カリフォルニア・アーモンド協会、 アーモンド農園の未来に向けた590万ドルの研究投資を発表

農業技術の進化に向けて長年にわたる研究と新しい挑戦を続ける カリフォルニアのアーモンド生産農家の取り組み

※このプレスリリースは2019年12月10日に米国カリフォルニア州で発表された資料の抄訳版です。

世界最大のアーモンド生産地である米国カリフォルニア州の約7,600のアーモンド生産農家ならびに100を超える製造加工業者で組織される「カリフォルニア・アーモンド協会」(本拠地:米国カリフォルニア州モデスト)は、次世代の農業技術に関する85の独立した研究プロジェクトに590万ドルを投資すると発表しました。カリフォルニア・アーモンド協会は、1973年以来、責任ある農業技術、食の品質と安全、アーモンドが人の健康に与える影響に関する基礎知識を確立するために、研究に対し8,900万ドルを投資してきました。

カリフォルニア・アーモンド協会が2019年1月に発表した「2025年に向けたアーモンドの農園の目標(The Almond Orchard 2025 Goals)」は、カリフォルニアのアーモンド業界(アーモンド・コミュニティ)による、継続的な努力の一例です。「2025年に向けたアーモンドの農園の目標(The Almond Orchard 2025 Goals)」は、今後、これらの研究を活用し、カリフォルニアのアーモンド生産農家が高品質で安全かつ健全なアーモンド栽培について測定可能な目標を達成するために貢献いたします。また、本日あらたに発表する「2025年に向けたアーモンドの農園の目標のロードマップ」は、4つの注力分野(アーモンド栽培に使用する水のさらなる削減、アーモンド農園での廃棄物ゼロの達成、環境に配慮した病害虫管理方法の採用増、アーモンド収穫期における大気環境の改善)におけるサステイナビリティの取り組みと、業界全体の達成度を測る基準について概要をまとめています。

カリフォルニア・アーモンド協会の会長であるホリー・キングは、次のように述べています。
「カリフォルニアのアーモンド・コミュニティは、土地と地域コミュニティを尊重し、長期的視野を持って事業に取り組んでいます。当協会は今年初めに、生産物とその栽培方法を通じて人々の生活をより良くするというビジョンに沿った4つの野心的な目標(「2025年に向けたアーモンドの農園の目標」)を設定しました。この目標は、調査や研究に支えられてきた数十年にわたるアーモンド栽培の進歩に基づき設定されたもので、達成するためには、新たな技術を検証するための研究に対する投資や、新しい手法の実証結果の共有など、多大な努力や献身、リソースが必要です」

アーモンド栽培に使用する水のさらなる削減
今年の研究プロジェクトのうち10項目は水に関するもので、67万8,000ドルを投資しています。1982年以来、カリフォルニアのアーモンド農家は、灌漑効率、地下水涵養、水品質など、221の水の研究プロジェクトに810万ドルを投資してきました。その結果、1ポンドのアーモンドを栽培するために必要な水の量が過去20年間(注1)で33%も削減されています。カリフォルニアのアーモンド・コミュニティは2025年までに、この量をさらに20%削減することを目指し、取り組んでいます。

この目標の達成度は、アーモンド生産農家が作物収穫量単位当たりで使用する年間の潅漑水の量で測定されます。アーモンド農園の77%(カリフォルニアの農園全体のマイクロ潅漑利用率の平均値である42%のほぼ2倍)が効率的なマイクロ潅漑(注2)を利用しており、さらなる改善に向けた取り組みが行われています。カリフォルニア・アーモンド協会は、生産農家と協業し、潅漑の専門家によって作成された、主要な潅漑管理の実践や精度を向上させる方法について説明したロードマップ「アーモンド農園の潅漑改善に関するコンティニュアム(The Almond Irrigation Improvement Continuum)」の実現をさらに加速させることをサポートしています。

アーモンド副産物のすべてを利用することで「廃棄物ゼロ」を達成
アーンドの粒は、木に実り、果皮に保護されながら殻の中で成長します。カリフォルニアのアーモンド・コミュニティは、これらの副産物を確実に有効利用するように取り組んでいます。カリフォルニア・アーモンド協会は、1977年以来、アーモンドの副産物に関する79件の研究プロジェクトに350万ドルを投資しており、酪農飼料や家畜用敷料、発電など従来の利用法の確立に貢献してきたほか、より最適な利用法を研究しています。今年は、再生プラスティックの強化やバイオ燃料の製造など、他の分野におけるアーモンド副産物の利用法に関する13の新しい研究に60万7,000ドルを投資し、2025年までに、アーモンド副産物の全てを最適に利用し、廃棄物ゼロの達成を目指しています。

アーモンドの副産物はすでに幅広く利用されていますが、この廃棄物ゼロの目標を達成するために、以下3つの方策を通じて、主に業界の環境フットプリントの削減と、経済的および環境的な付加価値の創出に注力していきます。

1)アーモンドの木の土への再利用:収穫を終え、取り除かれたアーモンドの木の木質バイオマスを使用し、健康な土壌を作り、炭素隔離を高めることで気候変動に対処
2)カリフォルニアの酪農業界における現在の利用法以外での、殻と果皮の利用の多様化
3)木質バイオマスを廃棄する手段として用いられる野焼きの効果的な廃止

その他のイノベーションの機会
科学研究への投資は、水の持続可能性や副産物の利用以外にも、栄養素管理、大気環境、ミツバチの健康などの分野で大きな成果を上げています。例えば、アーモンドの授粉に不可欠なミツバチの安全を確保するために、農家と養蜂家が緊密に協力し、研究に基づいた最良の方法を採用しています。カリフォルニア・アーモンド協会は、さまざまな農作物(注3)の中でも、特にミツバチの健康の研究を重視しており、現在までに125のプロジェクトに投資しています。カリフォルニアのアーモンド生産農家は今年、ミツバチの健康に関する5つの新しい研究プロジェクトに33万6,000ドルを投資しました。

ホリー・キングは、次のように述べています。
「私はよく、自分たちをサーファーに似ていると考えています。サーファーはどこで波に乗ることができるかを常に戦略的に考えていますが、私たちも同じように、過去数年にわたる研究投資を通じて、最大の結果をもたらす波にどこで乗れるかについて考えています。本日発表した投資により、生産農家はアーモンドを効率的に栽培できるようになるだけでなく、将来に向けて持続可能な農業の波に確実に乗ることができるでしょう。」

カリフォルニア・アーモンド協会の研究プロジェクトは、生産したアーモンド1ポンド当たりの評価額によって資金が提供されます。第三者の研究アドバイザーとワークグループがアーモンド栽培における重要な課題を検討した後、アーモンド生産農家と加工業者で構成される委員会により、業界のニーズに戦略的に合致しているか、どのような研究成果が見込めるかなどの判断に基づいて、プロジェクトが選択されます。

カリフォルニア・アーモンド協会の46年間にも及ぶアーモンド栽培と環境に対する調査の詳細、ならびにカリフォルニアのアーモンド・コミュニティが未来の農場へと進化していく上でこの研究がどのように役立っているかについては、http://www.almonds.com/growing-good。を参照ください

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