固体電解質市場- 成長、動向、予測（2023年～2028年）
株式会社グローバルインフォメーション（所在地：神奈川県川崎市、代表者：小野悟、証券コード：東証スタンダード 4171）は、市場調査レポート「固体電解質市場- 成長、動向、予測（2023年～2028年）」（Mordor Intelligence Pvt Ltd）の販売を4月18日より開始しました。
【当レポートの詳細目次】
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固体電解質市場は、予測期間中に約15%のCAGRが見込まれます。
市場は2020年にCOVID-19によってマイナスの影響を受けました。現在、市場はパンデミック前の水準に達しています。
主なハイライト
長期的には、高いエネルギー密度と長いサイクル寿命を持つエネルギー貯蔵システムに対する需要の増加などの要因が、市場を牽引すると思われます。電子機器や電気自動車の用途が拡大することで、今後数年間は固体電池や固体電解質の利用が増加すると予想されます。
一方、固体電池のコストが高いことが、予測期間中の固体電解質市場の妨げになる可能性があります。
電気自動車（EV）は、2030年までに自動車総販売台数の10～12％近くを占めると予想されています。世界各地域の政府規制や電池の技術開拓など、複数の要因がEV市場を押し上げると考えられます。さらに、業界の専門家によれば、電気自動車に使用されている既存のリチウムイオン電池技術は、今後数年間は高い価格を維持すると予想されています。さらに、リチウムイオン電池の低いエネルギー密度や限られた安全機能などの欠点は、近い将来、固体電池や固体電解質などの市場に機会を創出する可能性があります。
アジア太平洋地域は、固体電解質の需要のほとんどが中国やインドといった国々からもたらされ、市場を独占すると予想されます。
固体電解質の市場動向
薄膜電池が大きな伸びを見せる
薄膜電池は、全固体電池（ASSB）の一つで、正極と負極の間でイオンを移動させるためにリチウムリンオキシナイトライド（LiPON）などのセラミック固体電解質を利用します。
正極材にはLiCoO2、LiMn2O4、LiFePO4などの酸化リチウムが、負極材には黒鉛やLi金属などの金属材料が用いられることが多いです。
薄膜電池の用途の大半は、現在の民生用製品や医療用製品の改良に向けられています。薄膜電池は、従来のリチウムイオン電池に比べて電池の厚みが非常に薄いため、より薄型の電子機器に使用されます。
RFIDタグの配送や在庫管理、患者の不整脈を治療する心臓ペースメーカーなどの利用が増加しており、今後、固体電池や固体電解質の利用が多くなると思われます。
世界の電池需要は、2020年の185GWhから2030年には2,000GWh以上に増加すると予想されています。2020年には家電製品が普及していたにもかかわらず、スマホなどのガジェットのエネルギー容量は小さいため、ギガワット単位で見ると需要は比較的少なかっています。今回の大幅な増加は、主に交通機関の電化によるもので、2030年の電池需要の大部分は、蓄電池の総容量で占められることになります。
2022年8月、コロラド州教育省は、電池の超高速充放電を可能にする可能性のある新しいナトリウムイオン系固体電解質組成を特定しました。電気自動車、携帯電話、その他多くの用途に利用される新しい充電式電池は、NUSの研究者による画期的な発見によって一歩近づいたと言えるでしょう。
2021年11月、オランダ応用科学研究機構（TNO）からスピンオフしたオランダのスタートアップ企業LionVolt BVは、3D固体薄膜電池を開発するためにブラバント州の開発機関から400万ユーロを確保したと発表し、まずはウェアラブル製品や電気自動車への応用を見込んでいます。
上記のような点と最近の開発により、薄膜電池は予測期間中に固体電解質市場を独占すると予想されます。
アジア太平洋地域が市場を独占する可能性が高い
アジア太平洋地域は主に18ヵ国から構成されており、世界人口の59.76%を占めています。中国とインドがこの地域を支配しており、輸出入の評価額が最も高くなっています。
貿易以外では、この地域は約46億人の最も高い人口を有しています。中国とインドはこの地域で最も人口が多く、電気自動車人口も多いです。2021年の中国とインドの電気自動車は、累計で120万台を超えました。
貿易額が多いということは、RFIDの出荷台数が多く、用途が多いことを示し、人口が多いということは、心臓病や心臓ペースメーカーの植え込みの可能性が高く、EV人口が多いということは、二次電池の用途が多いことを示します。
さらに、2022年8月には、中国に本社を置くハイテク企業SVOLT Energy Technology（SVOLT）が、固体電池の開発が進んでいることを発表しました。同社は、硫化物系固体電解質を用いた20Ahのセルを初期バッチとして生産しました。
さらに、テスラは2022年2月、現地と輸出市場の需要増に対応するため、中国に2つ目の電気自動車（EV）施設を建設する計画でした。短期的には、テスラは中国での生産能力を少なくとも年間100万台まで引き上げる計画で、上海の臨港自由貿易区にある現在の生産拠点の近くに第2工場を建設する予定です。
このように、電気自動車用固体電池の市場開拓と人口増加、貿易や心臓病患者の増加により、近い将来、固体電池と固体電解質の市場は拡大すると思われます。
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