参考資料（Oracle AppsWorld 2002 San Diego特別レポート）Oracle AppsWorldで「Life Sciences Day」併催

「Oracle AppsWorld 2002 San Diego」を開催中のオラクル・コーポレーション（米国カリフォルニア州レッドウッドショアズ、会長兼CEO：ラリー・エリソン　NASDAQ：ORCL）は4月9日、サンディエゴ市内のホテルで「Life Sciences Day」を行い、医薬業界向けのIT基盤「Information Architecture for Life Sciences」を発表しました。

「Information Architecture」は、可用性とスケーラビリティに優れた「Oracle9i」を基盤とし、シングルデータモデルを構築、その上にさまざまな業務プロセスをプラグインできるアーキテクチャを表現したものです。医薬業界版の「Information Architecture」は、「Oracle E-Business Suite」の各種アプリケーションや、「Oracle Clinical」をはじめとする、医薬業界向けのアプリケーションを組み合わせています。

オラクル・コーポレーションでデータベースサーバを統括する執行副社長のチャック・ロズワット氏は、「化合物の発見から、新薬の開発、商品化、およびセールスとマーケティングまで、すべてのバリューチェーンにおいて、エンドツーエンドの自動化とシームレスな情報の流れをつくりだす必要がある」つまり「Information Architecture for Life Sciences」が重要であることを強調しました。

この日のセッションには、多くのゲストが欧州から招かれ、医薬業界が直面している課題についてディスカッションも行われています。

英国のプライスウォーターハウスクーパーズで医薬業界や化学業界を担当するリードパートナー、スティーブ・アーリントン氏は、医薬業界全体の収益率低下を指摘し、新薬開発のさらなるイノベーションと商品化までの迅速化が生き残りには欠かせないとしました。

化合物を発見しても、商品化まで漕ぎ着けるのは5000件に1件という厳しい医薬業界ですが、「ベストセラーに頼る構造は変わっていない。しかも、その特許が永遠に保護されるわけではない。今売れ筋のトップ100のうち53までが2005年までにはその権利を失ってしまう」とし、この業界には新しいモデルが必要だと強調しました。

アーリントン氏は、新しいモデルでは「医療コミュニティー」の構築が重要だと指摘しています。このコミュニティーは、単に研究所から臨床試験部門、製造部門、販売部門など製薬会社の内部にとどまるものではありません。米国であれば、FDA（米国食品衛生局）のような規制当局や、病院、医師、患者に至るまで、一連の流れを情報基盤でつなぐものです。

プライスウォーターハウスクーパーズは、この日発表された「Information Architeture for Life Sciences」のパートナーに名を連ねており、「Oracle9i」を核とし、「Oracle Clinical」や「E-Business Suite」を基盤としたシステムのコンサルティングを展開していくことになります。

オラクルのロズワット氏が特別に「Oracle9i Discovery Platform」と呼んだ「Oracle9i」製品群は、堅牢さやスケーラビリティはもちろんですが、病気と関連性のあるパターンを探しだしてくれるデータマイニングの機能や、フラットファイルや他社データベースも統合できる柔軟性を備えています。

バイオインフォマティクスの分野では、外部のWebサイトやデータベース、あるいは構造化されていないテキストデータを活用することも多いといわれており、こうしたデータ統合の柔軟性や、「Oracle Text」のほか、「Distributed Query」「Ultra Search」といった検索機能も生きてきます。

なお、「Information Architecture for Life Sciences」のパートナーとして、プライスウォーターハウスクーパーズ以外にも、MDLインフォメーションシステムズやアセロジェネティックエクスチェンジ、デンドライトが発表されています。

MDLは化合物発見のフェーズをサポートするアプリケーションで1000社以上の顧客を抱えています。デンドライトは医薬品会社向けのSFAではリーディングベンダーです。ジェネティックエクスチェンジには、60以上のバイオ関連データソースやアルゴリズムへのアクセスが可能になるデータアクセスソリューションを提案します。

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OAW特別班
日本オラクル株式会社　広報部　玉川

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