特別展「北斎 百鬼見参」 「着衣鬼図」をはじめ北斎が鬼を描いた稀少な肉筆画3点を展示 <期間:前期 6月21日~7月24日、後期 7月26日~8月28日>
この度、すみだ北斎美術館(東京都墨田区)において開催する特別展「北斎 百鬼見参」(2022年6月21日~8月28日)にて、鬼が描かれた北斎の肉筆画3点を展示いたします。作品数が多いことで知られる北斎ですが、鬼を描いた肉筆画は作例が少なく、3点はいずれも稀少な作品といえます。
肉筆画は、修復後初公開となる「道成寺図」(すみだ北斎美術館蔵)を本展前期(6月21日~7月24日)に展示するほか、「着衣鬼図」(佐野美術館蔵)を前期、「念仏鬼図」(すみだ北斎美術館蔵)を後期(7月26日~8月28日)に展示いたします。さらに、後期には「道成寺図」の高精細複製画を展示いたします。
開催日間近のため、本展必見の肉筆画3点の展示予定とあわせ、改めてお知らせいたします。
北斎肉筆画3点の展示予定
・葛飾北斎「着衣鬼図」(佐野美術館蔵):前期(6月21日~7月24日)
・葛飾北斎「念仏鬼図」(すみだ北斎美術館蔵):後期(7月26日~8月28日)
・葛飾北斎「道成寺図」(すみだ北斎美術館蔵):前期(6月21日~7月24日)は原画、後期(7月26日~8月28日)高精細複製画を展示
●葛飾北斎「着衣鬼図」佐野美術館蔵 前期展示
[年代]嘉永元年(1848)、[材質技法・形態]紙本着色一幅
僧衣の赤鬼が、刺身の皿と徳利、数珠を前に座っています。煩悩を意味する生臭物に酒と、煩悩を打ち消す数珠のどちらをとるか悩んでいるようにも見えます。大津絵のイメージが根底にあると考えられますが、詳細な意味は不明です。右下の落款から、北斎が数え89歳のとき、門人の本間北曜(ほんまほくよう)に与えたものとわかります。
数少ない北斎の鬼を描いた肉筆画の貴重な1点であるとともに、最晩年の北斎の動静を知る上でも重要な作品です。
●葛飾北斎「念仏鬼図」すみだ北斎美術館蔵 後期展示
[年代]天保14年(1843)、[材質技法・形態]紙本着色一幅
僧衣をまとった赤鬼が、「藤娘」の大津絵を前に座っています。大津絵の定番の画題である「鬼の寒念仏」と「藤娘」を巧みに組み合わせた、北斎のユーモアが光る作品です。赤鬼は、煩悩を象徴する美しい藤娘の絵姿と、仏教の法具の鉦を前に、赤い顔をさらに赤らめつつ迷っているようにも見えます。
紙上の紹介および展覧会における一般公開は久々であり、数少ない北斎の鬼を描いた肉筆画としても注目すべき一点です。
●葛飾北斎「道成寺図」すみだ北斎美術館蔵 高精細複製画(プリマグラフィ) 後期展示
本展の目玉作品「道成寺図」を会期中いつでもお楽しみいただけるよう、今回新たに同作品の高精細複製画(プリマグラフィ)を制作、後期展示(7月26日~8月28日)にて展示いたします。
浮世絵作品は光に弱く劣化してしまいます。作品を公開しつつ後世に保存していくため、年間の展示日数を適切に管理しながら展示替えを行っています。
企画:墨田区・すみだ北斎美術館 機材協力:富士フイルム株式会社 撮影・プリマグラフィ:凸版印刷株式会社
なお、修復を終えた「道成寺図」原画は、前期展示(6月21日~7月24日)にて当館において初公開となります。
[PV]葛飾北斎「道成寺図」修復後、初公開。
動画へのリンク: https://vimeo.com/709960688
特別展「北斎 百鬼見参」開催概要
展覧会名 : 特別展「北斎 百鬼見参」
会期 : 2022年6月21日(火)~8月28日(日)※前後期で一部展示替えを予定
前期 6月21日(火)~7月24日(日)、
後期 7月26日(火)~8月28日(日)
休館日 : 毎週月曜日 ※開館:7月18日(月・祝)、休館:7月19日(火)
開館時間 : 9:30~17:30(入館は17:00まで)
主催 : 墨田区・すみだ北斎美術館
お問い合わせ: 03-6658-8936(9:30~17:30 ※休館日を除く)
公式サイト : https://hokusai-museum.jp/HyakkiKenzan/