「ビル再生100の物語」知らないとコワいネット仲介サイトの話
ビル再生100の物語 第33話
テナワンでは、これまで多くのビルの空室対策や賃貸運営を行ってきました。
それぞれの問題を解決してきたビル再生の事例を「100の物語」としてこれから公開していきます。
とあるビル(Aビルとします)のテナント募集を依頼されました。
手始めに、どれくらいAビルがネット仲介サイトに掲載されているか調査してみました。
ある仲介サイトでは5階20坪が空室、賃料は20万円になっています。
ところが、他のサイトでは、4階の30坪が空室、他の階はすべて成約済みになっています。
(肝心の5階が成約済になってます)
また別のサイトでは、5階が募集中になってはいますが、賃料は22万円になっています。
テナントはこういう状態を見ると、どれがホントかよくわからなくなります。(当たり前ですね)
20坪でいい物件を探そうとしているテナントは4階(30坪)には問い合わせしないでしょうし、5階を22万円としているところにも問い合わせしないでしょう。
ネット仲介サイトのメリット・デメリット
ネット仲介サイトは、とても多くの物件情報を掲載しています。
少ないところで数千物件、多いところでは2万物件を超える物件情報を掲載しています。
それぞれの仲介サイトも情報更新の努力はしているのですが、数が多すぎて古い情報がそのまま掲載されていることが少なくありません。
中には、ビルオーナーから直接依頼されていないのに、他の仲介会社の情報をもとに情報を掲載しているところもあります。
これを放置しているとどういうことになるか。
もしテナントさんが最初に見た仲介サイトで、自分のビルの空室情報が正しく掲載されてなかったら?
募集条件を断腸の思いで下げたのにその情報が更新されてなかったら?
テナントさんはあなたのビルに気づくこともなく、もしくは条件絞り込みの検索結果に表示されることもなく素通りされてしまいます。
「自分のビルが存在しないも同然」
という悲しい結果になってしまいますね。
過去のブログで、こんなことを散々書いてきました。
「打点(成約)」を取るには「打席数(露出度)」×「打率(成約率)」だ
インターネット時代のテナント募集にはまさにこれがあてはまります。
たくさんのテナントさんに募集の情報を見てもらえる(打席数が稼げる)可能性がある一方で、一つ間違えるとまったく試合にすら出れないかもしれません。
ビルオーナーさんは、まず自分のビルの募集階や面積、賃料や設備の情報など募集条件が正しく掲載されているかどうかをチェックしなければいけません。
情報が間違っていたり、そもそも自分のビルが出ていなかったら?
速攻でその場で電話して情報のアップデートを依頼してください。
そして、数日後にちゃんと情報更新されているかどうかを確認してください。
それでも直ってなかったら?
速攻でその場でもう一度電話して情報のアップデートを依頼してください。
相当にメンドクサい作業ですが、仕方ありません。
インターネットでのテナント募集は正しい情報掲載が第一歩です。