日向灘沖地震および台風10号における災害に便乗した 瓦屋根修理への悪質な訪問勧誘にご注意ください!!
2024年8月8日に日向灘沖で発生した地震と同年8月28日から9月2日に発生した台風10号の影響を受け、一般社団法人全日本瓦工事業連盟および被災地の連盟加盟の組合・連合会では、組合加盟事業所が総力をあげて屋根修復工事に取り組んで参ります。
いずれの都道府県でも瓦施工者の若年層の減少、また高齢化により事業所数も減少し、人手不足になっております。
被災されたみなさまから、屋根を修理してほしい、また、ブルーシートを屋根にかけてほしいといった、ご依頼を日々たくさんいただいております。加盟事業所としては、ご依頼をいただいたお宅から順番に修理をしておりますが、人手不足の昨今、どうしてもお時間をいただくことになり、お待たせをしまっている状況です。
また、このような災害後には、被災者の方が早く屋根の修理をしたいという切実な気持ちに乗じて、稚拙な技術での施工や、高額な請求をする訪問勧誘を行う悪質業者が被災者宅を伺うことが多数発生します。東日本大震災のような大規模地震発生時や令和元年の房総半島台風では、日常の生活への復旧を急ぎたいがゆえに、修理を悪質な業者に任せて2次被害に遭われた方が多数いらっしゃいました。そのため、瓦工事に関する高額な修理金額の訪問勧誘には注意が必要です。
被災地での悪質業者とは
瓦施工の悪質業者は、被災地の方々の家屋を訪問し、少しでも早く修理を望む被災者の方々に対し、言葉巧みに修理依頼に誘導し、修理を不正確、不誠実に行い、被災者の方々に損害を与えます。具体的には以下のようなケースが多くみられます。
- 施工不良
- 不適切な材料の使用
- 虚偽の説明
- 工事の遅延や未完成
- 不正な料金請求
- 保証やアフターサービスの欠如
なぜ瓦屋根の家屋だけが被災しているのか
台風で被災した屋根瓦が飛散する映像が災害のニュースなどとして今回も報道されていますが、被害にあった家屋はいずれも古い家屋ばかりです。
瓦は日本古来の屋根材として、たくさんの日本家屋で葺かれ、日本の家屋を守ってきましたが、残念ながら旧来の工法は瓦を土の固着力によって瓦を固定するだけの工法で、瓦が脱落や飛散しないように、瓦を釘やビスで留め付けておりませんでした。
また、古い家屋は建物の躯体が脆弱で、現在求められる耐震性が満たされていないため、地震で倒壊しやすいことがわかっています。倒壊した家屋は古い家屋のため瓦が葺かれており、瓦が葺かれていることで家屋が倒壊するという図式ができあがります。地震が起こるたびに瓦屋根の家屋の倒壊した映像が流れることで、倒壊の原因は瓦屋根であると誤った認識がなされています。
そのため古い家屋は地震では倒壊し、大型台風では瓦が飛散するということが発生し、それが報道され、わが国の古い家屋には瓦が葺かれていることで殊更、瓦屋根だけが被災しているよう記憶がされてしまいます。実際には瓦屋根以外の屋根材家屋も倒壊し、強風によって他の屋根材が飛ばされる映像がニュースで放映されています。
被災しているのは決して瓦屋根だけではないのです。当然のことになりますが、瓦屋根以外の被害がないなどと誤認されている屋根材の家屋であっても、建物の躯体が脆弱であれば、同様に倒壊し、屋根材がしっかり固定されていなければ、同様に飛散します。
瓦屋根は安全です
当連盟では平成13年より業界自主基準である「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」(通称:瓦ガイドライン工法)を制定し、地震や風で瓦が落ちないように瓦を釘やビスで全数留め付ける工法を推奨し、家屋を守ってきました。実際、東日本大震災、熊本地震、令和元年房総半島台風などでは瓦ガイドライン工法で施工された家屋では、瓦が落ちていないと調査の結果で判明しております。
瓦ガイドライン工法は法制化されました
令和4年1月に昭和46年建設省告示第109号が改正されました。「2021年改訂版 瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」は、その改正内容を補完するものとして位置付けられました。新築で瓦ガイドライン工法による施工をすることで、災害による被害から免れ、また同工法で施工していなければ法律違反となります。
一般社団法人全日本瓦工事業連盟
本連盟は、瓦工事業を営む者の資質の向上及び瓦工事技術の進歩改善を図り、瓦工事業の健全な発展と瓦工事の適正な施工を確保し、もって公共の福祉増進を図ることを目的とするとともに、その目的を達成するための事業を行っています。
所在地:東京都千代田区神田三崎町3-6-4
理事長:神谷 泰光
設立 :昭和52年9月社団法人設立
平成24年4月1日付けにて一般社団法人に移行
所管 :内閣府および国土交通省