社員同士の「いじり」を禁止した会社の驚きの従業員満足度とは

2022-06-13 17:00
社員同士の「いじり」を禁止した会社の驚きの従業員満足度とは

京都、大阪、滋賀で、平川整骨院/整体院/鍼灸治療院を16店舗展開する、EMPOWERMENT株式会社。

社員の働きやすさ実現に徹底的にこだわり「圧倒的ホワイトな環境」として、全国から同業者が学びにくるほどの会社です。

同社が重視しているのが、社員間のコミュニケーションにおける「いじり」禁止。

カジュアルなコミュニケーションの仕方として定着しているようにも思える「いじり」をなぜしてはいけないのか。

また、「いじり」禁止を社員はどう受け止めているのか。

同社代表の平川憲秀社長の著書『日本一働きやすい治療院を目指したら、人が辞めない会社になりました』http://www.asa21.com/book/b602591.html。よりご紹介します

若い人は「いじられる」のが好きか

「コミュニケーションがいい」といったときに、「相手に対して、何でも言い合える関係」と捉えている人が結構います。

当社の場合だと、とくに学校を卒業したての新入社員たちに「コミュニケーションがいいってどういう状態?」という質問をすると、こうした回答をする人が少なくありません。

しかし私は、「なんでも言い合える」というのは、社会人に求められるコミュニケーションではないと考えています。

「なんでも言い合える」というのは、聞こえのいい言葉ですが、下手すれば、相手に対して、思っていることを歯に衣着せずズバズバ言う、ということにもなり得ます。

そして、それによって相手を傷つけてしまうこともあります。

治療院の業界は、上下関係の厳しい体育会系気質なところがあるという話をしました。

そのせいか(と言ってしまうのは、「体育会系」への偏見かもしれませんが……)、昔から、「いじり文化」のようなものがあります。

どういう文化かというと、立場の上の人が下の人を、あれやこれやいじってコミュニケーションをとる、というものです。

たとえば……。肥満傾向のある人に対して、「体型」をネタにいろいろいじる。オタクの人に対して、それをバカにする方向で、あれやこれやいじる。年ごろの女性社員に、「カレシ、いるの?」などプライベートに立ち入って、それをネタにいじる。

いじっているほうは、だいたいの場合、悪気はありません。「愉快にコミュニケーションをとっている」くらいに思っています。場合によっては、「相手もいじられて、喜んでいる」くらいに思っているかもしれません。

たしかに「いじる」というのは、人間関係を円滑にするコミュニケーションの1つのノウハウという部分はあると思います。「いじり、いじられ合うことで、お互いの距離が近づく」という考え方を100%否定することは私もしません。

ただ、いじられるのが嫌な人もいます。とくに、今の若い人は、そうした形で自分の領域に踏み込まれるのを嫌がる傾向が強いように思います。

「余計なことを言うな」は「無関心になれ」ではない

相手が嫌がるようなコミュニケーションを続けていては、決して相手との距離は近づきません。

親しみも、信頼関係も生まれないと思います。

だから私が、社員たちによく言うのは、「余計なことを言うなよ」。余計なことを言うから、相手を不愉快にし、人間関係を悪くしてしまうのです。だったら、最初から「余計なこと」は言わない。

でも、「余計なことを言わない」というのは、相手に対して「無関心になる」ことではありません。

相手が嫌がりそうなことはきちんと察知して、そうしたことは言うな、ということです。

なので、無関心どころか、相手のことを十分に観察し、理解する必要があります。

「相手と自分とは『違う』ことを認識し、その違いを受け入れ、相手を個人として尊重する」というスタンス

そのときの土台となるのが、「相手と自分とは『違う』ことを認識し、その違いを受け入れ、相手を個人として尊重する」というスタンスです。こうしたスタンスをつねに持って相手とコミュニケーションをとっていく。

これこそが、大人に求められるコミュニケーションだと私は考えています。

今どきの言葉でいうのならば「多様性を認め合うコミュニケーション」です。
当社の社員となったら、こうしたスタンスをコミュニケーションの基本にしましょうと、社員たちに繰り返し伝えています。

「いじり」禁止で従業員満足度は驚異の数字に

「いじり」禁止で従業員満足度は驚異の数字に

いかがでしたでしょうか。

同社では、ただ「いじり」を禁止するだけでなく、特性診断ツールを導入し、各個人の診断結果を共有し、研修も実施しています。

それによって、「自分と相手とは違うんだ」ということが強く刻み込まれるようです。

実際、研修後の感想を見ても、「自分の『当たり前』が、相手にとっても『当たり前』でないことに気づかされた」といった内容のコメントが数多く寄せられるそうです。

結果、同社の従業員満足度は社員数132名で92%。

もちろん「いじり」禁止以外の取り組みも奏功した結果ですが、大きな成果をあげています。

本書『日本一働きやすい治療院を目指したら、人が辞めない会社になりました』http://www.asa21.com/book/b602591.html、「いじり」禁止のほかにも風通しをよくするコミュニケーションの仕組みを掲載しています。では

働きやすい会社を実現するために、本書をヒントに社内のコミュニケーションから変えてみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

平川憲秀(ひらかわ・のりひで)

著者:平川憲秀

EMPOWERMENT株式会社代表取締役。
京都市出身。両親が1976年に京都市南区に開業した鍼灸整骨院を引継ぎ、平川接骨院/針灸治療院グループとして京都・大阪・滋賀に16店舗を展開。
企業成長率年120%、圧倒的な働きやすさで注目を浴びる。
現在は、全国50社以上が集まる「エンパワーメント経営アカデミー」で治療院成長のための「仕組みと組織づくり」のサポートも行っている。

書籍情報

表紙

タイトル:日本一働きやすい治療院を目指したら、人が辞めない会社になりました
著者:平川 憲秀
ページ数:256ページ 
価格:1,650円(10%税込) 
発行日:2022年5月16日
ISBN:978-4-86667-375-2
http://www.asa21.com/book/b602591.html

amazon:https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4866673753/asapublcoltd-22/
楽天:https://books.rakuten.co.jp/rb/17038777/?l-id=search-c-item-text-01

目次

1章 日本一働きやすい治療院のつくり方
2章 教育の仕組みで成長できる
3章 働きやすさは、「仕組み」がつくる
4章 風通しをよくするコミュニケーションの仕組み
5章 未来をつくる経営

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