第7回  近畿圏新築分譲マンション市況アンケート調査結果

市況は厳しいが低下・二極化が進行中で、大阪都心のみは好調を持続。 2019年は各地域とも価格上昇が予測されている。万博開催決定も価格上昇要因。 これに伴う一層の市況の低下が懸念される。

大阪不動産マーケティング協議会(事務局 大阪市北区 URL:http://www.osakafm.jp/)は会員企業を主な対象として「第7回近畿圏新築分譲マンション市況アンケート調査」を実施しました。この度、その結果がまとまりましたので発表致します。
当協議会は近畿圏の分譲住宅事業に携わる不動産会社・広告会社・調査会社で構成されており、分譲住宅のマーケティングに深くかかわっています。また、不動産会社の多くが分譲マンション供給ランキングの上位にある他、今回のアンケート回答企業の供給実績のみで近畿圏における供給戸数の4割近く(38.6%)を占めております。このアンケート結果は供給サイドより見た市況予測という面で参考になるものと考えています。但し、今般の「新型コロナウイルス」問題深刻化以前の回答が多い為、同問題の影響は充分には反映されていません。

主な調査結果

○市況は明確に低下。
 ・2019年の市況を好調とする回答は13.3%にとどまる他、MR来場者が増加したと
      の回答は0.0%であり、市況は低下し、厳しいと認識されている。
 ・しかし、大阪市都心のみは約7割の企業が好調としている。地域差が拡大して
      いる。
○2020年市場はやや不調な市場と見る企業が40%台前半で最も多い。
 ・低金利を理由に、マンションは大きくは売り時と認識されている。
 ・しかし、2020年を好調な市場と予測する回答はなく、「やや不調な市場」との
      回答が40%台前半で最も多い。「新型コロナウイルス」問題の深刻化を加味
     すれば更に市場は厳しいと見られる。
○2020年の供給戸数は17000戸。各地域とも単価が上昇し、面積が縮小する。
 ・回答企業の2019年市場シェアと本年の供給予定戸数より算出した予想供給戸数は
      約18600戸。また、回答企業の本年予測供給量の平均は16000戸である。これら
      から、2020年の供給量を17000戸と予測する。但し、「新型コロナウイルス」
      問題があり、これより低下する可能性は大きい。
 ・本年の供給単価は上昇が予想される。この為、単身・DINKS向けはもとより、
      ファミリー向けもやや狭いものが増加する見込みである。
○万博開催決定で更にマンション価格が上る。
 ・万博開催決定で「建築費が上昇してマンション価格が上る」という回答が
      約7割。
 ・しかし、周辺地域・沿線の需要が伸びるとの意見は少なく、「マンション市場
      への影響は少ない」も20%。

調査の概要

(1)調査方法  メール配信・郵送/メール・FAX回収 
(2)調査期間  2020年1月20日~2020年3月17日到着分
(3)調査対象企業  
  1.近畿圏で分譲マンション事業を展開するデベロッパー
  2.近畿圏で分譲マンションの販売事業に携わる不動産販売会社
  3.近畿圏で分譲マンションの広告事業に携わる広告代理店
  4.近畿圏で分譲マンションの調査事業に携わる調査会社
(4)有効回答企業数 30サンプル(デベロッパー16社、不動産販売会社1社、
         広告代理店7社、調査会社6社)
   
  ※デベロッパーの有効回答企業16社のうち、2019年の近畿圏事業主別供給
     ランキング(株式会社 不動産経済研究所調べ)上位20位に8社が含まれて
     います。

調査結果の概要

(1)2019年のマンション市場
○2018年のマンション市場を好調とする企業は3.3%に過ぎず、モデルルーム来場が
   増えたとする企業はなくなっている。明らかに市況が低下している。
○そんな中にあって大阪市都心のみは約7割の企業が好調と評している他、23%の
   企業がモデルルーム来場者も増えたとしている。
(2)2020年のマンション市場予測 -1.売れ行きなど市況感
○低金利を背景に売り時とみる企業が多い。
〇しかし、2020年の市況はこれまでより厳しく、「やや不調な市場」と見る企業が
   40%台前半。
(2)2020年のマンション市場予測 -2.供給価格
○供給価格は上昇し、全体平均で坪単価は4.8%上がると予測されている。
○地域別でも各地域とも概ね4%以上の上昇が見込まれている。
(2)2020年のマンション市場予測 -3.供給量の予測
○本アンケート回答企業の予定供給戸数を前年実績(供給シェア)より算出した
   予測供給量は約1万8600戸。
○しかし、予想供給戸数の平均は約1万6000戸。
○2020年は約17000戸位の供給量と見られる。
(2)2020年のマンション市場予測 -4.商品トレンド・新規事業開発
○単価上昇の為、狭面積・コンパクトが商品トレンド。
○新規事業としては戸建と賃貸住宅が増加。
(2)2020年のマンション市場予測 -5.万博・IRの影響
〇万博開催決定で建築費が上り、マンション価格が上昇すると見られている。
〇マンション需要伸長という回答は少なく、「市場への影響は少ない」も2割程度。

