養も体を作るのには大事になります。食事習慣も筋力を落とさず、健康に過ごすのに重要な要因となるので、日々の食事を見直してみてください。
また、治療に関しては泌尿器科の医師の指示に従ってください。排尿障害は内容によっては、治療の内服薬や、手術もあります。尿のことで困っているようなら、1人で悩まずに、まずは病院で相談してみてください。
■まとめ
日本は衛生環境が恵まれており、トイレで困ることはほとんどありません。家にはトイレがあり、公共の場で誰でも使えるトイレが整備されています。しかしながら、世界では、トイレがなく道端で行っている人も沢山います。この「世界トイレデー」が世界のトイレ事情を考える何かしらの一因になれば幸いです。
■ 執筆 ■
富谷圭佑
とみやけいすけ
株式会社Central Medience専属保健師
一般企業で6年間営業として働き、介護職2年、
その後看護大学に入学した後に大学病院で臨床(ICU、内科)を4年経験。
現在は、当運営会社 株式会社セントラルメディエンスに入社し、専属保健師として勤務している。
株式会社Central Medience
代表者:代表取締役 中川隆太郎
所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-10-1 虎ノ門ツインビルディング EAST棟8階
事業内容:メディカルサポート、メディカルキャリア、医療経営等のソリューション提供 他
公式HP:https://centralmedience.com/