リクルート『リクナビNEXT Tech総研』の研究レポート、CNCタッピングセンター開発を支えるブラザー工業のDNA

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■スピードとコストを重視。お客様が「儲けることができる」製品づくり
小型で俊敏なマシンが、新しいマーケットを切り拓いた
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 ブラザー工業の産業機器、中でもCNCタッピングセンターと呼ばれる小型工作機械が、全世界におけるITや自動車部品の需要の高まりを受け、販売を拡大しています。『Tech総研』編集部は、生産性・加工能力・信頼性向上をめざした25年の開発を取材し、現場のエンジニアに「ブラザー流モノ創りの思想」をインタビューしました。

 タッピングセンターは、既存のマーケットを侵蝕してシェアを広げたというより、新しいマーケットそのものを開拓した製品です。初期の製品は、万能の工作機械が主流の中で、余分な機能を削除し、穴開けタップに的を絞るという、逆転の発想から生まれたもの。85年当時は、展示会に出品しても「なんだ、この機械は。一体何ができるんだ」という目でみられたといいます。

 そこでまずは顧客に、自由に図面を描いてもらい、それを目の前でプログラムして、瞬時に削ってみせるというデモンストレーションを繰り返したのだそうです。プログラミング時間、加工時間ともに、あたかも「早送り」しているようなスピードに顧客の多くが驚いたといわれています。

 同社の開発担当者は、顧客の工場に足繁く通い、実際に工作機械が使われているマシーンを見ながら、顧客も気づかないような新しいニーズを感じ取っていました。加工時間の短縮や精度の向上、何よりラインへの設備投資が安くなるというブラザーの提案は徐々に顧客に受け入れられていったそうです。生産性・加工能力・信頼性を高めるための技術蓄積──これがブラザーの工作機械のDNAを形成してきたのです。

 本レポートでは、現場のエンジニアたちがどう生産性にこだわり、コストとスピードを向上させていったのかという開発話についても詳しくレポートしています。

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