大阪不動産マーケティング協議会の概要

名  称  大阪不動産マーケティング協議会
住  所  大阪市北区西天満3-1-13清洲西天満ビル401号市場開発研究所内
              電話 06-6361-1137 FAX 06-6361-5568
設  立  2011年9月30日

加盟会社

不動産会社

 ・エヌ・ティ・ティ都市開発 株式会社
 ・大阪ガス都市開発 株式会社
 ・大林新星和不動産 株式会社
 ・関電不動産開発 株式会社
 ・近鉄不動産 株式会社
 ・京阪電鉄不動産 株式会社
 ・サンヨーホームズ 株式会社
 ・JR西日本不動産開発 株式会社
 ・住友商事 株式会社
 ・大和ハウス工業 株式会社
 ・東急不動産 株式会社 関西住宅事業本部
 ・東京建物 株式会社 関西支店
 ・東レ建設 株式会社
 ・阪急阪神不動産 株式会社
 ・株式会社 プレサンスコーポレーション
 ・丸紅 株式会社
 ・三井不動産レジデンシャル 株式会社
 ・三菱地所レジデンス 株式会社
 ・ユニハイムエステート 株式会社
 ・株式会社 アイ・フラッツ
 ・アーバンライフ住宅販売 株式会社
 ・カンパニートラスト 株式会社
 ・株式会社 TCフォーラム
 ・株式会社 長谷工アーベスト
 ・株式会社 ライフステージ

広告会社

 ・株式会社 朝日広告社 関西支社
 ・株式会社 アド近鉄
 ・株式会社 アドマックス
 ・株式会社 インターフィールド
 ・株式会社 JR西日本コミュニケーションズ
 ・株式会社 ジェイ・アンド・エフ
 ・株式会社 新東通信
 ・株式会社 伸和エージェンシー
 ・株式会社 大広
 ・株式会社 T n s
 ・株式会社 DGコミュニケーションズ
 ・株式会社 東急エージェンシー
 ・株式会社 日本経済広告社 関西支社
 ・株式会社 日本経済社 大阪支社
 ・株式会社 フューチャースケッチ
 ・メディアエムジー 株式会社 大阪支店
 ・マルエトーワ 株式会社
 ・株式会社 読売広告社
 ・株式会社 読売連合広告社

調査会社

 ・株式会社 アフェクト
 ・IDEAコンサルティングオフィス 株式会社
 ・株式会社 エグゼ・ネット
 ・有限会社 エム・アール・シー 大阪支社
 ・株式会社 工業市場研究所
 ・沢野総合研究所
 ・有限会社 市場開発研究所
 ・曽余田マーケティング事務所
 ・株式会社マーキュリー 関西支社

役  員  
代表幹事 三井不動産レジデンシャル株式会社 常務執行役員 関西支店長 
     徳川 浩一
副代表幹事 株式会社 DGコミュニケーションズ 監査役 川越 俊一郎
副代表幹事 株式会社 工業市場研究所 取締役 第二事業本部 本部長 美濃部 康之
会計幹事 東レ建設 株式会社 理事 総務部長 正子 総一郎
事務局長 有限会社 市場開発研究所  代表取締役  李 健三

事業内容  
  分譲住宅に携わる企業が集い、業務上のルールを策定・運用しています。
  主な事業は次の通りです。
1.人権意識を高めるための教育事業
2.マーケティング力を高める為の調査・研究

調査企画  
   今回のアンケートは次の2社が企画しました
 株式会社 工業市場研究所 大阪事業所(担当 久田 電話06-6533-0633)
 有限会社 市場開発研究所(担当 李 電話06-6361-5578)

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