カナダのオイルサンド- 膨大な埋蔵量と原油価格の高騰が開発を促進
株式会社グローバル インフォメーションは、グローバルデータが発行した報告書「Oil Sands Industry in Canada, 2011 - Market Analysis, Competitive Landscape and Production Forecasts to 2015 (カナダのオイルサンド産業(2011年)：市場分析、競合情勢、および生産予測（-2015年）)」の販売を開始しました。
オイルサンドは、カナダの非在来型石油資源において最大の埋蔵量を誇り、長期にわたってカナダの石油・ガス産業を支えると予想されています。
カナダにおけるオイルサンドからの原油の抽出には、非在来型の抽出法が用いられます。
世界の原油価格の高騰によって、オイルサンドからの原油の抽出はコスト安となり、利益を生み出しています。
非在来型の原油抽出法は、在来型よりも高度で複雑な技術を使用するため、通常コスト高となります。
カナダでは、経済的に回収可能な石油埋蔵量の97.1%がオイルサンドとして存在しています。カナダにおいて確認された石油油埋蔵量は、約1,767億バーレルとなっています。
世界的の石油埋蔵量のうち約21%が民間企業の投資対象として認められていますが、そのうちの56%がカナダのオイルサンドに埋蔵されています。
これにより世界のE&P（炭鉱開発）企業にとって、カナダが重要な地域となり、カナダのオイルサンド産業では、合併買収（M&A）、資産取引や資本支出（capex）が活発化しています。
2010年には、カナダの石油・ガス産業の全資本支出のうち31%近くが、カナダにおけるオイルサンドに対して行なわれました。これは、カナダ北部の在来型石油・ガスへの投資に次ぐ第二位の投資金額です。
カナダのオイルサンドは、カナダ全体の2010年における原油生産量の約60%を占めています。
カナダの原油総生産量におけるオイルサンドのシェアは、2005年の48%から2010年には60%に増加しました。同国において、オイルサンドの探査活動や生産活動が急増した結果です。
2010年にはビチューメンの生産量が、アルバータ州における原油および生ビチューメンの総生産量の78%を占めました。
カナダのオイルサンド総生産量は、日量147万バーレルに近づいています。
グラフの数値は、2005年から2010年におけるカナダのオイルサンド及び在来型資源からの原油生産量の動向を示しています。
カナダの原油のほとんどは、米国に輸出されています。米国向け輸出がカナダの原油総輸出量の95%以上を占めています。
シェールガス開発の成功後、米国では、国内のシェール石油資源からの原油生産量を増加しようとしています。
米国内の原油生産量の拡大によって、米国の石油輸入量は抑制される見通しです。
カナダが原油の新しい輸出市場を開拓しない限り、この米国の動向が、カナダにおけるオイルサンド開発の成長に影響を与えるでしょう。
カナダは、外資の石油・ガス会社にオイルサンドへの投資を許可しています。アジア太平洋地域の石油・ガス会社は、先頭にたってカナダのオイルサンドプロジェクトへの参加枠を確保しています。
2011年の1月には、China Petroleum & Chemical Corp (Sinopec)が他の企業との合弁事業として、Northern Gatewayパイプラインプロジェクトに対して1億米ドルの投資を表明しました。このパイプラインはカナダのオイルサンド地域とブリティッシュコロンビアをつなぐ予定で、ブリティッシュコロンビアから、石油をアジア各国に輸送することが可能となっています。
市場調査レポート: カナダのオイルサンド産業(2011年)：市場分析、競合情勢、および生産予測（-2015年）
Oil Sands Industry in Canada, 2011 - Market Analysis, Competitive Landscape and Production Forecasts to 2015
http://www.gii.co.jp/report/gd225514-oil-sands-industry-canada-2011-market-analysis.html
出版日 2011年12月
発行: GlobalData
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