皮膚洗浄剤連用による肌の保湿効果とかゆみ抑制効果を確認

 ライオン株式会社(代表取締役社長・掬川 正純)は、皮膚洗浄剤(モデル組成)連用による肌の保湿効果とかゆみ抑制効果を確認しました。その皮膚洗浄剤とは、炎症抑制の有効成分として使われるグリチルリチン酸ジカリウム(以下 GK2)、アミノ酸系界面活性剤、カチオン化高分子を組み合わせたものです。なお、本研究は、2022年6月に行われた「第121回日本皮膚科学会総会」にて発表いたしました。

研究の背景

 GK2は抗炎症成分として配合されることが知られていますが、アミノ酸系界面活性剤との併用効果に関する皮膚への影響についての検討はほとんどありません。また、アミノ酸系界面活性剤は刺激が少ないことが知られていますが、カチオン化高分子との効果についての検討もほとんどありません。
 そこで本研究では、GK2、アミノ酸系界面活性剤およびカチオン化高分子の組み合わせによる、肌の保湿効果とかゆみ抑制効果について検証しました。

研究の結果

実験概要

 GK2+アミノ酸系界面活性剤+カチオン化高分子の組成、脂肪酸系界面活性剤+カチオン化高分子の組成、脂肪酸系界面活性剤組成の3組成について、痒み症状を抱える成人男女、各組成群11~13名に4週間連用してもらい、肌の保湿効果として経表皮水分蒸散量、かゆみの指標になる電流知覚閾値を測定し、検証を行った。

研究結果の詳細

 GK2+アミノ酸系界面活性剤組成+カチオン化高分子の組成において、他の2つの組成に比べて保湿効果として経表皮水分蒸散量が抑えられていました(図1)。また、同組成において、かゆみ指標である電流知覚閾値は高くなっていました(図2)。
 これらの結果より、アミノ酸系界面活性剤、カチオン化高分子とGK2の組み合わせは、保湿効果とかゆみ抑制に効果があることを確認しました。

図1 保湿効果
図2 かゆみ抑制効果

図2 かゆみ抑制効果

 本研究により、抗炎症成分として認められているGK2、アミノ酸系活性剤およびカチオン化高分子の組み合わせにより、肌の保湿効果とかゆみ抑制に効果があることがわかりました。GK2にアミノ酸系界面活性剤とカチオン性高分子を併用することでは抗炎症だけに留まらず、肌を保湿しながら、かゆみを抑える新たな作用を見出しました。

第121回日本皮膚科学会総会(2022年6月2日(木)~5日(日)於:国立京都国際会館)

○演題   皮膚洗浄剤連用による肌の保湿効果及び痒み抑制効果の検証
○発表者  ライオン株式会社 ビューティケア研究所 鈴木 律裕、
               平山 愛里、二宮 幸治、古賀 丈一朗
○学会公式HP: https://www.dermatol.or.jp/

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