京都の着物仕立て専門店が新着物ブランド【HAGU】を設立 4月20日(木)よりECショップにて販売開始
着物を接(は)いで作る新しい着物デザインの提案。 カジュアルライン向けの新しい和装スタイルを発信します。
主に呉服店・呉服問屋向けに着物仕立て・加工業を20年以上営んでいる株式会社ケイアイ(本社:京都市右京区西院安塚町24、代表:臼井 亜希子)は、新しい着物ブランド【HAGU】(はぐ)を設立。株式会社ケイアイでは初めてのBtoC事業となり、2023年4月20日(木)にオフィシャルECショップ【Kilu2】(キルキル)をオープンし、【HAGU】シリーズを販売します。
HAGUとは?
“HAGU(はぐ)”とは布を接ぐ(継ぐ)ということです。
着物は、通常巾40cm長さ13mほどの生地1枚から作られます。たまに、幅や長さが足りない時に「仕方なく」接ぐことがありますが、基本的に見えないように縫製することが一般的です。
【HAGU】では、あえて違う布を使っていろいろな箇所で接ぎ、その部分を見えるようにして着物のデザインの一部として仕立てています。
長年培ってきた知識と技術を生かして新しく、そして自由な着物を提案します。
きっかけ
本来、着物を仕立てるときに丈を出したり、巾を出す為に已む得なく接ぎます。それゆえ、接ぎ布は表の生地と同じものを使用することがほとんどです。なぜなら、接ぎ部分は「隠す」ことを前提としているからです。また接ぎをしてもお客様のご希望寸法に出来ないことも多々あります。
そこで私たちは考えました。
あえて違う布を使い、接ぎ部分を見せて着物のデザインの一部として仕立てたらいいのではないかと考えました。そうすれば、お客様のご希望寸法通りの着物が出来るはず。
しかし仕立て屋のこの提案はなかなか届かず否定されます。それは、これまでの着物仕立ての常識とはかけ離れており、そのような着物が無く、イメージがしにくいのではないか。それならば、“接ぎ”を利用してお洒落にかわいく仕立てた着物をたくさん作り色んな人の目に留まるようにすれば良いのではないかと。長年着物縫製に携わってきた女子スタッフたちのそんな思いから、あえていろいろな箇所を接いで新しいスタイルの着物を作ることになりました。
着物のこと
着物はサスティナブルな衣裳であり、資源を大切にするという今の常識を古来より自然に行ってきた大変優れた衣服です。何度も解いて、何度も縫ってサイズや形、色を変え祖母から孫へと引き継がれ最後はハタキや雑巾にまでなります。この素晴らしい着物は今だからこそ注目されるべき日本の伝統です。
しかし和装業界は衰退産業と言われています。着物市場は1980年代に1兆8,000億円あったが現在は2,700億円くらいまで縮小しています。小売りが減るということは仕立ての数も減少し、つまり「和裁士」の仕事が減っているということでもあります。現在はベトナムでの縫製が多くを占めていますがその数も年々減っています。この着物の「仕立て」は特殊であり、継承していくべき技術でそのためにも着物はもっと気軽に着用できるものになっていく必要があると考えています。
私たちの思い
着物は日本の伝統的な民族衣装ですが、作法やしきたりやルールなどがあり、難しいから着物を着ることを戸惑われる方は少なくないでしょう。でも、もっと自由に着物を楽しんでいただきたい。着物をファッションのひとつとして好きなものを好きなように着てほしい。
着物仕立て屋としても、【HAGU】のような自由なものづくりをして、“着る”楽しさを継ないでいきたいと考えます。
今後の展開
綿などの自分で洗濯が出来るような扱いやすい素材から商品の販売をスタートします。
将来的に新たな着物の魅力を引き出せるコーディネートのひとつとしてお客様が「接ぐ」ことを気軽に選択できるような取り組みをしたい。日本中の箪笥には多くの着物が眠っています。昔の人は小柄なので、着物の反物も幅が狭くて長さも短いものがほとんどであり、現代の人が仕立て直しをしようとしても着れないことが多いのですが、この「接ぎ」を活用することで着れなかった着物が着れるようになります。2着から1着を組み合わせて作ることも可能です。
今後はオリジナル着物の販売だけでなく、不要な古い着物を回収し新しく生まれ変わらせるような活動を行っていく予定です。
またお客様からのお仕立てのオーダーなども承れるような体制づくりも構築中です。
ECショップ【Kilu2(キルキル)】
会社概要
社名 :株式会社ケイアイ
本社所在地:京都市右京区西院安塚町24
代表取締役:臼井 亜希子